前栽に子猫が迷い込んできて、朝から晩まで鳴いていたのは、2003年8月のことだった。当時俺たち夫婦は新秋津駅に近い一軒家に住んでいて、ウサギを飼うつもりでケージを用意したところだった。次の休みにでもペットショップで本体を探そうと思っていた矢先、猫が来たのでウサギは取りやめになった。「サチコ」と名付けたその子猫は、何ヶ月経っても階段の上り下りすらできず、家族とはぐれたというより、発育が悪くて母猫が育児放棄したように思われた。
今朝は、俺たち夫婦が新婚時代に住み、サチコの故郷でもある新秋津を、40分ほどかけて一回りしてみた。2007年に昭島市に引っ越したあとも、時々髪を切りに行っていたので、街の様子はだいたい分かっている。最初は床屋の裏の猫拠点に寄ってみた。
雨上がりの路地で寛いでいるのがいた。実は上の写真には2匹写っているんだけれども。
敷地に引っ込んでしまったので、覗いてみると、食事中の茶トラもいた。遊びに出てくるにはまだ少し早かったかな。
はっきりとした根拠があるわけではないが、サチコが生まれたのはこの辺りだと思う。この近くには猫民家があって、多くのキジ白を輩出している。この子もサチコの親戚かも知れないと思うと、親近感もひとしおだが、近寄ったら飛んで逃げてしまった。