大阪出張で風邪を引いたことは前回の記事に書いたが、その風邪が妻に伝染って喘息が悪化してしまい、27日の朝にはSpO2が85などという値を示して苦しがったため救急車を要請し、搬送からそのまま入院となって現在に至る。今日も午後から見舞ってきたが症状はだいぶ回復しており、恐らく今週末か来週初めごろには退院できると思う。俺以外の家族は猫を含めてみんな病名がついてしまったが、ここへ来て改めて実感しているのは健康保険のありがたさだ。俺の職場が加入している健康保険組合は高額療養費のほかに独自の給付金を設けていて、月あたり20,000円を超える医療費の自己負担額がすべて支給される。自宅から搬送してもらって入院までして、猫よりも遥かに医療費の負担が小さいのだからありがたいというほかない。一方の猫はなまじっか丈夫で病気一つしたことがなかったため、ペット保険に入るというような考えに至らず、今は2匹とも全額自己負担でやっている。というか21歳の猫なんて何かしらの疾患があって当然だし、そんな老猫に適用できる保険が存在するなんて普通思わない。
まあそんなわけで最近は仕事のほかに家事や猫の世話などで忙しいが、こういう時だからこそたまには季節を感じながらゆっくり散歩したい。今日は妻を見舞うついでに立川あたりを歩いてみることにして、まずは久しぶりに上矢印邸を訪ねてみた。
真正面から見ると割と角張っている。これで前足を畳んでいたら英語でcatloafと呼ばれるのもよく分かるね。
上矢印ちゃんも自宅の敷地で朝ご飯を待っている。なぜそれが分かるのかというと、懐いてもいない俺に向かって鳴くから。きっとお腹が空いているんだね。
定点の猫民家に古馴染の黒白が見当たらず、いつも同じ場所にいるわけじゃないしと思いながら物置の上を見ると、前回とまったく同じ場所からこちらを眺めていた。
正面に回り込んでみた。もう少し前に出てきてくれるとありがたいんだけどな。
……などと説得を試みたものの反応がないため、思いっ切り背伸びしてライブビュー撮影してみた。ちょっと驚かせちゃったかな。
学校裏の猫アパートに猫影がないことを確認して次へ向かおうとしていると、お散歩中と思しきキジトラが出てきてのけぞった。
ここってまだ猫がいたんだ。また新しい子に会えるなんて嬉しい!
とても人懐っこいけどカメラが苦手らしい。スマホなら平気そうだったので動画を撮ってみた。
そして今日はまさかの再会が。とある民家の庭に佇んでいたのは3年ぶりの七三ファミリー母。
警戒心もあらわに立ち去ってしまい、撮れた写真はこの2枚。しかしこの庭はかつてこの子が2回も出産し、家族と一緒に過ごした場所。今もここがいちばん落ち着くのかも知れない。
今日最後の猫はとある猫路地で見かけた黒白。ゴージャスぱっつん黒白は不在のようだった。
ここから北東に300mほど行くとブアイソーズの第二宴会場がある。最後のメンバーとなった黒白は4年半ほどそこに身を寄せていたが、つい数日前、面倒を見ている人からメールがあって、先月25日に息を引き取ったと書かれていた。7月25日に会った時、外見からして回復が絶望的なことは分かっていたが、献身的な介護を受けて、それから3ヶ月も頑張っていたのは正直驚きだった。10余年前の最盛期には20匹近い勢力を誇っていたブアイソーズは、最後のボスである黒白の旅立ちにより終焉を迎えた。
今日の散歩は上矢印ちゃんから始まって、七三ファミリーの母に会い、最後はブアイソーズの墓所に手を合わせて終わった。「前髪さん」あるいは「ポコちゃん」と呼ばれて愛された黒白は、縄張りだった畑の隅で仲間とともに眠っている。