例年なら9月の最終週に取得する夏休みを、今年に限っては今月6日と9〜12日の飛び石にした。今まで9月末を選んでいたのは涼しさを期待してのことだが、その通りになったためしがなく、どうせ暑いなら早いうちに休むことにしたのだった。夏休みとは銘打っても今回は4連休に過ぎないので、特別な休暇という感覚はまったくなく、むしろ7連休で行く11月の台湾猫旅の方が楽しみだったりもする。
……そんな感じで短い休暇の折、ちょっとした息抜きのつもりで妻と出かけた1泊旅行。一人で行くいつもの猫旅と違って、ブログのネタになるとは思っていなかったが、予想外に猫成分が濃かったので記事にしてみた。
一昨日(7月9日)の朝は6時前に家を出て、中央線の快速で東京駅に向かった。新幹線の車窓を見て、もし曇っていれば、適当な駅で途中下車して、食べ歩きと猫探しをしようと思っていたが、車窓に広がる空はどこまでも青く、気温はぐんぐん上がっているようだった。
最初の下車駅は郡山。ホームに下り立った瞬間、暑すぎて街なかを歩くのは無理と悟り、カーシェアリングの車に乗ってドライブに出た。ノープランだったので、ここでは往復4時間も運転することになった。
1匹目は大内宿で見かけたキジ白。職場の課会旅行で一度だけ来たことがあり、その記憶を頼りに28年ぶりに訪れた。あらかじめここが予定地になっていれば、東北新幹線ではなく、浅草から会津田島行きの東武特急に乗ったはずだが、思いがけず山越えを伴うドライブになって妻は喜んでいた。
大内宿から蟬峠や鳳坂峠を越えて郡山に戻り、再び新幹線に乗って目指したのは隣駅の福島。駅から20kmほど離れた山間の温泉宿がこの日の宿泊地だ。夕立の雷鳴轟く中、離合困難な狭隘路を運転して標高900mほどの宿にたどり着くと、下界よりだいぶ涼しくなっていて、ほっとして帳場を覗くと猫が出迎えてくれた。
俺は湯船に長時間浸かるということができない性格で、妻よりだいぶ早くに部屋に戻ってコーヒー牛乳を飲んでいると、先ほどの白が遊びに来た。
俺たちは客のつもりで泊まっているが、この子にとっては自分の縄張りであり遊び場だ。どこからか迷い込んだ羽虫と戯れ、それにも飽きると布団の中にまで入ってきて、腕の中で丸くなった。東京で留守を預かるサチコやマコちゃんが脳裏をよぎって、何となく後ろめたい気分だったが、せっかくなので思う存分堪能させてもらった。動画はこちら。
俺と妻と川の字になって寝ていた白は、目覚めから上機嫌。いい天気だから外行くかー。
昨夜も何度か撫でたり構ったりしていたんだが、闇夜の黒は撮影が難しかった。日差しが強すぎるのもまた難しいんだけれども。
紫外線を気にしてか、白は日なたに出ようとせず、しばらくすると建物に戻っていった。俺も部屋に戻ろうかな。
「もう1匹、キジ白がいるんだけど、とても臆病だから厨房から出てこないの」
逆にこの子はとても淋しがり屋。この宿は冬季休業で、春になって宿の人がここへ移り住むと、あとを追って、麓の実家から10kmほどの道のりを歩いて登ってくるそうだ。
一通り遊んだあと、サービス時間外となった猫たちは、気だるそうにお昼寝の態勢に入った(動画はこちら)。