マコの鼻腔内リンパ腫治療記録

【随時更新】このページでは鼻腔内リンパ腫と診断されたマコの治療記録を資料とともに公開します

1. このページについて
  • 概要
    • このページでは2024年5月25日に鼻腔内リンパ腫と診断されたマコの体調推移や治療の記録を公開しています。
    • できるだけ事実を簡潔に記述し、飼い主の所感は控え目にしています。
    • 治療が一段落したり体調のいい状態が続く場合は更新が途絶えます。
    • 症状が悪化している時の写真や動画を載せていますのでご注意ください。
    • ここに書かれていることが他の猫に適用できるとは限らないことにご注意ください。愛猫への対応はかかりつけ医の診断・指示に従ってください。
  • 使用ファイルフォーマット
    • このページでは画像以外に以下のファイルを使用しています。これらは別ウインドウか別タブで開きます。お使いの環境によっては閲覧用のアプリが必要です。
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      • Excel
      • PDF
  • マコのプロフィール(詳しくはこちら
    • 生年月日:2009年5月20日(15歳)
    • 性別:オス
    • 出生地:東京都調布市西つつじケ丘
    • 品種:雑種
    • 毛色:カメオクラシックタビー白
    • 性格:大雑把で力任せ。小心者で逃げ足はとても早い。気分によって多くの鳴き声を使い分ける。
2. 2023年春からの体重減少
  • 我が家ではおおむね5〜7日ごとに猫の体重を測定して記録している。
  • 2023年5月6日に5.67kgだった体重が以降右肩下がりに減り続け、7月20日には5.20kgになった【図1】。元気度、食欲、尿比重など体重以外は特に問題なし。
  • 1ヶ月あたりの減少率は約3.3%で、要注意レベルの5%には達していないが、念のため7月27日にかかりつけ医を受診。
  • 問診と血液検査【資料1/PDF】の結果、下記の理由により甲状腺機能亢進症が最も疑われるとのこと。ただしすぐに治療が必要なレベルではなく、1~2ヶ月程度様子を見て、さらに痩せたりほかの症状が現れる場合は再度受診とする。
    • 体重が減り続けている。
    • 年齢の割に元気が過多に思える(飼い主の主観)。
    • GOTが59IU/lで基準値をわずかに超えている。
    • GPTが87IU/lで基準値をわずかに超えている。
    • 甲状腺ホルモンT4は3.58μg/dlで基準値内ではあるもの上限に近い。
  • 9月初旬から体重が増え始め、元気度などほかの問題も見られないので、飼い主の判断により本件に関する様子見を一旦終了した。この時点で鼻腔内リンパ腫との関連は不明で、疑いもしていなかった。

【図1】2023年度体重推移
2023年度体重推移

3. 2024年春からの体重減少と元気喪失
  • 2024年4月上旬から再び右肩下がりに体重が減り始めた【図2】。
    • 4月10日に5.25kgだった体重が4月29日に5.03kgとなり、20日間の体重減少率は約4.2%。30日に換算すると約6.3%となって要注意レベルの5%を超える。
    • 従前よりも明らかに元気がなく、目立たない場所でじっとして過ごしていることが増えた。
    • 鼻水、くしゃみのような症状がある。

