マコちゃんの15年


府中市の猫

 ここのところマコちゃんの健康状態に関する心配事が続いていて、15歳の誕生日だった一昨日などは検査のため入院させることにもなって不憫だった。検査項目のうちCTの画像診断は昨日のうちに結果が出て説明を受けたが、生検は1週間ぐらいかかるとのことで確定診断には至っていない。検査結果が出揃わないことには今後の対応も決めにくいので、それまでは強制給餌や止血剤などでできるだけ現状を維持できればと思っている。
 色々なことが起きている上に誕生日からも2日経ってしまったが、15歳を迎えられたこと自体は大変おめでたいので、今日はマコちゃんが我が家に来てから今までに撮った写真を一年ごとに何枚かずつ紹介していく。家族とはぐれて玄関前に迷い込んできたサチコと違い、マコちゃんの場合は出産直後に母子とも捕獲され、4匹いた子猫は生後3ヶ月ぐらいでみな里子に出された。なのでサチコの誕生日が推定であるのに対して、マコちゃんは誕生日や出生地が正確に分かっているし、母子の写真が残っているので(こちら)、毛色の遺伝子型を推定する助けにもなっている。ちなみに4匹いる兄妹のうち3匹はマコちゃんにそっくりな茶渦白で、残り1匹と母親は三毛。ただしすべての猫に被毛の生え際が白く抜けるティッピングが生じているので、マコちゃんの毛色は正確にはカメオクラシックタビー白(cameo classic tabby and white)と考えられる。
 里親募集の写真を見て気に入ったマコちゃんだったが、見た目の可憐さとは裏腹に、トライアル期間の1週間は近所中に響き渡るほどの声で鳴き続け、正式に迎え入れてからも大変なやんちゃぶりだった。世の中にはもっとすごい子猫がいることをのちに知ったが、すべての基準がサチコだった俺たち夫婦の目にはマコちゃんがとても強力に映った。サチコなどはやられっ放しですっかり苦手意識を持ってしまい、もうすぐ21歳になろうという今も基本的にマコちゃんを避けている。寒い冬など2匹がくっついて寝てくれれば安心なのに、それぞれに専用の寝床とヒーターを用意しなければならない。
 油断すると前置きが長くなるので写真の紹介を。まずは2009年8月14日、トライアルのため我が家に連れられてきたマコちゃん。生後86日。
昭島市の猫

 子猫時代の写真は貴重なので2009年をもう1枚。こちらは8月21日、我が家に来て1週間が経過した(生後93日)。
昭島市の猫

 2009年9月に昭島市緑町から松原町へ引っ越した。サチコのほかに猫をもう1匹飼おうと思ったのは、同年7月に近所で見かけたこの子がきっかけだったが、再び会うことは叶わず、インターネットで里親募集を探すようになった。引っ越しのタイミングで迎え入れれば縄張りがリセットされて、新旧どちらの猫にも都合がいいと思っていたが、結果的にはまったく関係なかったようだ。2009年10月12日、松原町の新居で撮影(マコちゃん生後4ヶ月、サチコ6歳4ヶ月)。
昭島市の猫

 2010年1月17日(生後7ヶ月)。プリンタの上の座布団が定位置。このころ妻と離婚し、猫2匹との生活が始まった。
昭島市の猫

 シーツの下に隠れるサチコに鋭く反応。2010年3月14日(生後9ヶ月)。
昭島市の猫

 2011年3月10日、東日本大震災前夜のマコちゃんとサチコ。翌11日の地震発生時、職場から部屋のIPカメラに接続して様子を見ると、2匹ともベッドの上に香箱を組んで揺れるに任せていた。マコちゃん1歳9ヶ月、サチコ7歳9ヶ月。
昭島市の猫

 母親や兄妹と引き離されて里子に出されたマコちゃんはとても淋しがり屋で、サチコに懐きたがって盛んにアプローチしていたが、所作が雑というか力任せなので、大人しいサチコは早いうちから距離を置くようになった。これには子猫のうちに家族とはぐれたサチコの境遇も影響しているかも知れない。この写真でも俺を挟んで両側に佇んだまま動かない。2011年7月31日撮影(マコちゃん2歳2ヶ月、サチコ8歳1ヶ月)。
昭島市の猫

 2012年7月16日(3歳1ヶ月)、机の上で伸びるマコちゃん。松原町時代の寝室は西向きの2階で、夏にもなると室温の上がり方が半端なかった。
昭島市の猫

 ……なので、二人ともこの風体。同年8月5日。
昭島市の猫

 半年前に注文した関川村の猫ちぐらが届いた日。すでに巨大化していたマコちゃんは大サイズに入ることができず、悔し紛れに箱で遊んでいるところ(2013年1月12日、3歳7ヶ月)。
昭島市の猫

