ここのところマコちゃんの足運びを覚束なく感じていて、特に前足はナックリング(足の甲が地面を向く現象)を起こすことがあり、猫ベッドから起き上がるのに手間取って転びそうになったりしていた。化学療法のダメージや老齢による体力低下だろうと思って静観していたが、ここ2週間ほどで後ろ足まで覚束なくなり、まっすぐ歩けなかったり、時にはパニックを起こしたように床を転げ回ったりするようになった。その一方で、先日来の食欲不振は克服して体重も少しずつ増え続けているし、痛がったり苦しがったりしている様子もないことから、どう考えたらいいのか切り分けに苦慮していた。昨日の午後には動物病院を受診して、問診や触診のほか血液検査と血圧測定と心電図を取り、血液検査は外注項目があることから結果待ちで、血圧と心電図は特に問題なしとのことだった。診断はまだこれからだが、鼻腔内リンパ腫の既往があることから、獣医として脳への転移が視野に入ってくるのは当然のことと思う。ただ、前述のように食欲や体重推移が順調なことや、斜頸や眼振といった脳神経系疾患特有の症状がまったくないこと(四肢とりわけ後肢の運動障害に限られていること)、CHOPプロトコルが完了してから550日以上も寛解状態を維持していることなどから、飼い主としては脳転移を第一の候補に挙げることに抵抗がある。脳神経系となると確定診断にはCTやMRI検査が必要になると思うが、費用もさることながら、体力の低下したマコちゃんに全身麻酔はリスクが高いので、血液検査の結果や症状の変化を見ながら投薬で切り分けていくことになると思う。サチコを喪ってから1年あまり、また同じ思いをすることになるかも知れないと思うと、辛いとか悲しいとかを通り越してもはや虚無だが、痛みや苦しみから遠ざける努力はしなければならない。
色々なことはあるが猫の方は淡々と紹介していく。今日紹介するのは台湾猫旅の4日目(3月25日)、澎湖県馬公市から始まった長い一日の締めくくりとなる嘉義県水上郷の猫散歩(前回の記事はこちら)。リュックを背負いっ放しで疲弊してはいたものの、澎湖空港で過ごした1時間と機上の30分あまりでゆっくり休めたので、嘉義空港から縦貫公路のバス停まで歩けるくらいには回復していた。澎湖と台湾本島を結ぶ航空路線はたくさんあるが、わざわざ1日1往復しかない嘉義行きを選んだのは、嘉義空港の東1.5kmの地点に長年行きたかったスポット「北回歸線標」があるからだ。これから向かうバス停もそのものずばりの「北回歸線」という名称で、そこには北緯23.5°を示す記念碑が建てられている。バス停に至るまでの道のりで猫を見つけられればなおラッキーという算段だった。
16時半をすぎて日没まであと1時間半あまり。長く伸びた影のさらに陰で猫が寛いでいた。

野良然としたキジトラ。ダメ元で近寄ってみたけどやはり逃げた。

こちらはだいぶやさぐれているように見える。正面の子はGoogleストリートビューにも写っているので、裏側のこの子は野良かも知れない。

おお、子猫のようだね。少しだけモデルになってくれないかなー。

警戒してガレージの中に隠れてしまった。通りすがりの地域住民が「ほかにもいるよ(推定)」と教えてくれて、中を覗いてみると……、

同じ毛色でもこちらは大人。なお、この時の俺は車の上にもう1匹いることに気づいていない。

煉瓦造りの民家の脇で猫が惰眠を貪っていた。薄明薄暮性の猫が起き出すにはまだ少し早いか。

小さな集落を抜けると榮典路と呼ばれる東西道路に至り、そこはすでに回歸村(村は日本における大字に相当)なので北回帰線はもうすぐだ。
猫よ、俺はいよいよ念願の地に到達するのだぜ。

「北回歸線可不是個點、而是一條線。你腳下這條榮典路、本身就是北回歸線喔(北回帰線って点じゃなくて線だからね。君が歩いている榮典路が北回帰線そのものだよ)」
そして17:15、ついに北回歸線標誌公園に到着。まさかの猫発見!

6月の夏至の日なら、影が消えてCGみたいになった君たちの姿を見られるんだろうけど、そんな暑い日の真っ昼間にふらふら出歩いてるわけないから、今日ここで会えたことが最高の幸運だったと思うことにする。実際、嘉義における今年の夏至(6月21日)の天気は快晴で、南中時刻に近い正午の気温は33.5℃だったそうだ。こんな時期に台湾で猫散歩なんかしたら軽く死ねる。

左奥に見える白い塔が先代の北回歸線標。現行の6代目は右側の木立に隠れている。北回歸線標誌公園に設置されているいくつかのモニュメントについては、別ページで簡単に解説しているので、興味のある方はこちらからどうぞ。
この日会った猫は澎湖県馬公市で23匹、白沙郷で13匹、湖西郷で11匹、嘉義県水上郷で9匹の計56匹で、1日あたりの過去最高記録62匹に迫る第2位だった。途中の体力切れがなければ記録更新成ったかも知れないが、北回帰線で猫に会えたことはそれ以上に嬉しい出来事だった。
台湾猫旅は次回、嘉義編に続く。






























