怒濤の台湾猫旅は現地でのパスポート紛失により6泊7日だった予定が8泊9日になり、今までの人生でそんなに家を空けたことはなかったので、マコちゃんに淋しい思いをさせてしまった。今週は水曜日以降ずっと在宅勤務にして、なるべく一緒に過ごすようにしていた。
パスポートをなくしたことに気づいたのは、帰国の飛行機に乗る出境ゲートの直前だったので、もともと予定していたスケジュールに対する影響はなかった。しかしこれは一筋縄で済むことではなく、話せば長い経緯もあるので、その件については後日の記事に詳しく書くことにする。
今日のところは猫旅初日(3月22日)の紹介から。搭乗便はいつもと同じ中華航空223便で、羽田空港を7:55に出発し、台北松山空港には台湾時間10:55に到着する4時間のフライトだが、この日は風向きが良かったのか20分ほど早着。11時すぎには入境と両替を済ませ、さらに空港内で7日間有効のSIMカードを買って、最初の散歩地である七堵へ向かった。この辺りはいつも同じ手順なので今さら迷うことはなく、悠遊卡(交通系ICカード)については残高が分からなかったので、あとで時間のある時に確認してからチャージすることにした。
黄色いタクシーで七堵駅の後站(栄えていない方)に到着したのは正午前。七堵駅の周囲は過去にも何度か散歩していて多少は土地勘もあるが、今回は少し発展させて、市街地から1.5kmほど西へ向かうことにしている。この辺りには「堵」という字のつく地名がいくつかあって、俺の知る限り少なくとも五堵、六堵、七堵、八堵が存在する。それぞれ区名や里名、あるいは駅名だったりするが、この機会にそれらの場所で猫を見つけてみようという魂胆である。堵というのは壁や垣根を表す字で、この辺りを流れる基隆河の自然蛇行により、高麗川の巾着田のように突き出た地形をそう呼ぶそうだ(諸説あり)。河川改修が進んだ現在、地図からその名残を読み取ることは難しく、一堵〜四堵、九堵や十堵も存在するらしいとは聞くが真偽は分からない。
1匹目と2匹目はほどなく発見。この辺りは基隆市七堵区なので、どこで見つけてもとりあえず「七」は制覇。

屋根の上のはどう頑張っても届かないので断念。実は2匹とも2年前に会っているので、どんな子かは分かってる(こちら)。

初っ端から霜降りというのも外国の猫散歩ならでは。首輪には咪咪という名前が書かれていた。

七堵駅の広い構内を横断するトンネルをくぐり、栄えている方の猫拠点を訪ねてみた。柔らかな日差しに誘われてか、ふらふらと出歩いているのが1匹。

ここの顔見知りに会いたくて来てみたんだよ。背中が渦巻き模様の子、知らないかなあ。

人懐っこい子のようだけど、普段接している台湾人とは微妙に異なる雰囲気を感じるのか、後ろ足がおっかなびっくりになっている。

「哼、無想講遮嘛會有觀光客、誠罕得捏(あら、ここに観光客なんて珍しいわね)」

おっぱいがお母さんっぽい。この路地の猫はすでに世代が変わったのかも知れないな。

七堵駅の商店街を抜けて間もなく、大きく蛇行する基隆河を二度渡る。巾着田のような出っ張りは運送会社のコンテナ置き場になっていて、広大な敷地の奥にはたくさんの40ftコンテナが並んでいる。七堵駅の西側に展開するのは工業団地であって、およそ猫を探して歩き回るような環境には思えないが、日本と違って台湾はそうした場所にも居住区があり、鼠害に悩む人々が猫の手を借りる光景が見られる。ちなみに台湾には「土地使用分區」という日本の用途地域に相当するルールが存在するが、日本ほど厳格には運用されていないようだ。
気温は21.4℃とさほどでもなく、日差しも出たり翳ったりしているが、湿度が95%ほどとかなり高く、歩いているだけでも汗が止まらない。これは散歩コースを誤ったかと思い始めたころになって、ようやく地面でお昼寝しているのを発見した。

そしてもう一歩近寄ったらこの有様。人懐っこい子ではなかった……。

この辺りは基隆市七堵区の六堵里というエリア。里というのは日本における大字に相当する行政区分で、里の上位行政区分は市区鎮となる。里と同等の行政区分に村というのもあり、そちらは郷が上位行政区分となる。

まあそんなことはどうでもいいけど六堵里の黒白。さっきのキジ白といい、六堵の猫は警戒心が強い。

毛並みはいいのでどこかで飼われているのだろう。何というか、こう、もう少しフレンドリーにお願いできませんかね。

六堵嶺というバス停からバスに乗り、この日2回目の散歩をスタートしたのは13時ちょうど。降りたバス停は八堵火車站、つまり目の前が台鉄の八堵駅前で、地名としては失われてるものの、八堵の名は駅名と街路名にしっかりと残っている。
八堵路の急な坂道の途中、草むらに佇む黒を発見。

このあと八堵駅の裏手を回って暖暖まで6.3kmの散歩になるが、紙幅が尽きたので今日のところはこれでおしまい。今までの台湾猫旅は4泊5日が基本で土日にかかることを徹底的に避けていたが、6泊7日となるとそうも行かず、今回は日曜日からスタートして土曜日の帰国となる。土日の台湾はどこへ行っても行楽客で混雑しており、この日、六堵、七堵、八堵そして暖暖という地味なエリアを選んだのも、それらの混雑を避けるためだった。とはいえ住宅街となると平日は仕事に出ている人が在宅しており、他所者に注がれる眼差しを温かく感じることはあまりない。なお、ざっくり数えたところでは、今回の猫旅で見つけた猫は229匹となっていて、今までで最も多かった2023年3月の212匹を上回っているので、連載回数もその時の24回かそれ以上になると思う。



























