拝島から都心に通勤していたころ、あるいは都心方面へ猫散歩に出かける時は、たびたび青梅ライナーのお世話になった。乗車券や定期券のほかに、500円(グリーン車は700円)のライナー券が必要だったが、着席が保証されていることや、特急用車両で乗り心地がいいこともあり、通勤では往復とも青梅ライナーに乗ることさえあった。今年3月のダイヤ改正で列車種別が変わって特急「おうめ」になり、大幅値上げしたのはJR東日本らしいえげつないやり方だが、俺自身はすでに京王線沿線住民なので利用することはない。
その京王電鉄には去年2月22日にデビューしたばかりの京王ライナーがある。こちらは転換機構付きの座席により、通常時は向かい合わせのロングシートで走行し、ライナー運用時は90°回転して二人がけシートになる。料金は400円でJRよりだいぶ安いが、そもそも京王電鉄は路線長が短く、始発駅の京王八王子や橋本から新宿まで乗り通しても40分ほどで着いてしまう。ましてや分倍河原や府中に止める必要があるのかと疑問に思っていたが、今朝、京王線猫行脚のため分倍河原で電車を待っていると、ちょうど到着した京王ライナーに乗り込む人が意外に多い。朝の京王線は新宿が近づくにつれて電車が詰まって進まなくなるので、立っているのが辛いのかも知れない。
俺が乗ったのは京王ライナーの2本あとにやって来た準特急。途中、笹塚で乗り換えて、散歩スタート地点の幡ヶ谷に着いたのは29分後の6:56。これぐらいなら別に立っていたって平気じゃんと思ったりもするが、通勤で乗らないからそういう呑気なことが言えるのだろう。
曇り空の下の1匹目は就寝中。
立ち入りを阻むロープの外からプスプス言って呼ぶと、少しだけ顔をもたげて、すぐにまた寝た。ちなみにこいつに会うのは恐らく3回目で、2013年10月が初めてだと思う。
今日の京王線猫行脚は幡ヶ谷〜笹塚の0.9km。もちろんまっすぐ向かうのではなく、あちこち寄り道しているので、すでに1km以上歩いている。行く手に無目的な佇まいの猫が1匹。
通学の小学生の群れを巧みに避けつつ、とある民家の猫にロックオン。2匹いるのが分かるかな。
地面の黒はいつの間にか逃走し、代わりにサバトラが睨んでいた。
お散歩中の茶トラ白は不審者(俺)に気づいて進路を変えた。そんな避けないでよー。
……塀の奥へ消えた茶トラ白を隣の路地で待っていると、なぜか上機嫌で出てきた。女心はよく分からん。
6.9km歩いて7匹の猫に会い、帰宅したのは10時前。きっとまだ紙幅に余裕があるだろうと思い、黒煙ちゃんの路地を覗いてみると、奥の方で2匹の猫が向かい合っていた。
この子は初めましてだね。首の鈴が黒煙ちゃんと色違いのようだから、同じ家の子なのかな。
黒煙ちゃんほど軽率には懐かない三毛。なお、近所の奧さんによると、黒煙ちゃんの本名は「みーちゃん」だそうだが、みーちゃんという知り合いは猫にも人間にもたくさんいて紛らわしいので、このまま仮の名前で呼ぶことにする。