6月下旬に発熱した時はコロナ感染を疑い、府中市が公表しているフローチャートに従って、まずは多摩府中保健所に電話して指示を仰いだ。当時はまだ状況が逼迫していなかったせいか、電話はすぐに繋がって保健師とも直に会話することができた。症状を伝えるとPCR検査をしましょうということになり、かかりつけもしくは診察券を持っている中で、PCR検査を実施している医院が存在するか、電話の向こうで検索してくれた。地元の保健所だったのが幸いして、こちらの地理的条件も伝わりやすく、最終的には診察履歴がなくてもOKという医院が見つかり、その日のうちにPCR検査を受けることができた(結果は陰性)。
検査結果が出るまでは自宅の客間で大人しくしていたが、その時に感じたのは、(1)一つ屋根の下で暮らしながら家族への感染を防ぐのはまず無理、(2)飼い主とペットは一蓮托生になりがち、ということだった。家庭内で感染者が出れば、そこで暮らす猫も濃厚接触者になるわけで、もし俺も妻もコロナに罹って動けなくなった時、果たしてそのことを承知で引き受けてくれる人がいるだろうか。俺の兄妹は全員猫を飼っており仲も悪くないが、それでもコロナ患者と濃厚接触した猫を預かってくれとは頼みにくい。体表に付着したウイルスは時間とともに不活化しても、猫自体がコロナに感染している可能性があるからだ(ネコ→ヒト感染の報告例はないが、ヒト→ネコやネコ→ネコ感染は存在する)。ロシアが開発したような動物用コロナワクチンが存在すればありがたいが、動物の地位が低い我が国では当分期待できそうにない。犬や猫と一緒に暮らしている人は、自分や家族がコロナに感染した時どうするか、脳内シミュレーションしておいた方がいいと思う。
今日の記事は昨日の散歩の後半から。多摩ニュータウンに現れたという黒白ボスの子供に会いたくて、初めての道(上り坂)をぜいぜい言いながら登ってみたものの、茂みに隠れていた美人黒白は大人びていて、どう見てもキトゥンブルーも抜けないような子猫とは別人だった。とはいえ美人に会えたことは素直に喜ぶべきと気を取り直して、さらに先を急いでいると、丘の上に設けられた平場で三毛が平たくなっていた。
子猫ではないけど、この子も黒白ボスの娘。お父さんからは鼻の下の黒ポチを受け継いだみたい。
この子の茶色遺伝子座の遺伝子型はOoで、父親の黒白ボスはooなので、母親は茶トラや茶トラ白(OO)、二毛や三毛(Oo)など、優性のO遺伝子を一つ以上持っていることになる。帰宅してから事情通の人に確認すると、果たしてこの子の母親は去年の暮れに一度だけ見かけた三毛だった(こちら)。
定位置にいるところを久しぶりに見た。この子は意外に縄張りが広いんだよなあ。
何度も会っているので親しいつもりで近寄ったら、微妙に避けられてしまった。
散歩の最後に立ち寄ったのは六花谷。あの黒白をお父さんと呼べばいいのか、ご主人と呼べばいいのか。この丘の錯綜した猫カンケイは複雑すぎて覚えられる気がしない……。
君がモテモテなのはよく理解できたよ。この機会に仮の名前を「黒白ボス」にしておくから、今後もその調子で頑張ってくれ。
この日は早朝から雲が厚くて暗かったが、このころになってついに雨が降り出した。藪蚊も多い場所なので、どうしても撮影が急ぎ足になってしまう。
それじゃ最後に祠の茶トラを訪ねてから仕事に行こうかな。あの子、だいぶ痩せちゃっているから気になるんだよ。
茶トラにはすんなり会えた。虫刺されがひどいけどまあまあ元気そう。
……などという会話を六花咪は聞き逃さない。折り合いの悪い2匹をそれぞれ見えない場所で構ってから仕事へ向かったのだった。