もくじ
はじめに
- 現在、各毛色の紹介ページ(毛色いろいろ)の大部分が準備中です。順次進めて参りますので今しばらくお待ちください。
- このページは、小学生までは理科が得意だったものの、その後遊びを覚えて没落した管理人が、付け焼き刃的に勉強して書いたものです。したがって、内容が正しいとは限らないことにご注意ください。
- このページをご覧いただくにあたって、メンデルの法則を復習されると、より理解が深まります。
- 毛色の名称は生物学で定義されているものではなく、管理人が便宜的に使用しているものです。
- 猫の毛色は外観で判定しているため、誤って分類している場合があります。
- このページは以下の書籍を参考にして記述しました。
- ネコの毛並み ─毛色多型と分布─(野澤謙/裳華房)
- ネコと遺伝学(仁川純一/コロナ社)
- ネコと分子遺伝学(仁川純一/コロナ社)
イエネコの祖先
私たちが普段街なかで見かけ、「ねこ」と呼んでいる動物は、学名をFelis silvestris catus、和名をイエネコといい、ネコ科ネコ属ヤマネコ種イエネコ亜種に分類されています。野生種であるリビアヤマネコ(Felis silvestris lybica)が家畜化してイエネコになったとされ、その起源は人類が農耕型生活を始めた紀元前9500年ごろと言われています。ネズミから農作物を守るために、人類がリビアヤマネコを飼い慣らしたのか、それともリビアヤマネコが自ら進んで人類と共生を始めたのか、まだ分かっていないそうです。
キジトラは基本型
上の写真から分かるように、色といい、胴体や尻尾の縞模様といい、リビアヤマネコとイエネコのキジトラは本当にそっくりです。このような毛皮の模様は、一本一本の毛が黒と褐色の層になっていることで発現します。こうした毛色を「アグチパターン」といいます。多くの哺乳類がアグチパターンの被毛を纏っていますが、名称の由来になったのはアグチというネズミの一種です。イエネコの中ではキジトラがアグチパターンを持っています。このように、対象の生き物において、自然環境下で多数を占める標準的な形質のことを「野生型」といいます。
家畜というのは、人間が利用しやすいように馴らされ、管理されている動物を差す言葉です。歴史上最も早く家畜化したと言われている犬(イエイヌ)の主な利用目的は狩猟で、そのために長い時間をかけて訓練を重ねたり、品種改良を目的とした交配が行われてきました。一方、猫の場合は放っておいてもネズミを捕るので、訓練や品種改良は不要です。その代わりに猫では、愛玩動物として毛色の美しさが珍重され、そのための交配が行われるようになりました。
例えば最も古い血統猫とされるペルシャは、16世紀にトルコからイタリアに渡った1匹の長毛猫がルーツと言われており、それから約300年後の1871年には、イギリスで初めて開催されたキャットショーにおいて、黒、灰、白の個体が出陳されています。メンデルが遺伝の法則を発表したのが1866年ですから、猫の繫殖家たちは恐らくそれよりも前に、毛色の遺伝の法則を経験的に会得していたのではないかと思います。メンデルの研究成果が認められたのは発表の半世紀後だったからです。
その後、そうした繫殖家の経験はメンデルの遺伝学で説明され、W、A、B、C、T、I、D、S、Lという、9種類の遺伝子の働きであることが分かってきました。この時点で野生型のキジトラは下記の遺伝子型で表されていました。
なお、O遺伝子座のカッコ外はメス、カッコ内はオスの遺伝子型です。緑のマーカーは毛の長さに関する遺伝子です。このページでは毛の色と模様についてのみ解説し、長さについては触れません。
ww oo(oY) A- B- C- T- ii D- ss L-
上記のうちT遺伝子座は、模様に関する遺伝子が格納され、その遺伝子型によってトラ、渦巻き、霜降り、斑点といった模様が発現するとされてきました。しかし近年の分子遺伝学の発展により、トラと渦巻きは同じ遺伝子座の遺伝子変異ですが、霜降りと斑点については、それぞれ異なる遺伝子座の遺伝子変異であることが分かりました。
そのため現在は歴史あるT遺伝子に代わり、トラと渦巻きはMc、霜降りはU、斑点はSpという、新しい遺伝子記号が提唱されています。このページもそれに従って、野生型のキジトラの遺伝子型を下記のように11種類の遺伝子記号で表記します。なお、色に関する遺伝子と模様に関する遺伝子を区別するため、表記順も変えています。
ww oo(oY) A- B- C- ii D- ss Mc- spsp uu
各遺伝子の働き
W(White)
- 対立遺伝子:W、w
- 優劣:W>w
- 上位遺伝子座:なし
- 野生型:ww
