騒音と雑踏の首都圏からようやく逃れたというのに、台湾猫旅3日目(3月24日)の最初の散歩地が大都会の高雄というのも矛盾しているが、高雄国際空港を10:30に発つ德安航空7009便に乗るには、高雄市中心部に前泊するのが合理的選択だ。德安航空はオンラインチェックインに対応していないので、国内線とはいえ40〜50分前には出発ロビーに到着したい。そこから逆算した結果、過去にも何度か歩いた旗津島縦断では時間が足りないし、左營区に展開する迷路のような路地から明德新村などの眷村(軍人居住区)へ至るルートも、歩行距離が長くなって急ぎ足を強いられそうだった。旅程に空路を挟むと手前の散歩がケツカッチンになるし、万一乗り遅れでもしたら旅程が崩壊するので好ましくないのだが、高雄の次に控えているのは初めての澎湖県。ここで猫を見つければ台湾の全県(+直轄市と旧省轄市)制覇になるので、安全策として台鉄の鼓山駅から高雄捷運の哈瑪星駅へ向けて散歩することにした。このエリアは去年の台湾猫旅の最終日にも滞在しており、帰国前の最後の散歩地になるはずだったが、楓港で食べたイカ焼きに当たってしまい、下痢・腹痛・虚脱という三重苦に見舞われて何もできなかった。まったく知らない土地というわけでもないので、あわよくば見知った猫に会える可能性もあった(前回の記事はこちらを参照)。
1元5円という円安元高により、1泊1万円以下という条件では都合のいい場所に宿がなく、前泊したのは台鉄左營駅近くの䦈迎辰曦民宿という小奇麗な宿。adogaで6,959円という価格に惹かれて選んだが、駅の周囲には飲み食いできる店がなく、この日はコンビニお握りで我慢することになった。翌朝は6:45に起床して左營7:08発の区間車に3駅だけ乗り、鼓山駅には7:15に到着した。
7:33に1匹目を発見。想定よりも時間がかかっている印象。

スクーターのステップに佇む大白斑のキジ白。待ち人じゃなくて済みませんね。

ここからしばらくは過去にも歩いたコース。この線路は高雄捷運環状軽軌、いわゆる高雄LRTの環状線で、廃止された台鉄の高雄臨港線を一部転用して敷設された。2018年11月の猫旅で訪れた時はまだ建設中だったが猫はいて、今回もそれを期待して寄ってみたという次第。

イカ焼きでお腹を壊した前回、帰りの飛行機までLRTに乗って時間を潰したのだが、体調激悪なのを我慢してこの近くの停留所で電車を降りたら、遥か彼方の線路上を猫が横断するのを見かけた(こちら)。あの時の黒白は、もしかしたら2018年に見かけたこいつかこいつだろうなと思い、それを確かめたかったのも今回このコースを選んだ理由の一つだ。まあ叶わなかったわけだけれども。

軌道敷の周囲は猫の気配が濃厚。高い塀に遮られて向こう側は見渡せないが、見える範囲にもいてくれるからありがたい。

背伸びしてカメラを向ける日本人観光客を不思議そうに眺めていた。

呼んだら「にゃあ」と返事した。人懐っこそうだけど下りてはこない。

鼓山区の西側には壽山という標高356mの山があり、その裾野には地図にも載らない細い路地が蜘蛛の巣のように展開している。そんな路地にはさぞかし猫が生息しているだろうと胸を膨らませていると、道端に若いキジトラを発見。

「遐的山有危險的動物、莫靠近較好喔(あの山にはキケンな動物がいるから、近寄らない方がいいよ)」

その細い路地でカメラに収まったのは黒白が1匹だけ。道幅が狭すぎるのと標高差が大きいのとで、猫を見つけても画角に収まらないという……。

キケンな動物にも遭遇して、威嚇もされたがそれ以上のことはなかった。

高雄で見かけた最後の猫は麦わらさん。近寄る間もなく逃げてしまった。

高雄国際空港には首尾よくフライトの50分前に到着。德安航空は台湾南部でいくつかのコミューター路線を運航しており、2023年3月の猫旅で利用した台東〜蘭嶼のほか、台東〜綠島、高雄〜望安、そして今回搭乗する高雄〜七美という路線がある。Twin Otterの愛称を持つ19人乗りの小さな機体は定刻通りに高雄国際空港を離陸し、45分のフライトで七美空港に到着した。次回の台湾猫旅は初めての澎湖県は七美嶼の猫たちを紹介していく。




























