昨日の午後から土浦へ出かけて1泊してきた。
「この世界の片隅に」を劇場で鑑賞したいと思いながら、なかなか腰が上がらず、もたもたしているうちにテレビで実写版が放送されるに至って、ようやくケツに火がついたのが今回の遠出の理由。ロングラン上映を続けているとはいえ、公開されたのは2年近くも前のことで、先月中旬までは土浦の1館が関東圏で唯一の上映館だった。7月下旬以降、学校が夏休みに入ったことで、東京都内でも再上映されているが、そうなるとむしろ混雑が予想されるので、今さら混み合うこともなさそうな土浦の映画館へ赴くことにしたのだった。もちろん行くからには現地の猫たちに挨拶する必要があり、朝早くにそれを行うには現地で1泊しなければならなかった。
昨日は豊田から東京を経由して上野東京ライン(東海道線〜常磐線直通)の特別快速に乗り、土浦駅に降り立ったのは、出発から2時間あまり経った16:07だった。天気予報を見て雨を覚悟していたが、幸いなことに雲が薄くて明るい夕方で、日が暮れるまで猫を探す余裕はありそうだった。北関東には前線がかかっており、滞在中の雨は避けられないはずで、猫を探すなら早く済ませなければならない。iPhoneで地図を開き、路地の目の細かい方へ向けて歩いていくと、案の定そこは旧市街地と思しき寂れた飲み屋街で、草むした空き地や駐車場に混じって、ぽつぽつと飲食店が並んでいた。猫はそうした空き地の隅に佇んでいた。
腰を下ろしてこちらの出方を窺っている。試しに近寄ってみたら、3m以下は逃げちゃう子だった。
近寄れないキジ白を諦めて歩き始めると、建物の陰にもう1匹。これは幸先のいいスタートだね。
キジ白と同じ家の子だと思うんだが、黒白の方がダントツに人懐っこい。いい子だねー。
ほかの多くの地方都市と同様、土浦も駅前の空洞化が進んでいるらしく、店の多くはシャッターが閉じられ、廃虚化した建物も多い。週末の夜にでもなれば多少は賑わうのだろうが、月曜日の夕方にその光景は想像しにくい。北海道のような土地ならまだしも、東京から1時間来るだけでこうなっちゃうのかと、暗澹たる気持ちで歩いていると、行く手の道端に茶色い物体が見えてきた。
尻尾ぴーんは親愛の合図ではなく、単なるマーキング。刺激しちゃったかな。
雨雲が近づいているらしく、急に暗くなってきた。雨具など持ってきていないので、そろそろ今夜の宿へ向かおうと歩き始めると、横丁で寝ているのを発見。
横丁の突き当たりにも黒がいた。この街は割とカラーバリエーションが豊富だな。
そんな俺たちの様子を眺めるキジトラ。暗くて撮影が困難になってきたので、この日はここで終わりにした。
一夜明けた今日は台風13号の影響で風が強く、雨も混じっていたので、猫探しの散歩は1時間も経たずに断念。カメラに収まったのは2匹だった。
映画を観終えたのは正午過ぎ。明日は日勤なので、用が済んだら速やかに帰らなければならない。土浦最後の猫はキジ渦模様の若い猫だった。