1. このページについて
- 概要
- このページでは2024年5月25日に鼻腔内リンパ腫と診断されたマコの体調推移や治療の記録を公開しています。
- できるだけ事実を簡潔に記述し、飼い主の所感は控え目にしています。
- 治療が一段落したり体調のいい状態が続く場合は更新が途絶えます。
- 症状が悪化している時の写真や動画を載せていますのでご注意ください。
- 余命については言及しません。獣医からの宣告も受けていません。
- ここに書かれていることが他の猫に適用できるとは限らないことにご注意ください。愛猫への対応はかかりつけ医の診断・指示に従ってください。
- 使用ファイルフォーマット
- このページでは画像以外に以下のファイルを使用しています。これらは別ウインドウか別タブで開きます。お使いの環境によっては閲覧用のアプリが必要です。
- MP4、WebP、OGV(いずれかに対応していれば再生可)
- Excel
- PDF
- マコのプロフィール(詳しくはこちら)
- 生年月日:2009年5月20日(15歳)
- 性別:オス
- 出生地:東京都調布市西つつじケ丘
- 品種:雑種
- 毛色:カメオクラシックタビー白
- 性格:大雑把で力任せ。小心者で逃げ足はとても早い。気分によって多くの鳴き声を使い分ける。
2. 2023年春からの体重減少
- 我が家ではおおむね5〜7日ごとに猫の体重を測定して記録している。
- 2023年5月6日に5.67kgだった体重が以降右肩下がりに減り続け、7月20日には5.20kgになった【図1】。元気度、食欲、尿比重など体重以外は特に問題なし。
- 1ヶ月あたりの減少率は約3.3%で、要注意レベルの5%には達していないが、念のため7月27日にかかりつけ医を受診。
- 問診と血液検査【資料1/PDF】の結果、下記の理由により甲状腺機能亢進症が最も疑われるとのこと。ただしすぐに治療が必要なレベルではなく、1~2ヶ月程度様子を見て、さらに痩せたりほかの症状が現れる場合は再度受診とする。
- 食べているのに体重が減り続けている。
- 年齢の割に元気が過多に思える(飼い主の主観)。
- GOTが59IU/Lで基準値をわずかに超えている。
- GPTが87IU/Lで基準値をわずかに超えている。
- 甲状腺ホルモンT4は3.58μg/dLで基準値内ではあるものの上限に近い。
- 9月初旬から体重が増え始め、元気度などほかの問題も見られないので、飼い主の判断により本件に関する様子見を一旦終了した。この時点で鼻腔内リンパ腫との関連は不明で、疑いもしていなかった。
【図1】2023年度体重推移
3. 2024年春からの体重減少と元気喪失
- 2024年4月上旬から再び右肩下がりに体重が減り始めた【図2】。
- 4月10日に5.25kgだった体重が4月29日に5.03kgとなり、20日間の体重減少率は約4.2%。30日に換算すると約6.3%となって要注意レベルの5%を超える。
- 従前よりも明らかに元気がなく、目立たない場所でじっとして過ごしていることが増えた。
- 鼻水、くしゃみのような症状がある。
【図2】2024年度体重推移(一部)
- 5月2日、かかりつけ医を受診。触診、問診、血液検査実施【資料2/PDF】。
- 甲状腺ホルモンT4は2023年7月の3.58μg/dL→2.47μg/dLに改善しており甲状腺機能亢進症の所見なし。
- 同様にGPTは87IU/L→55IU/L、GOTは59IU/L→29IU/Lでどちらも基準値内に改善している。
- BUN、Creは元から基準値内で腎臓病の所見なし。
- 基準値を外れているのは総蛋白量(8.7g/dL)とグロブリン(5.6g/dL)で、体のどこかで炎症が起きていることを示している。
- 体温が37.7℃とやや低く、心筋症の可能性も考えられるため、希望に応じて追加検査(高感度心筋トロポニンI)の提案を受ける。
- 抗生物質(ジスロマック細粒)を投与。様子を見て追加検査に進むかを決めることにする。
