もともと1週間おきだったマコちゃんの抗癌剤治療は8月のお盆休みを境に2週間おきに変わっていて、現在すでに後半戦に入って今月20日には3期2巡目に到達した。多剤併用療法なので投与される抗癌剤は毎回異なり、オンコビン→エンドキサン→オンコビン→アドリアシンの順で1セット(1期分)になっている。それぞれの抗癌剤で副作用は異なるが、たいていは投与から4日目~6日目にかけて食欲が減退することが多く、重い時は飲まず食わずになるので強制給餌で対応することもある。逆にほとんど症状が現れないこともあり、そんな時はよく食べて元気度も上がり、癌に罹っているのが嘘のように感じるほどだ。先週は今までで最も副作用の症状が重くて長く、本来予定していなかった27日に農工大へ連れて行って血液検査や補液をしてもらったが、重要項目である赤血球、白血球、腎臓、肝臓などに異常所見はなく、今後同じようなことが起きた時は食欲増進剤で対応することになった。そのほかの副作用としては耳回りの脱毛があるが、2週間おきの治療になってからは少しずつ生え揃ってきている。アドリアシン投与時は出血性膀胱炎を起こして血尿が出るかも知れないと言われているが、今のところそうした症状も出ていない。とにかくこの数ヶ月のマコちゃんはジェットコースターのように体調が上げ下げしており、こんな時期に異動かよと思うこともあったが、通勤時間がかなり短くなるので猫たちの観察にそれほど支障はなさそうだ。特に朝は余裕があるのでゆっくりスキンシップできると思う。
そんなわけで今日は多摩センターへ最後の出勤。思い出深い六花谷を訪ねるべく、いつもより1時間ほど早く家を出てみると、近所の路地に武蔵がいて黒煙邸を見張っていた。
最近ご無沙汰だったので会えて嬉しい。本人は黒煙邸で頭がいっぱいみたいだけど。
また領土侵犯するの? あの子に見つかったら怒られるよ。
警戒しつつもしっかり黒煙邸の敷地に腰を下ろしている。あの黒白が臆病にしているのは武蔵が原因なのかしら。
聖蹟桜ヶ丘から乗ったバスを途中で降りて、いつものモノレール駅に立ち寄ると、茂みから黒が飛び出してきた。
激しく鳴いておる。カメラ嫌いなのは分かっているけど、これで最後だから出てきて。
説得の甲斐あって何とか全身を拝めた。この子は駅前で暮らしていた2匹の黒の片割れで、初めて会ったのは2015年2月。当初は夫婦者だと思っていたが、のちに付近住民が姉妹だと教えてくれた。
池のほとりも覗いてみたが、黒白ボスどころか妻や娘の姿もなく、最後に風景だけ撮るつもりで立ち寄ったゴンの祠にトラちゃんがいてくれた。
忙しそうに嗅ぎ回っている。この子も大のカメラ嫌いなので目線をもらうのは至難の業。
元気そうで良かった。何度来ても会えないからもう諦めていたんだよ。
少し傾いて咲く彼岸花はゴンの曲がった背中のよう。縄張りを引き継いだトラちゃんを見守っているのかも知れない。