猫に起こされて目覚めたのは10時前だったが、瞼を閉じればもっと寝られそうだった。枕元に集まる猫を撫でながら、しばらくまどろみの時間を楽しんだあと、コーヒーを沸かしに階下へ降りた。
窓の外を見ると日差しがあった。猫関係業務をどうするか少し悩んだが、予定通り矢川から谷保まで歩くことにした。このコースは割と猫影が多いが、のどかな田園地帯で日陰が少ないため、天気が良すぎると歩くのに難儀する。
昨日、立川から歩いて帰ってきたので、自転車は美人さんの駐輪場に置いたままになっている。自宅近くのバス停から立川行きのバスに乗り、南武線に乗り換えて、矢川に着いたのは13時だった。出発した時より雲が多くなっていて、猫がお昼寝する農機具置き場は、白んだ日差しに照らされていた。
たまに見かける農家の白猫。呼んだら面倒臭そうにこちらを見た。
ブアイソーズ公園に近づくと、通りの先で長毛薄色二毛が休んでいた。
茂みに隠れるようにして、黒白も寛いでいた。今日のブアイソーズは以上の2匹。
久しぶりに訪れた、疎水べりの猫民家。どういうわけか中が空っぽになった家の前で、小柄な茶トラ白が寝ていた。こちらの気配には気づいているようだが、眠くて目が開かない。
道路向かいの畑ではサバ白がお昼寝中。もう1匹いるメンバーの白は見かけなかった。
家の主人に挨拶したところ、今日は引っ越し作業中で、家族や猫たちと一緒に山梨県へ移るとのことだった。最後の機会だからと、畑のサバ白(麻呂という名前らしい)や、姿の見えない白を呼んでくれたが、なにぶん相手は猫。まったく反応のないまま、苦笑しつつお礼を言ってその場をあとにした。猫たち元気でな。
俺も近々引っ越すし、駅から離れたあの拠点がなくなると、この辺りを歩く機会はますます減るかも知れない。淋しいことだなと思いながら次の猫民家に差しかかると、車の下に黒いものが横たわっているのが見えてきた。
カラフルな駐車場で寝ていたのは白。滅多に猫を見かけない場所だが、初めてというわけではなく、こいつにも一度会っている。
奥に鎮座しているのは、スクーター二毛と長毛キジ白。キジ白は会ったことあったかなー。ちょっと思い出せない。
騒ぎを聞きつけてもう1匹現れた。
この子、前回までは薄色二毛(縞二毛がdd遺伝子で希釈されたタイプ)だと思って、二毛に分類していたが、そうではなく、いわゆる一つのサバトラ(青トラ)ではないかと思う。縞二毛なら縞の濃い部分に茶系色があるはずだが、それが見当たらない。レッドやクリームが確認できない以上、二毛とは言えないし、胸やお腹の毛が赤っぽく見えるのは、美人さんみたいに、もともと赤味の強いキジトラだからではないだろうか。
矢川~谷保の散歩はつつがなく終了し、再び電車に乗って、乗り換え駅の稲田堤へ。瓢簞横丁を通り抜けると猫が寝ていた。