- 5月15日、呼吸器症状が悪化。鼻水を啜るようなずるずる音が大きく、くしゃみを頻発。鼻詰まりによる無呼吸症状や口呼吸を認める。
- 5月11日の映像。くしゃみを連発する(動画1)。
- 5月11日の映像。鼻に違和感があるのか口吻を拭うような仕草(動画2)。
- 5月13日の映像。鼻呼吸が困難で息苦しいような仕草を繰り返す(動画3)。
- 同日より何も食べない。水も飲まない。
- 食事の仕度を始めると台所で座って待ったり、盛りつけた皿の前までは行くものの、食べるのを諦めるような素振りをすることから、鼻詰まりのため匂いが分からなくなっていると推測。
- 5月16日、かかりつけ医を受診。血液検査【資料3/PDF】とレントゲン撮影(腹部と頭部)実施。
- 白血球数は6,800個/μLで基準値内。
- SAA(急性炎症指標)は3.75μg/dLで基準値内。
- 肺炎や気管支炎などの炎症を示す画像所見なし。
- 頭部(咽頭〜鼻腔)についてはレントゲン画像だけで診断することは困難との説明を受ける。
- 希望に応じて内視鏡検査やMRI検査などに対応できる二次診療施設を紹介するとの提案あり。
- 強制給餌と点滴を実施。今後の対応を家族と相談するため、持続性抗生剤を投与して一旦引き上げることにする。
- 同日より自宅での強制給餌を開始(a/d缶)。
- シリンジの扱いに慣れておらず誤嚥が怖いので、指ですくって与えた。
- 水分はa/d缶に含まれているが、念のためスポイトでも与えた。
- 強制給餌が上手くできないため、5月16日〜19日にかけて通院し、かかりつけ医に強制給餌と点滴を依頼。18日ごろから指ですくって与えることに慣れてきた。誤嚥を避けるため不慣れなシリンジは使わないことにした。
- 5月17日朝、左側の鼻から出血を確認【写真1】。同日夜、かかりつけ医より腫瘍の可能性が高まったとの説明を受け、二次診療施設(東京農工大学小金井動物救急医療センター)の紹介を依頼。
- 5月20日、二次診療施設を受診。問診や触診のほか下記の検査を実施。
- レントゲン撮影【写真2】(参考)
- CT検査
- 血液検査【資料4/PDF】
- 遺伝子検査
- 細胞診検査
- 生体検査
- 担当医からの説明は下記の通り。
- 鼻腔内リンパ腫の可能性が高い。
- CT画像からすると右鼻腔、鼻咽頭、眼窩内に腫瘍の可能性あり。症状に比して浸潤が広範囲で一部は眼窩の近くにまで達している。今のところ脳への浸潤はなさそう。肺やリンパ節への転移はなさそう。転移力は強くなさそうだが浸潤力は強そう。
- 遺伝子検査、細胞診検査、生体検査は1週間ほどかかるとのこと。その結果をもって確定診断とのこと。
- 鼻腔内リンパ腫だった場合その治療法は、放射線療法、化学療法(抗癌剤治療)、またはそれら二つを組み合わせたものが一般的との説明を受ける。
- 放射線療法:
- 治療期間が短い。
- 麻酔に適応できることが必要。
- 皮膚炎や白内障の副作用。
- 費用が高額。
- 化学療法:
- 治療期間が長い。
- 嘔吐、下痢、食欲不振などの消化器症状や骨髄抑制による感染症、脱毛などの副作用。
- 単剤療法と多剤併用療法がある。前者は費用が抑えられる反面、再発が早く薬剤耐性がつきやすい。
- 放射線療法を希望する場合、予約が多いため、2ヶ月ほど待ち時間が発生する可能性あり。費用は概算で160万円ほど。
- 病態にもよるが、化学療法と放射線療法は同程度の効果が見込まれる。
- いずれの治療法も寛解〜再燃を繰り返しながら延命を図るもので、根治の可能性は低い。
- 小金井市まで通院することが難しければ、府中キャンパスの動物医療センター(東京農工大学農学部附属動物医療センター)への転科も可能。両機関が情報連携しながら対応するので、どちらでも都合のいい方を選べるとのこと。
- この日の処方薬は止血剤(アドナ)のみ。「あまり効かないかも知れないが」との断り付き。
- 5月22日、1週間ぶりに自力で水を飲む。鼻血がほぼ止まる。
- 5月25日、二次診療施設の担当医より鼻腔内リンパ腫との確定診断の連絡あり。対応方針を家族で話し合うため、治療を継続するかの回答を一旦保留。
