予約を忘れられていた上に、本来泊まる予定だった個室に空きがなく、ドミトリーに押し込められてプンスカしていたが、猫に免じて勘弁してやるかーと思った帰国日の朝。6時に目覚めて共用スペースに出てみると、ご飯待ちと思しき猫が窓に張りついていた。

個室がドミトリーになったとかいうレベルの問題だけでなく、この宿にはほかにもずいぶん大変な目に遭わされたけど、今になってこの子のことを思い出すと、悪気あってのことじゃないしなあと複雑な気分になる。でも、国内なら問題にならないような出来事でも、海外では洒落にならないことってあるんだよ……。

6泊7日という過去最長の旅程をほぼ済ませた台湾猫旅の7日目(3月28日)、この日は予定上の帰国日で、早朝の玉里を散歩したあとは台鉄で一気に北上することにしている(前回の記事はこちら)。散歩タイムは3時間ぐらい確保したいところだったが、台東線は列車本数が少なく、途中でほかの街にも寄り道することを考えると、8:42発の411次自強号一択となった。宿の猫の瞳の大きさからも分かるように、今回の猫旅では最も暗く曇った朝ではあったが、1週間も滞在して悪天候に見舞われたのは2日目のわずかな霧雨だけと考えると、リュックの折り畳み傘に出番がなかった幸運を喜ぶべきだろう。必要になった時に買えばいいものを、わざわざ旅の間じゅう背負って歩き回るのもアレだなあといつも悩むが、散歩地には商店すらない田舎も多いので、やはり置いてはいけない。
まずは老街を抜けて定点の猫拠点へ。古馴染の茶霜降りに再会できることを期待していたがあいにく現れず、猫好きの気配を察してまろび出てきたのはキジトラだった。

視線は微妙に俺の背後を向いている。待ち人は北から来るようだな。

この子、黒白じゃないことは確かだけど、チョコ白とはやや色調が違う気がするなあ。まだらの黒白かも知れないけど、色斑が小さくて判別が難しいので、タグはとりあえず「その他」に分類しておく。ちなみに大白斑のチョコ白にはこのような色見本が存在するのだ。

そうこうしているうちに、道路向かいの露店のおじさんがやって来て、地面にカリカリをぶちまけていった。台湾の田舎は相変わらず豪快だな。

で、そのカリカリ露店を覗いてみると、若い2匹がじゃれあっていた。

道端で粘っていたら、いつまでもしゃがんでいる日本人を気の毒に思ったのか、キジトラが近寄ってきくれた。日台友好!

ちょこなんとしてこちらの出方を窺っている。人懐っこい子かなと思って近寄ったら、見えなくなるまで逃げていった。

玉里鎮でもう1匹の知り合いが暮らす路地へとやって来た。ここにはたくさんの猫が生息しているが、複数回に渡って会えたのは茶トラ白が1匹で、それも2023年9月と2024年3月の2回だけ。元気にしているとは思うものの、数年に一度のペースで再会することはなかなかムズカシイ。

引いてみるともう1匹いた。茶色いけど知ってる子ではなさそう。

人懐っこい2匹としばらく遊んで時刻は7:50(動画あり)。そろそろ電車の時間を気にする頃合いになり、次へ行くかと思って腰を上げると、高みの猫が一部始終を眺めていた。

冴えない天気で爽やか散歩とはいかないが、何度も訪れている街なので猫の分布はそれなりに把握しており、当てを尋ねればこの路地のようにぽつぽつと見つけられる。天気予報を見る限り、帰国の途につくまでこの天気が回復することはなさそうで、もし次の目的地である羅東で雨に降られたら、そこをパスしてさらに北の街を散歩することも考えていた。ただ、台湾というのは地形的に北上するほど天気が崩れがちだし、羅東や宜蘭の北というと北迴線の険阻な人口希薄地帯が続くので、選択肢はかなり狭まってしまう。
次の方針がふわふわしたまま、玉里散歩はもう少し続く。