W遺伝子座はB1染色体上にあることが分かっていますが、W遺伝子はまだ同定されていません。血統猫の繫殖家によって便宜的に運用されている遺伝子ですが、その働きは極めて強力で、優性のW-なら無条件で被毛が真っ白になります。つまり白猫は、W遺伝子によって抑えられたほかの毛色の遺伝子型が、外見からはまったく分かりません。そのため、白猫から生まれてくる子猫も、どんな毛色になるか予想がつきません。
白猫の目の色と聴覚障害の関係は古くから指摘されていて、ブルーアイでは65~85%、片目の青いオッドアイでは40%、両目とも青くない場合でも20%が難聴とのデータがあります。猫に限らず、動物の皮膚や被毛の色はメラノサイトと呼ばれる色素細胞で作られます。W遺伝子はこの働きを抑制するので、色素が作られずに被毛が白くなります。一方メラノサイトには、コルチ器という音の振動を感知する器官を形成する役目もあり、これが正常に働かないと難聴が起きるのです。ブルーアイに難聴の割合が多いのは、色素の欠乏のレベルがより高い(メラノサイトの働きがより弱い)からだと思われます。なお、すべての白猫が難聴を持つわけではないので、この事象にはWのほかにも複数の遺伝子が関与していると考えられていますが、白猫以外で難聴を持つ猫は稀だそうです。
白猫の体の一部に、ごく薄くて小さな色斑(主に灰色)の生じる場合があります。これはゴーストマーキングと呼ばれ、W遺伝子が元の毛色を完全に上書きできずに起きる現象です。頭部に現れるものを特にキトンキャップと言い、その名の通り子猫の時期に現れ、成長とともに消えるとされていますが、外の猫を観察していると、年齢を重ねても残り続けている個体をたまに見かけます(写真はゴーストマーキングとオッドアイを持つ白猫)。
O(Orange)
- 対立遺伝子:O、o
- 優劣:O>o
- 上位遺伝子座:W
- 野生型:oY(♂)、oo(♀)
- O遺伝子座に格納される遺伝子です。
猫の毛色を難しく感じさせる原因の一つがこの遺伝子座で、ほかの遺伝子座がすべて常染色体上に存在しているのに対して、O遺伝子座は性染色体であるX染色体上にあるため、オスとメスで発現の仕組みが異なります(伴性遺伝といいます)。関与する遺伝子はまだ同定されていません。
オスの性染色体型はXYですから、X染色体上にあるO遺伝子座の対立遺伝子を一つしか持つことができず、遺伝子型はOYかoYのどちらかです。被毛が茶色くなるのはOYの時です。
一方、メスの場合は性染色体がXXですから、遺伝子型はOOかOoかooの三通りになります。このうち被毛が茶色になるのは、優性ホモ接合のOOの時だけです。優性の法則からすればヘテロ接合のOoでも茶色になりそうなものですが、この場合は茶色にそれ以外の色が混じります。
哺乳類では、X染色体が2個あると、受精直後の細胞分裂の時に、どちらか片方の遺伝子発現が抑えられます(不活性化といいます)。不活性化は細胞ごとにランダムに起こるので、Ooの場合、Oの働く細胞と働かない細胞がそれぞれ成長します。不活性化した細胞はOが働かなくなっているわけですから、本来下位だったAやBといった遺伝子の働きが現れて、キジ色や黒が混じります。この状態の猫がいわゆる二毛です。
なお、O遺伝子により茶色を発現すると、一本一本の毛に茶→白→茶という色の層が生じるため、茶猫には必ず模様があります。
A(Aguti)
- 対立遺伝子:A、a
- 優劣:A>a
- 上位遺伝子座:W、O
- 野生型:AA
- アグチパターンについては前述した通り、一本一本の毛が黒と褐色の層になっていて、部位によってその色の幅の割合が変わるため、被毛には模様が生じます。優性のA-の時にアグチパターンになります。一方、劣性のaaでは一本一本の毛が黒一色になるため、被毛は基本的に黒無地です。
猫に限らず、生物の色彩はメラニンという色素から作られています。メラニンには黒系の色素であるユーメラニンと、赤黄系の色素であるフェオメラニンの2種類があり、どちらもメラノサイトと呼ばれる色素細胞で作られています。メラノサイトは基本的に黒系のユーメラニンを生成しますが、ある特定のタンパク質(アグチシグナルタンパク)と結合すると、赤黄系のフェオメラニンに切り替わります。アグチパターンは、アグチシグナルタンパクが作用して、生成される色素がユーメラニン→フェオメラニン→ユーメラニンと切り替わることで発現します。つまり一本一本の毛が成長とともに一定の幅で黒→褐色→黒と変化するわけです。
この遺伝子座が劣性ホモ接合aaになると、アグチシグナルタンパクが変異して、メラノサイトと結合できなくなります。その結果メラノサイトが生成するのは黒系のユーメラニンだけになり、一本一本の毛も黒一色になります。
A遺伝子座はA3染色体上にあります。A遺伝子はまだ完全に同定されていません。
B(Black)
- 対立遺伝子:B、b、bl