- 積極的治療に進むか、それとも消極的対応(緩和ケアなど)に留めるか。
- 鼻腔内の腫瘍が大きくなると、顔面の膨大や眼球の突出が進むなど、外見が悲惨なだけでなく、呼吸が困難になって非常に苦しませる可能性がある。15年も一緒に暮らしてきた家族としてそれは耐えがたい。治療して楽にしてやりたい。
- 再発の可能性が高い疾患を治療するのは単なる問題の先送りではないか。一時的に良くなったように見えても、いずれ再発すれば結局は苦しむことになるのではないか。
- 何もしなければ早期に死亡することは明白。マコは発症時14歳(人間換算75歳)という高齢なので、治療することで死期や死因を老衰まで引っ張れるかも知れない。確率が低いとはいえ根治の可能性もなくはない。
- どの医療施設にかかるか。
- 二次診療施設は東京都小金井市で自宅から行きにくく、継続的な通院は負担が大きい(妻が病弱、夫が交代勤務のため)。
- 府中キャンパスの動物医療センターは小金井キャンパスよりも通院しやすい一方、大学病院である以上、待ち時間の長さや費用が不安。
- かかりつけ医で化学療法を受けられればベスト。
- 5月27日、かかりつけ医へ化学療法に対応可能か問い合わせるも、不可との回答。二次診療施設の担当医へ、府中キャンパスの動物医療センターへ転科して、治療を継続したいとの希望を伝える。
- 転科の初回予約は二次診療施設の担当医にて行うとのこと。連絡待ち。
- 5月28日、約2週間ぶりに自力で摂食を再開(5月13日以来)。
- 5月30日、ウェットフードやドライフードを選り好みなく食べるようになったため、強制給餌を中止。
【写真1】鼻血を認める(5月17日)
【写真2】レントゲン画像(参考)
- 6月3日、元気度や体調、食欲などがほぼ平常通りに戻る。回復の原因は不明だが、5月16日に投与した持続性抗生剤が効いたのではないかと推測。
- 同日、転科手続きの進捗を二次診療施設へ確認。6月7日を予約。
- 6月7日、転科先の東京農工大学農学部附属動物医療センターを初診。
- レントゲン撮影と血液検査実施。
- この日から化学療法を開始。
- 週に一度、複数の抗癌剤をローテーションで4回に分けて投与する(多剤併用療法)。
- 一回休みを挟んで1.を4回繰り返す(図3のイメージ)。
- 上記のローテーションとは別にステロイド剤を投与し続ける。
- 2.の終了後、再燃が確認されるまで経過観察(維持期間)とする。
- 再燃したら1.に戻る(投薬内容やスケジュールは変わる可能性あり)。
【図3】(化学療法プロトコルのイメージ)
4. 化学療法開始
抗癌剤名 |
数量 |
白血球数(個/μL) |
好中球(%) |
直近体重(kg) |
ステロイド処方 |
検査内容(PDF) |
オンコビン1mg |
0.5 |
7,590 |
63.6 |
4.70(6月6日) |
あり |
血液検査 血液学検査 |
- ステロイド剤:プレドニゾロン錠5mgを1日1回投与
- 気づき:
- 3日目、ステロイド剤を吐き出すためa/d缶に混ぜて与えた。
- 3日目夜、鼻水あり。
- 3日目夜〜4日目の日中にかけて食欲が普段の4割程度に低下。6日目に9割程度に回復。
- 3日目夜から元気度が普段の8〜9割程度に低下。
- 3日目と6日目に排便なし。便は良便。
- 発熱、嘔吐、痛みの様子なし。
抗癌剤名 |
数量 |
白血球数(個/μL) |
好中球(%) |
直近体重(kg) |
ステロイド処方 |
検査内容(PDF) |
エンドキサン100mg |
1 |
5,300 |
─ |
4.54(6月12日) |
あり |
血液検査 |
- ステロイド剤:プレドニゾロン錠5mgを1日1回投与
- 気づき:
- 全体的に元気度がやや低めで普段の7〜9割程度。
- 食欲も低調でお鉢の前までは行くが食べない。a/d缶の強制給餌を実施。
- 2日目、4日目、6日目に排便なし。便は良便。
- 発熱、嘔吐、痛みの様子なし。
