拝島時代の知り合いを訪ねて(2)


昭島市の猫

 今日は午前中を中心に局地的なにわか雨に見舞われたようだが、お昼前に家を出てみると空はすっかり晴れ渡り、初夏の北海道のような爽やかな陽気となった。この分ならさぞかしたくさんの猫に会えるだろうと期待したが、どれもこれも敷地の奥の方で伸び切っていて、頭や尻尾は見えても呼びかけに反応しないので写真が撮れない。26~28℃というほど良い気温と40%台の低い湿度に加えて涼しい北風と来ては、起きている方がどうかしているわけで、道中6匹見つけたにもかかわらず撃沈という悲しい結果だった。俺だって仕事がなければ日陰でお昼寝していたかったよパトラッシュ……。
 そういうわけで雨の日にでも載せるつもりだった昨日の続きは今日載せることになった。前編では主に拝島の栄えていない方で暮らす猫たちを紹介したが、後編の今日はかつて俺も暮らしていた栄えている方の猫たち。拝島時代の家は河岸断崖の崖上に建ち、窓からの眺望は抜群だった反面、全部屋西向きだったので夏の午後の暑さは地獄のようだった。それでもあの家を買っておけば良かったと今でも後悔しているのは、駅から徒歩3分という立地の良さと猫の多さで、引っ越してから8年近く経つ今もこうして通い続けている。
 こちらは拝島時代の旧々々居に並ぶ崖線沿いの住宅街。崖上と崖下の標高差は2~3mだが、猫はやはり高い方を選ぶようだ。
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 誰かと思ったら、この辺りでごくたまに見かける茶トラ白の美人さん。一昨年の大晦日以来だけど元気だったか。
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 カメラは苦手らしく伏し目がち。冬毛の印象が強いせいか、ずいぶん痩せたように見えるね。
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 初めて会ったのが2019年10月で、今日が三度目だから覚えてないだろうけど、一応嗅いでみる?
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「シャアアア! 覚えとらんわいそんな昔のこと!」
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 そんな俺たちの一部始終を眺めているのもいた。こちらは崖下だけど猫はやっぱり高みの屋根。
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 子猫のころは華奢で将来を案じていたキジ白も今年5歳。巨大化して貫禄十分だが実はとても臆病で、この距離でも逃げてしまう。
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 この子が美人だから気になって出てきたのかな。
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 次に立ち寄ったのは再開発ファミリーの猫拠点。華やかな紫陽花の横を黒が通りすぎていく。
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 草の匂いを嗅ぐのに忙しいところ、舌を鳴らして少しだけ目線をもらった。以前ここにはめっちゃ人懐っこい黒がいたけど(こちら)、冷淡な反応からして同一人物ではないのだろうな。
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 正面に回ってみると植え込みからキジトラの顔が覗いている。いい子だね、おいでー。
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 後ろからキジ白も出てきた。この2匹は古くからのお馴染さん。
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 目つきがフレンドリーじゃない感じ。滅多に会わないので忘れられちゃったかな……。
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 散歩の最後は二つの猫拠点に立ち寄った。一つ目はこの時期恒例のキジ白3号。
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 今月10日はこの子と出会って15年目の記念日だった。自分ちの猫でもないのに長い付き合いになったなあ。
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 最後に紫陽花のところで写真を撮ってその場を辞去した。何となくこの時期にモデルを頼むのが恒例になって4年経つ(過去ログはこちら)。
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 二つ目に立ち寄ったのはシャム混1号邸。ちょうど出てきた奥さんに挨拶して消息を訪ねると、シャム混1号は1年あまり前、19歳と20日という年齢であの世へ旅立ったとのこと。俺が最後に会ったのは去年3月だったので、それから間もなくして死んだのだろう。奥さん曰く「猫はいなくなった」そうなので、時期不明ながら相方の麦わら1号も恐らくシャム混1号に先立って死亡したものと思う。どちらも外猫ではキジ白3号に次ぐ古い知り合いで、初めて会ったのは2010年、旧々々居に住み始めてから駅と自宅との行き来で見かけるようになった。とりわけ若いころのシャム混1号は人懐っこくて、家の前の細い路地を通るのが楽しみの一つになっていた。
 長く続けているとこういう訃報が増えてくる。過去の登場人物には短剣符記号を付しておいた。
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