- 優劣:B>b>bl
- 上位遺伝子座:W、O
- 野生型:BB
- B遺伝子座に格納される遺伝子です。これはD4染色体上に存在するTYRP1遺伝子であることが分かっています。優性のB-で真っ黒、劣性のbbまたはbblでチョコレート、最劣性のblblでより薄いシナモンに変化します。
この遺伝子座が劣性の場合、ユーメラニンの生成量が低下します。黒猫はもちろん、黒白猫や三毛猫の黒い部分、アグチパターンの黒縞部分など、黒色のすべてが影響を受けます。O遺伝子とともに、この遺伝子の存在が、猫の毛色に豊富なバリエーションをもたらす理由の一つです。
C(Colorpoint)
- 対立遺伝子:C、cb、cs、cm、ca、c
- 優劣:C>cb=cs>cm>ca>c
- 上位遺伝子座:W
- 野生型:CC
- C遺伝子座はD1染色体上にあります。優性ホモ接合のCCが野生型で、C-の時は毛色が変化しません。
この遺伝子座が劣性の場合、色素形成の出発点となるチロシナーゼという酵素が働かないので、被毛が白くなるのですが、この酵素は温度によって活性が変わる性質を持っていて、体温の低い部位はより活性化して色や模様が濃くなります(温度感受性アルビノ)。白以外のどんな毛色にも起こる現象で、これらを総称してカラーポイントといいます。ブルーアイを持ち、時に内斜視を発症するのも特徴の一つです。この遺伝子座には対立遺伝子がいくつもあり、遺伝子型によって様々な毛色のバリエーションが存在します。血統猫として有名なのはシャム、バーミーズ、トンキニーズなどです。劣性に近づくほどチロシナーゼの活性が低く、色素形成が弱まり、最劣性ではついに真っ白なアルビノになります。アルビノの猫は稀で、野良はもちろん、飼い猫であっても見かけることはほぼ皆無だと思います。
色素形成は体温だけでなく気温にも影響を受けるため、寒い季節には毛色が濃くなる傾向があります。また、高齢の猫も毛色が濃くなる傾向があります。
カラーポイントを発現する劣性遺伝子は、もともと我が国には存在しませんでしたが、現在では市井の野良猫にまで広く浸透しています。優性の法則により外見は普通の毛色に見えても、潜在的に(つまりヘテロ接合Ccsなどで)劣性遺伝子を持つ個体が非常に多いのです。これは一部の愛猫家の間で「和猫の危機」と言われている事象の一つで、その原因は、高度経済成長とともに起こったシャム猫の大流行にあります。第二次世界大戦後、進駐軍によってもたらされたシャム猫は、スピッツ犬とともに、我が国に一大ペットブームを巻き起こしました。当時、猫を室内飼いする家庭は少なく、流行の裏で捨てられる個体も多かったと思われ、それらが交雑を繰り返した結果、カラーポイントは街なかで頻繁に見られるようになりました。野生型の優性ホモ接合CCの遺伝子型を持つ個体は、かなり減っているものと思われます。
I(Inhibition)
- 対立遺伝子:I、i
- 優劣:I>i
- 上位遺伝子座:W、O
- 野生型:ii
この遺伝子の野生型は劣性ホモ接合のiiで、これが優性のI-に変異すると、赤黄系の色素であるフェオメラニンの生成が阻害され、被毛の褐色部分の黄色味が抜けて白くなります。例えばキジトラのI遺伝子座の遺伝子型はiiですが、これが優性のI-に変異すると、一本一本の毛が黒→褐色→黒ではなく黒→白→黒という色の層に変わります。この毛色は全体的に銀色風に見えるので、シルバータビーと呼ばれます。
また、この遺伝子座がI-に変異すると、生え際の色が白く抜ける現象も起こります。これをティッピングといいます。ティッピングには様々な度合いがあり、生え際の白抜けが小さな毛色をスモーク、中程度のものをシェード、白抜けが大きな毛色をチンチラと呼びます。例えば、元の毛色が黒で白抜けが小さなものは「ブラックスモーク」、元の毛色がチョコレートで中程度の白抜けを生じているものは「チョコレートシェード」など、元の毛色と組み合わせて呼ばれる場合もあります。A遺伝子座の遺伝子型がA-であればタビーの模様が現れ、aaでは不規則なまだら模様が生じます(タビーのスモークは外観から見分けることが困難です)。白抜けの度合いはほかの遺伝子(Wb遺伝子)が関与していると考えられています。これらの猫は被毛の一部に赤毛が混じることがあります。これはターニッシュと呼ばれる現象で、O遺伝子由来の赤毛ではないので、二毛や三毛とは異なります。子猫の時からターニッシュを生じている場合もあれば、大人になってから黒い被毛が急に赤変する場合もあります。上の写真は同一のブラックスモーク猫ですが、2年で背中の毛色が赤茶けました。
この遺伝子座は茶色を司るO遺伝子座よりも下位ですが、茶猫の被毛には茶→白→茶という色の層があり、白い部分はO遺伝子の力が及んでいないので、I遺伝子の影響を受け、生え際が白くなります。そうした毛色はレッドシルバーまたはカメオなどと呼びますが、茶系の猫の小さなティッピングを外見から判定することは困難です。
