三毛(茶トラ+黒+白)

三毛(茶トラ+黒+白)

calico|三色

レア度:★
タグ分類:三毛

  1. 解説
  2. 遺伝子型
  3. カラーポイント

 ひとくちに三毛と言っても毛色の構成は様々ですが、茶トラ+黒+白の三色で構成された三毛は、茶トラ+キジトラ+白の三毛と並び、街なかで最も多く見かける毛色の一つです。黒三毛と呼ばれることもあります。英語では三毛を総称してcalicoやtortie and white、tricolor、中国語では三色貓や三花貓といいます。
 三毛の毛色は、白斑を発現するS遺伝子座、キジ色か黒を発現するA遺伝子座、そして茶色を発現するO遺伝子座が鍵を握っています。
 白斑を発現するS遺伝子座については、三毛には白斑が必須ですから優性S-で固定です。
 次に、茶色を発現するO遺伝子座ですが、これはX染色体上にあるので、性染色体が通常XYのオスは、O遺伝子座の遺伝子型にOYかoYの組み合わせしかなく、茶色を発現するのはOYの場合です。一方、メスは性染色体がXXなので、O遺伝子座の遺伝子型にはOO、Oo、ooという三通りの組み合わせがあります。OOならもちろん茶色になりますが、Ooの場合は伴性遺伝により茶色のほかにキジ色か黒が混じります。メンデルの優性の法則からすれば、ヘテロ接合型Ooの時は劣性遺伝子oの働きが抑えられ、茶色だけが発現しそうなものですが、伴性遺伝ではそうなりません。
 X染色体にはオスメス共に必要な遺伝子、Y染色体にはオスだけに必要な遺伝子が格納されています。性染色体がXXになるということは、メスに必要な遺伝子を2セット持つことになり、1セット余ります。このため哺乳類では、X染色体が2個あると、受精直後の細胞分裂の時に、どちらか片方の遺伝子発現が抑えられます(不活性化といいます)。不活性化は細胞ごとにランダムに起こるので、Ooの場合、優性Oの働く細胞と働かない細胞がそれぞれ成長します。不活性化した細胞はOが働かないわけですから、本来下位だったA遺伝子座の働きが現れます。つまり優性のA-ならアグチパターンを発現するのでキジ色、劣性のaaの場合はフェオメラニンの生成が阻害され、黒い色素であるユーメラニンしか生成されないので黒になります。
 Ooというヘテロ接合型が必要な三毛や二毛は、したがって通常メスです。稀にオスの三毛や二毛も存在しますが、多くの場合は性染色体異常(XXYのオスがヘテロ接合型OoYを構成する)などが原因です。
 茶色の部分には、Mc、Sp、Uの各遺伝子座の遺伝子型に応じて模様が入ります。A遺伝子座の遺伝子型がaaのノンアグチはアグチシグナルタンパクが働かないはずですが、茶色部分の毛には必ず茶と白の色の層が生じます。この理由はまだ分かっていません。

ww Oo aa B- C- ii D- S- Mc- spsp uu

 元となる毛色(茶トラ+黒+白)の遺伝子のうち、C遺伝子座の遺伝子型が劣性ホモ接合になると、対立遺伝子に応じたレベルのカラーポイントが生じます。外見から劣性対立遺伝子を特定することは不可能なので、以下に遺伝子型の一例と写真を紹介します。管理人はポイント三毛または黒三毛ポイントなどと呼んでいます。

遺伝子型:ww Oo aa B- cscs ii D- S- Mc- spsp uu
呼称:calico point

三毛(茶トラ+黒+白)ポイント

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