抗癌剤名 |
数量 |
白血球数(個/μL) |
好中球(%) |
直近体重(kg) |
ステロイド処方 |
検査内容(PDF) |
オンコビン1mg |
0.5 |
4,620 |
71.7 |
4.48(6月17日) |
あり |
血液検査 血液学検査 |
- ステロイド剤:プレドニゾロン錠5mgを1日1回投与
- 気づき:
- 全体的に元気度が低く普段の7〜8割程度。
- 食欲も低調で普段の7〜8割程度。4日目〜5日目は4割程度まで低下。
- 3日目、6日目に排便なし。7日目に軟便。
- 4日目〜6日目に嘔吐あり。
- 発熱、痛みの様子なし。
抗癌剤名 |
数量 |
白血球数(個/μL) |
好中球(%) |
直近体重(kg) |
ステロイド処方 |
検査内容(PDF) |
骨髄抑制が顕著なため延期 |
─ |
2,210 |
51.5 |
4.42(6月23日) |
あり |
血液検査 血液学検査 |
- ステロイド剤:プレドニゾロン錠5mgを1日1回投与
- 気づき:
- 抗癌剤投与は延期。
- 元気度、食欲は3日目までやや低かったが4日目には回復。
- 5日目に排便なし。便は良便。
- 発熱、嘔吐、痛みの様子なし。
抗癌剤名 |
数量 |
白血球数(個/μL) |
好中球(%) |
直近体重(kg) |
ステロイド処方 |
検査内容(PDF) |
アドリアシン10mg |
1 |
5,090 |
71.0 |
4.27(7月5日) |
なし |
血液学検査 |
- ステロイド剤:なし
- 気づき:
- ステロイド剤は投薬に失敗することが多いため一旦中止。
- 2日目〜5日目にかけて食欲が普段の4〜5割程度に低下。
- 元気度はさほど低下せず全体的に普段の8〜9割程度を維持。
- 1日目、3日目〜5日目に排便なし。便は良便。
- 5日目に嘔吐あり。
- 4日目に右前肢を舐める仕草あり。痛みなのかは不明。
- 発熱なし。
- ↑1期目の治療を終えたマコ(2024年7月5日)
抗癌剤名 |
数量 |
白血球数(個/μL) |
好中球(%) |
直近体重(kg) |
ステロイド処方 |
検査内容(PDF) |
オンコビン1mg |
0.5 |
4,140 |
56.5 |
4.31(7月16日) |
なし |
血液検査 血液学検査 |
- ステロイド剤:なし
- 気づき:
- 3日目から食欲が普段の4〜5割程度に低下。7日目まで回復せず、a/d缶の強制給餌を実施。
- 元気度は全体的に普段の7〜9割程度で推移。
- 3日目、6日目、7日目に排便なし。便は良便。
- 発熱、嘔吐、痛みの様子なし。
抗癌剤名 |
数量 |
白血球数(個/μL) |
好中球(%) |
直近体重(kg) |
ステロイド処方 |
検査内容(PDF) |
骨髄抑制と食欲不振が顕著なため延期 |
─ |
2,640 |
47.7 |
4.20(7月22日) |
なし |
血液検査 血液学検査 |
- ステロイド剤:なし
- 気づき:
- 抗癌剤投与は延期。
- 前週から食欲不振が続いていて1日目は普段の5割ほど。2日目にa/dの強制給餌を実施。
- 昼夜問わず猛暑が続いており、4日目から居間の冷房を24時間つけっ放しにしたところ、徐々に食欲が回復。7日目にはほぼ普段通りに戻った。冷房と食欲との時期的一致以外の関連は不明。
- 元気度は普段の7割〜10割で安定推移。
- 全日排便あり。便は良便。
- 発熱、嘔吐、痛みの様子なし。
- 耳の裏表の抜け毛が目立つようになってきた【写真3】。
- 食欲不振が長引き体重が減少している点を主治医に相談。主治医からも白血球数の回復が遅いとの指摘があり、協議の上、折を見て抗癌剤治療を2週間おきに変更することにした。
抗癌剤名 |
数量 |
白血球数(個/μL) |
好中球(%) |
直近体重(kg) |
ステロイド処方 |
検査内容(PDF) |
エンドキサン100mg |
1 |
7,880 |
66.3 |
4.16(8月2日) |
あり |
血液学検査 |