I遺伝子座はD2染色体上にありますが、変異遺伝子は同定されていません。そのため、ここで説明できる遺伝子発現は、血統猫の繫殖家が経験的に会得した内容に限られます。
D(Dilution)
- 対立遺伝子:D、d
- 優劣:D>d
- 上位遺伝子座:W
- 野生型:DD
- D遺伝子座はC1染色体上にあります。D遺伝子はメラノフィリン遺伝子と同定され、劣性変異はこの遺伝子のΔ1変異ということが分かっています。
優性のD-の時に濃い状態、つまり通常の毛色です。劣性ホモ接合のddになると被毛全体の色が薄くなります。この遺伝子の存在も、猫の毛色のバリエーションを豊富にする原因の一つです。この遺伝子は、成長中の被毛に対する色素の輸送と定着に関するタンパク質(メラノフィリン)に影響します。優性遺伝では色素粒子が均等に分散しているのに対し、劣性遺伝では色素粒子が凝集し、結果としてまばらになるため光の吸収率が下がり、より明るく(薄く)見えます。色素の生産量が少ないとか、色素自体が薄い色になるわけではありません。
黒がddによって薄まると灰色になります。茶色が薄まるとクリーム色になります。
S(Spotting)
- 対立遺伝子:S、s
- 優劣:S>s
- 上位遺伝子座:W
- 野生型:ss
- 劣性ホモ接合ssが野生型で、白斑が生じません。
優性ホモ接合のSSでは面積の広い白斑が生じ、ヘテロ接合のSsでは胴体の一部や四肢などの狭い範囲に白斑が生じます。このように、優性遺伝子が劣性遺伝子の働きを完全に抑え切れず、形質が中間的に発現することを不完全優性といいます。
この遺伝子座の上位にあるのはW遺伝子座だけですから、白猫以外のすべての毛色の猫に、白斑の生じる可能性があるということです(白猫に白斑があっても分かりませんが)。キジトラ+白斑でキジ白、黒猫+白斑で黒白、二毛+白斑で三毛という具合です。
白斑は主に家畜化した動物に見られる特徴の一つで、「家畜の表現型」とも呼ばれています。猫だけでなく、犬、牛、馬、豚などの哺乳類のほか、ニワトリなどの鳥類や、金魚や鯉などの魚類にも見られます。
S遺伝子座はB1染色体上にあることが分かっていますが、白斑に関しては一つの遺伝子だけで説明できない遺伝が多く、もっと多くの遺伝子が複雑に関与しているものと思われます。例えば、ロケットペンダントと呼ばれる胸元の小さな白斑や、ホワイトミトンと呼ばれる四肢の先端の白斑などは、S遺伝子とはまったく異なる遺伝子が関与していると考えられています。
Mc(Mackerel Tabby)
- 対立遺伝子:Mc、mc
- 優劣:Mc>mc
- 上位遺伝子座:Sp、U
- 野生型:McMc
- Mc遺伝子座の遺伝子型が優性のMc-の時に縦縞のトラ模様(マッカレルタビー)になります。ヘテロ接合体のMcmcでは縞模様がやや乱れます。劣性のmcmcの場合は渦巻き模様(クラシックタビー)になります。我が国においては縦縞のトラ模様が最もありふれた模様です。
ところで、2004年5月に撮影したサチコ(生後11ヶ月)の写真を見ると、肩甲骨から骨盤の突起にかけて12本の縦縞がありました。2020年1月(16歳)の時に同じ部位の縦縞を数えると、やはり12本ありました。サチコ以外の猫でも同じように縞の数を調べましたが、子猫と成猫で違いはありませんでした。ということは、成長して体格が大きくなっても縞の数は変わらず、間隔が広がったことになります。一方、生き物の中には、体格が大きくなっても、縞の間隔が変わらない(つまり成長とともに縞が増える)ものもいます。基本的に生き物の模様は等間隔を保つようにプログラムされていますが、哺乳類の場合は、胎児の時に模様が固定され、生まれてからは変化しないものと思われます。野外の猫観察において個体を識別する際に便利な性質です。
なお、Mc遺伝子座はかつてTという遺伝子記号が割り当てられ、優性対立遺伝子はT、劣性対立遺伝子はtbとされていました。分子遺伝学の発展により、この遺伝子座はA1染色体上にあって、リーベリン遺伝子に4つの変異が見られることが分かったため、新たにMcという遺伝子記号が割り当てられました。
Sp(Spotting Tabby)
- 対立遺伝子:Sp、sp
- 優劣:Sp>sp
- 上位遺伝子座:U
- 野生型:spsp
- 血統猫のエジプシャンマウに見られるような斑点模様は、スポッテッドタビーと呼ばれていて、Sp遺伝子座の遺伝子型が優性のSp-の時に発現します。この遺伝子座はMc遺伝子座より上位で、模様を途切れさせる働きを持っているため、結果的に斑点状に見えるわけです。野外の猫観察において、均等に途切れている個体は稀で、しばしば分類に苦慮します。なお、血統種のベンガルも斑点模様を持つものがありますが、こちらはまったく異なる遺伝子が関与しています。
