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タグ分類:三毛
いわゆるキジ三毛(茶トラ+キジトラ+白)の遺伝子のうち、I遺伝子座の遺伝子型が優性のI-に変異し、キジトラ部分の毛色から褐色が抜けたものです。黒と褐色の層で構成されていたキジトラの被毛は、結果的に黒と白の層に変わり、全体的には銀色風に見えるため、この毛色は単独で銀トラと呼ばれています。茶トラ+銀トラ+白で構成された三毛を銀三毛と呼ぶことがあります。I遺伝子はO遺伝子よりも下位なので、茶色には影響しません。
アグチパターンに見られる毛色の層の幅は、Wb遺伝子など、まだ同定されていないいくつかの遺伝子によって、サイズが変化すると考えられています。銀トラの毛色の層は生え際が白から始まりますが、それらの遺伝子の作用により、幅のサイズが大きくなったり不定になったりして、毛色がまだら状に見える場合があります。
生え際が白く抜ける現象をティッピングといい、その程度が小さい毛色をスモーク、中程度のものをシェード、大部分が白く抜けて元の毛色が先端にしか残っていないものをチンチラと呼びます。銀トラの場合も、大なり小なり毛の生え際は白く抜けていますが、程度が小さくてまだら状に見えないものは、これらに分類されません。単なる銀トラを英語ではsilver mackerel tabbyといいますが、毛の生え際の白抜けが大きければ、smoked silver mackerel tabbyやshaded silver mackerel tabbyに分類されます。
このブログでは、あくまで外見に基づいて分類・紹介しているので、中には銀三毛にティッピングが生じて、スモークやシェードに分類すべきものが含まれるかも知れません。Wb遺伝子などの、毛色の層のサイズに関与する遺伝子は、銀色だけでなく茶色い部分にも影響するので、ティッピングが大きいと三毛の毛色がかなり薄く見えます。
なお、ティッピングについては、本文中で別途解説しています(こちら)。
ww Oo A- B- C- I- D- S- Mc- spsp uu
元となる毛色(銀トラ+茶+白)の遺伝子のうち、C遺伝子座の遺伝子型が劣性ホモ接合になると、対立遺伝子に応じたレベルのカラーポイントが生じます。外見から劣性対立遺伝子を特定することは不可能なので、以下に遺伝子型の一例を紹介します。遭遇したことがないので写真はありません。
遺伝子型:ww Oo A- B- cscs I- D- S- Mc- spsp uu
呼称:calico silver mackerel tabby point