- ステロイド剤:プレドニゾロン錠5mgを1日1回投与
- 気づき:
- 投薬器を導入し、ステロイド剤の投薬に失敗することはほぼなくなった。
- 全体的に調子が良く、元気度、食欲ともに普段通りで問題なし。
- 3日目、5日目に排便なし。2日目に軟便。
- 発熱、嘔吐、痛みの様子なし。
抗癌剤名 |
数量 |
白血球数(個/μL) |
好中球(%) |
直近体重(kg) |
ステロイド処方 |
検査内容 |
オンコビン1mg |
0.5 |
7,460 |
70.9 |
4.14(8月9日) |
あり |
血液学検査 |
- ステロイド剤:プレドニゾロン錠5mgを1日1回投与
- 気づき:
- 翌週(8月16日)はお盆休みで休診日のため、次回の抗癌剤治療は翌々週(8月23日)を予定。このタイミングで今後の抗癌剤治療を2週間おきに変更。
- 4日目〜7日目にかけて食欲が普段の3〜6割程度に低下。8日目から徐々に回復し、11日目以降は普段通りに戻った。
- 6日目、7日目は元気度が普段の5〜6割程度に低下。
- 4日目、5日目に排便なし。便は良便。
- 7日目の体重測定で過去最小値の3.90kgを記録。12日目の測定でやや持ち直して4.09kg(過去最大値は2014年12月の7.30kg)。
- 発熱、嘔吐、痛みの様子なし。
抗癌剤名 |
数量 |
白血球数(個/μL) |
好中球(%) |
直近体重(kg) |
ステロイド処方 |
検査内容(PDF) |
アドリアシン10mg |
1 |
5,100 |
71.2 |
4.09(8月20日) |
あり |
血液検査 血液学検査 |
- ステロイド剤:プレドニゾロン錠5mgを1日1回投与
- 気づき:
- 元気度、食欲ともに好調。11日目の食欲のみ普段の8割程度に低下(最高気温36.9℃でバテ気味)。
- 13日目に排便なし。便は良便。
- 発熱、嘔吐、痛みの様子なし。
- 口元の脱毛が目立つようになってきた【写真4】。
【写真3】耳の表裏に脱毛が見られる(8月28日)
【写真4】口元に脱毛が見られる(9月6日)
抗癌剤名 |
数量 |
白血球数(個/μL) |
好中球(%) |
直近体重(kg) |
ステロイド処方 |
検査内容(PDF) |
オンコビン1mg |
1 |
5,210 |
73.3 |
4.08(9月5日) |
あり |
血液検査 血液学検査 |
- ステロイド剤:プレドニゾロン錠5mgを1日1回投与
- 気づき:
- 食欲が3日目に普段の4割程度まで低下。5日目には回復したものの6日目〜9日目までは4〜6割程度と低調。6日目〜9日目については後述する便秘との関連性が大きいと推定。
- 元気度は2週間を通じて好調。
- 1日目、3日目、5日目〜8日目、11日目に排便なし。特に5日目からは連続していたため、8日目にかかりつけ医に電話で相談したところ、排便したがる様子がなければもう少し様子見で良いでしょうとの回答。9日目にトイレで息んだもののほとんど排便できず、食べたものを嘔吐したりお尻を引きずって歩くなどしたため、10日目にかかりつけ医にて浣腸処置を実施。その後14日目にかけて徐々に定期的な排便に戻ってきた。便質は浣腸時のみ水様便でその他は良便。
- 上記の便秘症状に関連して、かかりつけ医より繊維質を多く含む食餌に切り替えるよう勧められたため、10日目からドライフードを療法食のキドニーケアプラスに変更。
- 発熱、痛みの様子なし。
- 7日目ごろから脱毛した部分に少しずつ毛が生えてきていることに気づいた。
抗癌剤名 |
数量 |
白血球数(個/μL) |
好中球(%) |
直近体重(kg) |
ステロイド処方 |
検査内容(PDF) |
エンドキサン100mg |
1 |
6,980 |
76.4 |
3.94(9月17日) |
あり |
血液検査 血液学検査 |
- ステロイド剤:プレドニゾロン錠5mgを1日1回投与
- 食欲増進剤:ミラタズ規定量を8日目、10日目、12日目に投与
- 気づき:
- 9月10日〜14日の便秘症状とかかりつけ医での浣腸処置を主治医に報告。便秘薬(モビコール配合内用剤LD)を処方され、必要な時に適宜服用させることに。
- 3日目ごろから食欲が落ち込み、5日目には3割程度になってほとんど何も食べず水も飲まなくなったため、5日目~7日目に強制給餌を実施(a/d缶)。
- 食欲とともに元気度も低下し、4日目~7日目には普段の4割程度となり、一日の大部分を部屋の隅でじっとしている【写真5】。姿勢はいわゆるスフィンクス座りで、時に喉をごろごろ鳴らしているため、痛みに耐えていることを疑い、8日目(9月27日)に二次診療機関を受診。血液検査【資料5/PDF】、血液学検査【資料6/PDF】および補液実施。主治医からの説明は下記の通り。
- 赤血球、白血球、好中球に異常所見なし。
- BUNは19.5mg/dL、Creは1.3mg/dLで腎機能は正常。
- GPTは78U/Lで肝機能は正常。
- 2期2巡目にも今回と同じ抗癌剤(エンドキサン)を投与しているが、その時は1週間を通じてとても体調が良かったため、抗癌剤との相性が原因とは考えにくい。
- 現時点では偶発的な症状と考えられる。今後も食欲不振が起きる可能性はあり、体重も減ってきていることから、食欲増進剤を使ってみてはどうかとの提案を受ける。
- 食欲増進剤の使用は飼い主側からも提案しようと思っていた。サチコに投与しているミルタザピン錠(15mgを8分割したもの)を流用してもいいならそうしたいと申し出たところ、マコは経口薬を嫌がる傾向が強いので、ミルタザピンと同じ成分のミラタズ(軟膏)はどうかとの回答。こちらは国内未承認なので価格は高いが、錠剤よりも遥かに投与が楽で、食欲不振の時に頓服的に使えばいいと思うとのこと。この翌日(8日目)から投与することにした。投薬ミス防止のため投与は原則として奇数日とし、投与方法は手袋をつけた指先に1.5in(3.8cm)を取り、耳の内側に擦り込むように塗るようにした【写真6】。
- 受診時に提出している日々の健康記録【資料7/PDF】に「痛み」の項目があるが、これはどのように判定すればいいのかと質問したところ、痛みに限らず痒みなど特定の部位を気にするような仕草があれば「あり」でいいとのこと。
- 8日目から元気度や食欲が戻ってきて、10日目にはどちらも普段通りにまで回復。
- 6日目、8日目、11日目、13日目に排便なし。便は良便で、特に12日目と14日目は今まで見たことがないような量。療法食に含まれるという「可溶性繊維」の威力を実感した。
- 8日目の体重測定で3.66kgを記録し過去最小値を更新。14日目の測定でやや持ち直して3.70kg。
- 9月14日から与え始めた療法食(キドニーケアプラス)はそれほど好まないため、12日目からカロリー補充用として猫用牛乳(ねこちゃんの国産牛乳)を適宜与えることにした。
- 発熱、嘔吐、痛みの様子なし。
- 10月1日より夫の勤務地と勤務形態が変わり、平日の日勤のみになった。
【写真5】天袋でじっとして動かない(9月27日)
【写真6】ミラタズの投与法
抗癌剤名 |
数量 |
白血球数(個/μL) |
好中球(%) |
直近体重(kg) |
ステロイド処方 |
検査内容(PDF) |
オンコビン1mg |
1 |
6,720 |
71.0 |
3.70(10月3日) |
あり |
血液検査 血液学検査 |
- ステロイド剤:プレドニゾロン錠5mgを1日1回投与
- 食欲増進剤:ミラタズ規定量を2日目、4日目、10日目に投与(7日目のみミルタザピン錠)
- 気づき:
- 全体的に調子が良く、元気度、食欲ともに普段通りで問題なし。
- すべての日に排便あり。便は良便。
- 発熱、嘔吐、痛みの様子なし。
抗癌剤名 |
数量 |
白血球数(個/μL) |
好中球(%) |
直近体重(kg) |
ステロイド処方 |
検査内容(PDF) |
ドキソルビシン10mg |
1 |
13,920 |
─ |
3.73(10月14日) |
あり |
血液検査 |
- ステロイド剤:プレドニゾロン錠5mgを1日1回投与