U(Unpatterned Tabby)
- 対立遺伝子:U、u
- 優劣:U>u
- 上位遺伝子座:なし
- 野生型:uu
- 模様がほとんどなかったり、四肢や尻尾に限られ、霜降り状態になっているものを、ティックドタビーといいます。血統猫ではアビシニアンやソマリに見られる特徴です。
優性のU-の時に霜降りになり、劣性のuuでは下位遺伝子のMcやSpの形質が現れて、トラ模様、渦巻き模様、斑点模様のいずれかになります。
一見、無地のように見える模様ですが、れっきとしたアグチパターンを持っています。O遺伝子座に優性遺伝子Oが含まれるならば、茶色の部分の一本一本の毛には茶色と白の層が生じます。茶猫に無地(ソリッド)は存在せず、そのように見える場合は茶色の霜降りか、あるいは黒猫のB遺伝子座が劣性に変異したフォーン色の誤認です。
なお、U遺伝子座はかつてのT遺伝子座の代替で、U遺伝子はその優性対立遺伝子Taとされていました。分子遺伝学の発展により、霜降りを発現するのはトラや渦巻きとは別の遺伝子変異で、存在する染色体(B1染色体)も異なることが分かったため、独立した遺伝子座を与えられました。
毛色の分類とサンプル写真
このページの冒頭でキジトラ(野生型)の毛色の遺伝子型を紹介しましたが、巷には大変多くの毛色の猫が存在します。これらの大部分は上記で紹介した11種類の遺伝子、W、O、A、B、C、I、D、S、Mc、Sp、Uの組み合わせで表現できる毛色です。
11種類の遺伝子のうち、C、D、Sの三つは、ほかの遺伝子発現に対して修飾的に作用します。コンピュータグラフィックに例えると「レイヤー」的な発現の仕方で、例えばカラーポイントが生じるということは、体温の低い部位の不透明度が下がる(色が濃くなって原画に近くなる)ようなものですし、白斑が生じるということは、原画に不透明度100%の白いレイヤーが重なったと考えれば、分かりやすいのではないかと思います。毛色の希釈はグラフィックの明度を上げることに例えられます。
以上を踏まえ、このページでは管理人の見解において、猫の毛色を以下のように分類しています。表の毛色名をクリックすると、各毛色の専用ページ(毛色いろいろ)を表示します。専用ページでは管理人が今まで撮り溜めた写真を用いて、毛色の遺伝子型と簡単な解説をしているほか、C遺伝子座の劣性遺伝によりカラーポイントを生じた場合についても紹介しています(遭遇できていない毛色の写真はありません)。
1. 模様のないもの(無地、ソリッドカラー)
- 模様のない猫は、一本一本の毛も単色です。白はW遺伝子(稀にSSやcc)によって発現する毛色で、すべての毛色の上位に位置するため、バリエーションは存在しません。黒についてはB遺伝子座の変異(劣性遺伝)により、チョコレートとシナモンというバリエーションが存在します。これらは以下の表1にまとめました。
- 白
- 白猫の大部分はW遺伝子座の遺伝子が優性のW-に変異したものです。W遺伝子座は猫の毛色の遺伝子座の中で最上位なので、ほかの毛色の遺伝子型がどうであっても、Wが1個あるだけで、毛色は必ず真っ白になります。そのほか、C遺伝子座の遺伝子が最劣性のccに変異すると、完全なアルビノとなって毛色が真っ白になります。S遺伝子座の遺伝子が優性ホモ接合のSSに変異して、白斑が全身に及んだ場合も、毛色は真っ白になります。後者の二つは極めて稀です。
- 黒
- A遺伝子座の遺伝子型が劣性ホモ接合のaaに変異すると、黒系の色素であるユーメラニンしか生成されなくなり、一本一本の毛は真っ黒になり、当然のことながら被毛全体も真っ黒になります。黒には以下のバリエーションが存在します。
- チョコレート
- シナモン
項番 | 野生型 (D- ss) |
希釈 (dd ss) |
白斑 (D- S-) |
希釈+白斑 (dd S-) |
---|---|---|---|---|
1-i | 白 | − | − | − |
1-ii | 黒 | 灰 | 黒白 | 灰白 |
1-ii-a | チョコレート | ライラック (準備中) |
チョコレート白 | ライラック白 (準備中) |
1-ii-b | シナモン (準備中) |
フォーン (準備中) |
シナモン白 (準備中) |
フォーン白 |
2. 模様のあるもの(タビー)
- 模様のある猫をひとまとめにして「タビー」といいます。タビーは一本一本の毛に色の層があることで発現します。タビーの猫は背筋の毛色が濃く、お腹の毛色が薄くなるという特徴があります。これは「逆影」と呼ばれる保護色の一つで、空から太陽光や月明かりを浴びる野外において、コントラストを低くして目立ちにくくする働きを持っています。また、タビーの猫は口元の毛色が白っぽく抜ける傾向があります。野外の猫の観察において、無地と霜降りが判別できない時など、こうした特徴を思い出せば見分けることができます。
