今回の伊豆四島猫旅は移動手段の限られた離島を短時間でなるべく多く回る必要があり、そのため東京愛らんどシャトルと呼ばれるヘリコミューターを何度か利用することになった。この路線は毎日1回、八丈島→青ヶ島→御蔵島→三宅島→大島→利島→大島→三宅島→御蔵島→八丈島の順に巡回するもので、直行便のない島から島への足を確保する上で貴重な存在だが、旅客定員が9名と少なく、特に船の欠航率が高い八丈島~青ヶ島はプラチナチケットと化している。加えてコミューター路線というのは運賃が高く、調子に乗って利用していると旅費で涙ちょちょ切れることになりかねない。今回はどうにか切り詰めて2回(うち1回は3区間の乗り継ぎ)に収めたが、それでも台湾へ行く方がずっと安上りということになってしまった。今回敢えて決行したのは、昨日書いた東京都全自治体制覇だけが目的なのではなく、青ヶ島の二重カルデラを一目見たかったからでもある。地学好きな俺にとって青ヶ島の地形は垂涎ものだ。
今日は八丈島から船で青ヶ島に渡り、明日10:20に発つヘリコプターの時間まで滞在することになっているが、それはあくまで予定上のこと。八丈島~青ヶ島を結ぶ船は船体が小さく、加えて青ヶ島港は地形的な制約から防波堤がないため、就航率は6割強に留まっている。10月に限っても平均66%程度だそうなので、もし欠航となれば、ほとんど無理なヘリのキャンセル待ちに賭けるか、青ヶ島自体を諦めることになる。
なのでこの記事が予約投稿で公開されるころ、俺は青ヶ島にたどり着けているのか、それとも船が欠航してほかの場所にいるのかは本当に分からない。訪れる機会はたぶんもうないと思うので、できれば渡りたいんだけれども……。
さて、三浦散歩の方はようやく漁港にたどり着き、1匹だけとはいえ人懐っこい黒に会えて一安心。しかしこの日はよく晴れて気温もすでに21℃を超えており、黒は暑がって日陰に隠れてしまって出てこない。漁港に一人取り残され、どうしようかなあと途方に暮れていると、他所者の気配を察した猫が見回りにやってきた。
君は奥の家の飼い猫かな。ちょっとだけモデルになってくれないかなー。
2匹は反りが合わないみたい。黒はどこかへ走って行っちゃった。
バッタを咥えて走り去る茶トラの背中を眺めていたら、途中で取り逃がしたらしく、ぴょんぴょん飛び跳ねながらあとを追いかけて行った。
漁港に一人残され、暑くもなってきたのでそろそろ引き返すことにした。再び小さな集落を通り抜け、海岸から少し離れた路地を行くと、そこにはいつも立ち寄る猫民家がある。今日はどうかなと思って覗いてみると、果たして2匹の猫が思い思いに寛いでいるところだった。
ちょうど家の人が庭に出ていたので、猫の写真を撮らせて欲しい旨を伝えると、快く中へ招き入れてくれた。茶トラはマロという名だそう。
三毛は聞き忘れちゃった。5月に来た時はほかに鉢割れの茶トラ白がいたほか、去年の秋は2匹のクリームにも会ったので、ここにはほかにもたくさんいそう。
集落では来た時よりも帰りの方が猫を見かける。朝なら濡れ縁に座っているけど(一例)、もう暑いので日陰に隠れているね。
去年も見かけたキジ白は呼んでも反応なし。様子を見ていた隣家の奥さんによれば、この辺りはこれでもずいぶん猫が減ったそうだ。
民家の敷地を隔てるフェンスの隙間から猫が出てきた。君は見覚えのある顔だね。
あとをついてくるキジトラと一緒に砂浜へ降りてみると、海を眺める猫がもう1匹。
椰子の木の広場で見かけなかったので、今回は会えないかと思っていたよー。元気そうで良かった。
最初にフェンスから出てきたのは息子。前々回の記事で紹介したシャイな息子ではなく、シャイじゃない方の息子。
もう少し違う表現で伝えられたらいいんだけれども、2匹の兄弟は本当にそっくりなので、ほかに言いようがないんだよなあ。
3時間45分という長めの散歩はこれでおしまい。最後にキジトラファミリーの残りに会えたのはラッキーだった。次はハマダイコンの花が咲くころにまた来る。