- 食欲増進剤:ミラタズ規定量を1日目、7日目、9日目に投与
- 気づき:
- 全体的に調子が良く、元気度、食欲ともに普段通りで問題なし。
- 6日目と8日目に排便なし。便は良便。
- 発熱、嘔吐、痛みの様子なし。
- 耳の表裏や口元など脱毛していた部分の毛が少しずつ生えてきた。ただし猫の被毛は完全に生え揃うまで数ヶ月〜半年程度かかるとのこと【写真7】
- 10月27日より妻が入院したため、食欲や元気度の判定は、朝夕の配膳時の反応や深夜の寝室来襲の有無など、夫の在宅中に可能な範囲で行うことにした。居室にウェブカメラを設置して観察の補助にした。また不在が増えて細やかな食餌管理が難しくなったため、食欲増進剤の投与を一旦中止した。
- 今回投与した抗癌剤「ドキソルビシン」は毎期4巡目に投与しているアドリアシンと同一(アドリアシンは販売名)。表記は診療明細書に従った。
【写真7】少しずつ毛が生えてきた(10月22日)
抗癌剤名 |
数量 |
白血球数(個/μL) |
好中球(%) |
直近体重(kg) |
ステロイド処方 |
検査内容(PDF) |
オンコビン1mg |
1 |
7,810 |
68.6 |
3.68(11月1日) |
あり |
血液検査 血液学検査 |
- ステロイド剤:プレドニゾロン錠5mgを1日1回投与
- 食欲増進剤:ミラタズ規定量を1日目、3日目、5日目、7日目、9日目に投与(11日目のみミルタザピン投与)
- 気づき:
- 4日目に食欲が普段の6割程度に低下。5日目に一旦回復したものの9日目から再び不振となり、11日目に6割程度まで低下。その後は8割程度を維持した。前者はタイミング的に抗癌剤の副作用とも考えられるが、下記の理由により少なくとも後者は偏食が原因と推定。
- 元気度は2週間を通じてほぼ問題なく、毎日明け方になると寝室へ起こしに来るほどだった。
- フードを食べない時でも猫用牛乳は好んで飲んだ。
- 特定のドライフード(シーバ)だけは比較的好んで食べたが、このフードはかかりつけ医より便秘になりやすいとの指摘を受けていたため、できるだけ避けたかった。
- 元気度は普段の8〜10割で問題なし。4日目からコタツを出したところ、中に入り浸るようになり、細かな観察が難しくなったため低めに見積もった結果が8割。
- 7日目、9日目〜12日目に排便なし。8日目に軟便が2回。それ以外は良便。
- 12日目、13日目に便秘薬投与(モビコール配合内用剤LD)。
- 9月10日〜14日の便秘と異なり、今回はそもそもあまり食べていなかったことと、元気度は高かったことから、便秘薬の投与にて様子見とした。
- 8日目に嘔吐あり。
- 発熱、痛みの様子なし。
- 10日目の体重測定で3.49kgを記録し過去最小値を更新。
- 2024年4月の発症以来、少しでも食べさせたいとの思いから多くの種類のフードを試した結果、飽きられることを繰り返すなどして迷走していたため、12日目からもともと与えていたものに戻すことにした(基本的にドライフード1種類、ウェットフード1種類)。
- 食欲増進剤に対する反応が見られないため、11日目を最後に投与を中止した。
- 8日目(11月8日)に妻が退院した。
抗癌剤名 |
数量 |
白血球数(個/μL) |
好中球(%) |
直近体重(kg) |
ステロイド処方 |
検査内容(PDF) |
エンドキサン100mg |
1 |
14,350 |
─ |
3.49(11月10日) |
あり |
血液検査 |
- ステロイド剤:プレドニゾロン錠5mgを1日1回投与
- 食欲増進剤:未定
- 気づき:
- 主治医からの情報によると、最近発表された論文において、エンドキサンの高用量投与によりプロトコル完了後の生存率が著しく上がったとのデータが示されたとのこと(うろ覚え)。次回の通院で著者やタイトルを教えてもらう予定(激しい副作用の可能性があるためマコに適用してもらう考えはない)。
- 経過観察中。
随時更新します。
費用、診察明細などもいずれ公開します。