タビーの猫の被毛は「色」と「模様」という二つの要素からなっていて、基本となる色は3種類、模様は4種類あります。それらを組み合わせた12種類に野生型、希釈、白斑、希釈+白斑が存在し、計48種類の毛色を並べたのが表2です。
色
- キジ
- 野生型です。遺伝子型はww oo(oY) A- B- C- ii D- ssです。一本一本の毛に黒と褐色の層があります。こうした毛色をアグチパターンといいます。アグチパターンは、毛の成長とともに、ユーメラニン→フェオメラニン→ユーメラニン、つまり黒→褐色→黒の順に色素が生成されます。色の層の割合によって一定の模様が生じます。色素を生成する器官をメラノサイトといいます。ユーメラニンとフェオメラニンの切り替えは、色素を生成するメラノサイト自身ではなく、アグチシグナルタンパクの働きによって行われます。英語ではbrown tabbyといいます。
- 銀
- I遺伝子座の遺伝子型が優性のI-に変異すると、毛の生え際の色が白く抜け、先端にのみ元の毛色(野生型なら黒)が残り、一本一本の毛色の構成が白と黒になります。この現象をティッピングといいます。ティッピングが生じても元の模様は残り、全体的に銀色っぽく見えることから、銀またはシルバー(silver tabby)と呼ばれています。中でもティッピングが中程度のものをシルバーシェード、極めて大きなものをシルバーチンチラといいます。ティッピングが小さなものはスモークですが、この場合は黒が優勢になるため、シルバーではなくブラックスモークと呼ばれることが多いようです。たまに黒い毛色が赤変することがありますが、これはターニッシュと呼ばれる現象です。
- 茶
- O遺伝子の項目で解説したように、この遺伝子は性染色体に格納されているため、オスとメスで発現の仕組みが異なります。簡単に言うと、O遺伝子座に劣性対立遺伝子oが含まれない時に、一本一本の毛が白と茶の層になります。管理人を含め、我が国ではこの毛色を茶と表現する人が多いのですが、猫には茶系の毛色がいくつもあるので、英語でred tabbyというように、日本語でも赤と呼ぶ方がより正確かと思います。メスは両親からO遺伝子をもらわなければ茶色になりませんが、オスは片方(性染色体のYは父親からもらうので必然的に母親)からもらえばいいので、発現率はオスの方が多くなります。一般的に茶猫の体が大きいと言われるのは、オスの方が多いからだと思われます。なお、茶猫はノンアグチであっても必ず模様が生じます。
模様
- トラ
- 野生型です。模様の遺伝子型がMc- spsp uuの時に縦縞模様を発現します。参考書籍の多くでは、縦縞模様を発現するのはT遺伝子座の優性対立遺伝子Tとしていますが、現在は変異遺伝子がA1染色体に存在することが分かり、Mc遺伝子座が割り当てられています。英語ではmackerel tabbyといいます。我が国においては最もありふれた模様です。
- 渦
- 模様の遺伝子型がmcmc spsp uuの時に渦巻き模様を発現します。英語ではclassic tabbyまたはblotched tabbyといいます。アメリカンショートヘアによく見られることから、渦巻き模様=アメリカンショートヘアと思っている人が多いのですが、これは金髪=アメリカ人と同様の誤ったイメージです。アメリカンショートヘアにはたくさんの色や模様があり、渦巻きはその中の一つに過ぎません。渦巻き模様は我が国ではさほど多くありませんが、ヨーロッパやアメリカなどでは、トラ模様と同じぐらいの割合で見られます。
- 霜降り
- U遺伝子座の遺伝子型が優性のU-の時に霜降り模様を発現します。英語ではticked tabbyといいます。霜降り模様は無地のように見えますが、アグチシグナルタンパクは機能しており、一本一本の毛にはちゃんと色の層があります。特に灰霜降り(blue ticked tabby)と無地の灰(blue)はよく似ていますが、タビーは口元の毛色が白っぽく抜けていることで見分けられます。東南アジアではありふれた模様ですが、我が国では血統猫でも飼わない限りなかなか見られません。
- 斑点
- Sp遺伝子座の遺伝子型が優性のSp-の時に斑点模様を発現します。英語ではspotted tabbyといいます。Mc遺伝子座の遺伝子型により、縦縞模様や渦巻き模様が途切れて、斑点のように見えます。血統猫ではエジプシャンマウが有名ですが、明瞭な斑点を持つ個体を野外で見かけることはほとんどありません。このブログのタグでも、よほど明瞭でなければ斑点には分類しないので、登場することは稀です。なお、血統猫のベンガルも斑点模様を持っていますが、こちらはSp遺伝子ではなく、まったく異なる遺伝子が関与しています。
