今日は早起きして大田区大森のとある臨海エリアを散歩してきた。
もともとこの一帯は海苔の養殖が盛んな漁師町で、その名残なのか今でもたくさんの猫が生息している。高度経済成長に伴う水質汚染により漁業権を放棄したのが1962年だから、もう60年以上も前のことなのに、それでもなお往時の雰囲気を色濃く残している不思議な街でもある。歴史的経緯は浦安によく似ていて、あちらは海苔のほかにアサリやハマグリも水揚げしていたようだが、やはり水質汚染によって1962〜1971年にかけて漁業権を放棄。その後大規模に埋め立てられて某巨大ネズミーランドを誘致したことはよく知られている。一方の大森は昭和島や京浜島などの人工島が造成され、たくさんの工場ができたほか、羽田空港が拡張されるなどして環境が激変した。俺は1994年ごろこの街に住んでいたことがあり、当時から夥しい数の猫を見かけていたことから、2011年に猫散歩を始めてからも何度か足を運んでいる。大森というのは多摩地区からは行きにくい場所だが、羽田空港行きのリムジンバスと東京モノレールの組み合わせなら楽に移動できる。
調布駅北口5:40発のリムジンバスは台湾猫旅の時にも利用している便なので、7ヶ月ぶりに非日常感を味わえたが、三連休の中日とあって首都高はがらがら。わずか35分で羽田空港第2ターミナルに到着し、モノレールに15分揺られればもうスタート地点の昭和島に着いていた。
にゃーんと鳴いて行く手を遮る猫に遭遇したのは7時少し前のことだった。

アビシニアンのルディみたいな赤毛のキジトラ。模様にもベンガルのロゼットっぽい名残が見えるので、何らかの血統猫が捨てられて交雑した子なのかも知れない。

4年半前に来た時は黒白が2匹いたけど、今日はこの子だけかな。

以前はたくさんの猫が暮らしていた堤防。釣り人の釣果には期待していないのか、運河に背中を向けて一点を見つめていた。

街なかにもぽつぽつと猫の姿が見える。曇り空だからか動きは鈍い。

液晶モニタをチルトしてライブビュー撮影。KPの修理が上がってきたからできる芸当で、固定モニタのK-5じゃ無理だった。

初めてこの街を猫散歩した2011年10月にも人懐っこいサビに会った。あの子はもう鬼籍に入っただろうか。

同じアパートの反対側には茶トラ白もいた。こちらはやや驚いた表情。

丸々していて毛並みもいい。通行人の猫に対する反応を見ていると、優しい人が多いようだから、きっといいものをたらふく食べているんだろうな。

突然マコちゃんに切り替わると、痩せっぽちなのが如実に感じられてなかなか辛い。

化学療法というのはDNAを薙ぎ払うような治療なのでダメージが大きく、そもそも選択しない人もいるし、選択しても症状が改善しなかったり、副作用が大きすぎるなどの理由で途中でリタイアする人も多い。今のマコちゃんの体力や痩せ方は生前のサチコの19歳か20歳ぐらいに相当すると思うので、半年間の化学療法によって3〜4年分ぐらい老け込んだと言うこともできる。これで良かったのかと自問自答することもあるが、鼻腔内リンパ腫は進行が早いので、もし治療していなければ、おろおろしているうちに死んでいただろうし、気持ちを整理して最後の団欒に臨むということもなかなかできなかった(働き方なども含めて)。対象が猫でなくても、配偶者や親だったとしても、あるいはほかの生き物だったとしても、やはり同じ選択をしたと思う。それは相手のためでもあり自分のためでもあって、いずれ病気や死に臨めば愛する誰かとそういうことをし合うのだから、どの選択をしようが最終的には対等でいられると思う。
