 あまりにも2階が暑いので、ベッドと机を1階のリビングに移した。2014年6月13日、5歳0ヶ月。
昭島市の猫

 2015年5月10日、窓辺でまどろむマコちゃん。このころ体重は生涯最高値の7.3kgに達していた(5歳11ヶ月)。
昭島市の猫

 2015年10月に拝島から西立川へ転居し、さらに2016年9月、妻との復縁をきっかけに日野市平山へ。この写真はそれから約1ヶ月後の同年10月24日に撮影したもの(7歳5ヶ月)。
 俺の転職や離婚によって留守番が増え、サチコにも相手にされないマコちゃんは、淋しさから過剰に毛繕いして被毛の一部が薄くなっていたが、復縁後は少しずつ元の状態に戻っていった。
日野市の猫

 拝島時代の写真とともに。2016年11月14日。
日野市の猫

 2017年7月21日、平山の家のベランダにて(8歳2ヶ月)。
日野市の猫

 猫ちぐらはサチコ専用になったので、古いiMacをくりぬいてマコちゃんの巣にしてみた。当時はFlower Powerと呼ばれる花柄の筐体を探していたけど、あとから考えたら真っ白いSnowで良かったかも知れない。2017年10月、8歳5ヶ月。
日野市の猫

 ジンギスカンの日は猫たちも落ち着かない。マコちゃんはラム肉狙い、サチコは何でもいいから食わせろという主張。2018年12月21日、マコちゃん9歳7ヶ月、サチコ15歳6ヶ月。
日野市の猫

 2019年2月、現在の府中市南町へ引っ越してきた。写真は同年7月1日撮影、マコちゃん10歳1ヶ月、サチコ16歳1ヶ月。
府中市の猫

 府中へ引っ越してきて間もない2019年10月13日、一家揃って自然の脅威に晒された。のちに「令和元年東日本台風」と命名された2019年の台風19号は東京を直撃し、多摩川が氾濫危険水位を超えたため、妻や猫とともに13日の16時ごろから避難を始め、風雨がほとんど収まった23時すぎに帰宅した。府中市の立川崖線から下の一帯は軒並み浸水想定区域になっているため避難所の設定がなく、避難するには暴風雨の中を20〜30分も歩いて崖線の向こうまで行かなければならず、しかも猫連れとなるとほとんど不可能に等しかった。やむなくカーシェアの車で地元のショッピングモールの立体駐車場を目指したもののすでに満車で、最終的には多摩総合医療センターの駐車場で不安な数時間を過ごすことになった。家を出てから戻るまでの7時間、猫をキャリーに閉じ込めておくのは不憫で心苦しかったが、2匹とも粗相もせずによく頑張ってくれた。マコちゃん10歳4ヶ月。
府中市の猫

 猫ボードの上がお気に入り。2020年4月19日、10歳10ヶ月。
府中市の猫

 サチコほどではないもののマコちゃんもお風呂は好きで、時には感極まって浴室で放尿しちゃうほど。サチコは老齢のため19歳を最後に入浴を中止したが、マコちゃんは体調さえ崩さなければ今年も来月下旬ごろには入れるつもりだった。ちなみに濡れていてもサチコほど体型が変わらないのはアンダーコートがないから。なのでマコちゃんは体を舐めすぎるとすぐに禿げるし、寒がりでもある(2020年7月11日、11歳1ヶ月)。
府中市の猫

 冬の夜、暖かい部屋でまったりする2匹。2021年1月16日(マコちゃん11歳7ヶ月、サチコ17歳7ヶ月)。
府中市の猫

 2021年11月5日、猫デッキにて。マコちゃんは足が大好き(12歳5ヶ月)。
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 雨見のマコちゃん(2022年9月19日、13歳3ヶ月)。この行動はサチコには見られない。
府中市の猫

 2022年9月から4ヶ月間だけのテレワーク。マコちゃんは嬉しそうに仕事部屋に入り浸っていた。2022年10月19日(13歳4ヶ月)。
府中市の猫

 2023年5月18日、猫デッキにて。マコちゃんはサンダルも大好き(13歳11ヶ月)。
府中市の猫

 シンクロナイズドスイミン。2023年8月8日、マコちゃん14歳2ヶ月、サチコ20歳2ヶ月。
府中市の猫

 今年1月、只見で買ったお土産のマタタビに激しく反応するマコちゃん。14歳8ヶ月。
府中市の猫

 そしてこちらが今日撮影した15歳と2日のマコちゃん。鼻血は鼻腔内の腫瘍が疑われる組織からと考えられるので、止血剤の効果は期待していなかったが、今日は割と効いてくれてほぼ一日中止まっていた。久しぶりに水鉢から水を飲んでくれたことも嬉しかった。体重は4.46kgだった。
 猫の15歳と聞いて若く感じるのは、我が家のもう1匹があと10日で21歳になることからの錯覚だ。サチコはあくまで例外事象なのであって、人間換算で76歳になったマコちゃんは後期高齢者に相当するのだから充分老いている。ここまで健康でいてくれたことに感謝しつつ、できるだけ苦しくないように、痛くないように今後も接していく。マコちゃんは本当に可愛い。
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