【図2】2024年度体重推移(一部)
2024年度体重推移

  • 5月2日、かかりつけ医を受診。触診、問診、血液検査実施【資料2/PDF】。
    • 甲状腺ホルモンT4は2023年7月の3.58μg/dl→2.47μg/dlに改善しており甲状腺機能亢進症の所見なし。
    • 同様にGPTは87IU/l→55IU/l、GOTは59IU/l→29IU/lでどちらも基準値内に改善している。
    • BUN、Creは元から基準値内で腎臓病の所見なし。
    • 基準値を外れているのは総蛋白量(8.7g/dl)とグロブリン(5.6g/dl)で、体のどこかで炎症が起きていることを示している。
    • 体温が37.7℃とやや低く、心筋症の可能性も考えられるため、希望に応じて追加検査(高感度心筋トロポニンI)の提案を受ける。
    • 抗生物質(ジスロマック細粒)を投与。様子を見て追加検査に進むかを決めることにする。
  • 5月15日、呼吸器症状が悪化。鼻水を啜るようなずるずる音が大きく、くしゃみを頻発。鼻詰まりによる無呼吸症状や口呼吸を認める。
    • 5月11日の映像。くしゃみを連発する(動画1)。
    • 5月11日の映像。鼻に違和感があるのか口吻を拭うような仕草(動画2)。
    • 5月13日の映像。鼻呼吸が困難で息苦しいような仕草を繰り返す(動画3)。
  • 同日より何も食べない。水も飲まない。
    • 食事の仕度を始めると台所で座って待ったり、盛りつけた皿の前までは行くものの、食べるのを諦めるような素振りをすることから、鼻詰まりのため匂いが分からなくなっていると推測。
  • 5月16日、かかりつけ医を受診。血液検査【資料3/PDF】とレントゲン撮影(腹部と頭部)実施。
    • 白血球数は68(102/μl)で基準値内。
    • SAA(急性炎症指標)は3.75μg/dlで基準値内。
    • 肺炎や気管支炎などの炎症を示す画像所見なし。
    • 頭部(咽頭〜鼻腔)についてはレントゲン画像だけで診断することは困難との説明を受ける。
      • 希望に応じて内視鏡検査やMRI検査などに対応できる二次診療施設を紹介するとの提案あり。
    • 強制給餌と点滴を実施。今後の対応を家族と相談するため、持続性抗生剤を投与して一旦引き上げることにする。
    • 同日より自宅での強制給餌を開始(a/d缶)。
      • シリンジの扱いに慣れておらず誤嚥が怖いので、指ですくって与えた。
      • 水分はa/d缶に含まれているが、念のためスポイトでも与えた。
  • 強制給餌が上手くできないため、5月16日〜19日にかけて通院し、かかりつけ医に強制給餌と点滴を依頼。18日ごろから指ですくって与えることに慣れてきた。誤嚥を避けるため不慣れなシリンジは使わないことにした。
  • 5月17日朝、左側の鼻から出血を確認【写真1】。かかりつけ医より腫瘍の可能性が高まったとの説明を受け、二次診療施設(東京農工大学小金井動物救急医療センター)の紹介を依頼。
  • 5月20日、二次診療施設を受診。問診や触診のほか下記の検査を実施。
      • レントゲン撮影【写真2】(参考)
      • CT検査
      • 血液検査【資料3/PDF】
      • 遺伝子検査
      • 細胞診検査
      • 生体検査
    • 主治医からの説明は下記の通り。
      • CT画像から右鼻腔、鼻咽頭、眼窩内に腫瘍の可能性あり。症状に比して浸潤が広範囲で一部は眼窩の近くにまで達している。今のところ脳への浸潤はなさそう。肺やリンパ節への転移はなさそう。転移力は強くなさそうだが浸潤力は強そう。
      • 鼻腔内リンパ腫の可能性が高い。
      • 遺伝子検査、細胞診検査、生体検査は1週間ほどかかるとのこと。その結果をもって確定診断とのこと。
      • 鼻腔内リンパ腫だった場合その治療法は、放射線療法、化学療法(抗癌剤治療)、またはそれら二つを組み合わせたものが一般的との説明を受ける。
      • 放射線療法を希望する場合、予約が多いため、2ヶ月ほど待ち時間が発生する可能性あり。費用は概算で160万円ほど。
      • 病態によっては、化学療法と放射線療法は同程度の効果が見込まれる。
      • いずれの治療法も寛解〜再発を繰り返しながら延命を図るもので、根治の可能性は低い。
      • 小金井市まで通院することが難しければ、府中キャンパスの動物医療センター(東京農工大学農学部附属動物医療センター)への転科も可能。両機関が情報連携しながら対応するので、どちらでも都合のいい方を選べるとのこと。
    • この日の処方薬は止血剤(アドナ)のみ。「あまり効かないかも知れないが」との断り付き。
  • 5月22日、1週間ぶりに自力で水を飲む。鼻血がほぼ止まる。
  • 5月25日、二次診療施設の主治医より鼻腔内リンパ腫との確定診断の連絡あり。対応方針を家族で話し合うため、治療を継続するかの回答を一旦保留。
    • 積極的治療に進むか、それとも消極的対応(緩和ケアなど)に留めるか。
      • 鼻腔内の腫瘍が大きくなると、顔面の膨大や眼球の突出が進むなど、外見が悲惨なだけでなく、呼吸が困難になって非常に苦しませる可能性がある。15年も一緒に暮らしてきた家族としてそれは耐えがたい。治療して楽にしてやりたい。
    • どの医療施設にかかるか。
      • 二次診療施設は東京都小金井市で自宅から行きにくく、継続的な通院は負担が大きい(妻が病弱、夫が交代勤務のため)。
      • 府中キャンパスの動物医療センターは小金井キャンパスよりも通院しやすい一方、大学病院である以上、待ち時間の長さや費用が不安。
      • かかりつけ医で化学療法を受けられればベスト。
  • 5月27日、かかりつけ医へ化学療法に対応可能か問い合わせるも、不可との回答。二次診療施設の主治医へ、府中キャンパスの動物医療センターへ転科して、治療を継続したいとの希望を伝える。
    • 転科の初回予約は二次診療施設の主治医にて行うとのこと。連絡待ち。
  • 5月28日、約2週間ぶりに自力で摂食を再開(5月13日以来)。
  • 5月30日、ウェットフードやドライフードを選り好みなく食べるようになったため、強制給餌を中止。

【写真1】鼻血を認める(5月17日)
5月17日の鼻血

【写真2】レントゲン画像(参考)
5月20日レントゲン写真

現在多忙中のため更新に時間がかかっています。
ある程度まとまったらもっと見やすい様式に直します。
排泄状況、摂食状況、費用、診察明細などもいずれ公開します。


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