項番 | 野生型 (D- ss) |
希釈 (dd ss) |
白斑 (D- S-) |
希釈+白斑 (dd S-) |
---|---|---|---|---|
2-i-a | キジトラ | 灰トラ | キジトラ白 | 灰トラ白 |
2-i-b | キジ渦 | 灰渦 (準備中) |
キジ渦白 | 灰渦白 |
2-i-c | キジ霜降り | 灰霜降り | キジ霜降り白 | 灰霜降り白 |
2-i-d | キジ斑点 | 灰斑点 (準備中) |
キジ斑点白 (準備中) |
灰斑点白 (準備中) |
2-ii-a | 銀トラ | 灰銀トラ (準備中) |
銀トラ白 | 灰銀トラ白 (準備中) |
2-ii-b | 銀渦 | 灰銀渦 (準備中) |
銀渦白 | 灰銀渦白 (準備中) |
2-ii-c | 銀霜降り (準備中) |
灰銀霜降り (準備中) |
銀霜降り白 (準備中) |
灰銀霜降り白 (準備中) |
2-ii-d | 銀斑点 (準備中) |
灰銀斑点 (準備中) |
銀斑点白 (準備中) |
灰銀斑点白 (準備中) |
2-iii-a | 茶トラ | クリームトラ | 茶トラ白 | クリームトラ白 |
2-iii-b | 茶渦 | クリーム渦 (準備中) |
茶渦白 | クリーム渦白 (準備中) |
2-iii-c | 茶霜降り | クリーム霜降り (準備中) |
茶霜降り白 | クリーム霜降り白 (準備中) |
2-iii-d | 茶斑点 (準備中) |
クリーム斑点 (準備中) |
茶斑点白 (準備中) |
クリーム斑点白 (準備中) |
3. 二毛
- 二毛の毛色は基本的に茶色+それ以外の二系統の色で構成されています。「それ以外の色」というのはキジか黒、あるいはそれらの派生色を指します。英語ではtortoiseshell(べっ甲)またはtortieなどと呼ばれています。
二毛が二系統の毛色を併せ持つ理由は、O遺伝子が性別に依存する伴性遺伝だからです。
O遺伝子座はX染色体上にあり、オスの場合は性染色体がXYなので、OYかoYの組み合わせしかできません。この場合は単純で、優性のO遺伝子を含むOYの時は茶色だけになり、そうでないoYの時は茶色をまったく発現しません。
一方、性染色体がXXのメスには、OO、Oo、ooという三通りの組み合わせがあり、OOなら茶色だけになりますが、Ooの場合は茶色い被毛の中にキジ(A-)か黒(aa) が混じります。メンデルの優性の法則からすれば、ヘテロ接合体Ooの時は劣性遺伝子oの働きが抑えられ、茶色だけが発現しそうなものですが、伴性遺伝ではそうなりません。
二毛が持つ二系統の毛色には以下の組み合わせがあります(表3)。分類番号は上で紹介した表1、表2に対応しています。
茶 | |||||
---|---|---|---|---|---|
通常 (D- ss) |
希釈 (dd ss) |
白斑 (D- S-) |
希釈+白斑 (dd S-) |
||
トラ | 黒 | 二毛 (茶トラ+黒) |
二毛 (クリームトラ+灰) (準備中) |
三毛 (茶トラ+黒+白) |
三毛 (クリームトラ+灰+白) |
キジ | 二毛 (茶トラ+キジトラ) |
二毛 (クリームトラ+灰トラ) (準備中) |
三毛 (茶トラ+キジトラ+白) |
三毛 (クリームトラ+灰トラ+白) (準備中) |
銀 | 二毛 (茶トラ+銀トラ) (準備中) |
二毛 (クリームトラ+灰銀トラ) (準備中) |
三毛 (茶トラ+銀トラ+白) |
三毛 (クリームトラ+灰銀トラ+白) (準備中) |
|
渦 | 黒 | 二毛 (茶渦+黒) (準備中) |
二毛 (クリーム渦+灰) (準備中) |
三毛 (茶渦+黒+白) (準備中) |
三毛 (クリーム渦+灰+白) (準備中) |
キジ | 二毛 (茶渦+キジ渦) (準備中) |
二毛 (クリーム渦+灰渦) (準備中) |
三毛 (茶渦+キジ渦+白) (準備中) |
三毛 (クリーム渦+灰渦+白) (準備中) |
銀 | 二毛 (茶渦+銀渦) (準備中) |
二毛 (クリーム渦+灰銀渦) (準備中) |
三毛 (茶渦+銀渦+白) (準備中) |
三毛 (クリーム渦+灰銀渦+白) (準備中) |
|
霜降り | 黒 | 二毛 (茶霜降り+黒) (準備中) |
二毛 (クリーム霜降り+灰) (準備中) |
三毛 (茶霜降り+黒+白) (準備中) |
三毛 (クリーム霜降り+灰+白) (準備中) |
キジ | 二毛 (茶霜降り+キジ霜降り) |
二毛 (クリーム霜降り+灰霜降り) (準備中) |
三毛 (茶霜降り+キジ霜降り+白) (準備中) |
三毛 (クリーム霜降り+灰霜降り+白) (準備中) |
銀 | 二毛 (茶霜降り+銀霜降り) (準備中) |
二毛 (クリーム霜降り+灰銀霜降り) (準備中) |
三毛 (茶霜降り+銀霜降り+白) (準備中) |
三毛 (クリーム霜降り+灰銀霜降り+白) (準備中) |
|
斑点 | 黒 | 二毛 (茶斑点+黒) (準備中) |
二毛 (クリーム斑点+灰) (準備中) |
三毛 (茶斑点+黒+白) (準備中) |
三毛 (クリーム斑点+灰+白) (準備中) |
キジ | 二毛 (茶斑点+キジ斑点) (準備中) |
二毛 (クリーム斑点+灰斑点) (準備中) |
三毛 (茶斑点+キジ斑点+白) (準備中) |
三毛 (クリーム斑点+灰斑点+白) (準備中) |
銀 | 二毛 (茶斑点+銀斑点) (準備中) |
二毛 (クリーム斑点+灰銀斑点) (準備中) |
三毛 (茶斑点+銀斑点+白) (準備中) |
三毛 (クリーム斑点+灰銀斑点+白) (準備中) |
「まだら」について
猫の毛色の遺伝は複雑で表現型(見た目の違い)も無数にあり、これらを系統的に分類するのはとても難しいことです。このページを作成するにあたって、なるべく多くの毛色を分かりやすく紹介しようと工夫しましたが、表1~表3の分類に収め切れない(しかし街なかでは比較的多く見られる)毛色が一つだけ残ってしまいました。それは「スモーク」「シェード」「チンチラ」と呼ばれる、ティッピングにより毛の生え際が白く抜けた毛色です。ティッピングを生じた猫は写真のように、毛色の色彩が不均一なまだら状になります。
I遺伝子座や毛色(銀)の項目でも解説した通り、ティッピングは模様のあるタビーでも発現します。さらにタビーの場合、茶色やキジ色でも発現します。
ティッピングの程度(幅)は、毛を産生する毛包から先端に至るまで、複数の異なる遺伝子が関与していると考えられていますが、まだ解明されていません。短毛と長毛でも異なります。血統猫の繫殖家は便宜上、これらの遺伝子をひとまとめにして、単一のWb遺伝子として運用しているようです。
ティッピングを生じる毛色の分類と遺伝子型の関係は表4をご覧ください。参考書籍やインターネット上の情報に加え、管理人の私見を加えて作成したので、内容が誤っている可能性があります。これらはまだ未解明であり、曖昧で悩ましく、外観で分類することに意味があるのか自問することもしばしばです。ちなみにティッピングは中国語で毛尖色といいます(ティッピング猫のサンプル写真ページは準備中です)。
A遺伝子座 | O遺伝子座 | I遺伝子座 | ティッピング | 表現型 (毛色) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
A- | oo(oY) | ii | ─ | wildtype | キジトラなど |
I- | 小 | smoked silver tabby | スモークは判別困難 | ||
中 | shaded silver tabby | ||||
大 | chinchilla silver tabby | ||||
OO(OY) | ii | ─ | red tabby | 茶トラなど | |
I- | 小 | smoked cameo tabby | スモークは判別困難 | ||
中 | shaded cameo tabby | ||||
大 | chinchilla cameo tabby | ||||
Oo | ii | ─ | tortie | キジ三毛/麦わらなど | |
I- | 小 | smoked tortie | キジ三毛/麦わらのまだら | ||
中 | shaded tortie | 〃 | |||
大 | chinchilla tortie | 〃 | |||
aa | oo(oY) | ii | ─ | solid color | 黒など |
I- | 小 | smoked black | |||
中 | shaded silver | ||||
大 | chinchilla silver | ||||
OO(OY) | ii | ─ | red tabby | 茶トラなど | |
I- | 小 | smoked cameo | |||
中 | shaded cameo | ||||
大 | chinchilla cameo | ||||
Oo | ii | ─ | calico | 黒三毛/サビなど | |
I- | 小 | smoked calico | 黒三毛/サビのまだら | ||
中 | shaded calico | 〃 | |||
大 | chinchilla calico | 〃 |