昨日と今日は勤務シフト上の休暇だったが、今日は天気が崩れると聞いていたので、一歩も外へ出ずに大部分の時間を年末調整の書類作成に費やした。気温の高い状態が続いていて、八王子アメダスでは今日も25.1℃の夏日を記録した。午後からは雨も降るような不安定な天気で、出かけなかったのはそれらが理由でもある。朝から昼にかけて歩き回る散歩は寒暖差が激しく、寒かったり暑かったりして風邪の原因になるからだ。
今日紹介するのは猫温泉の最終回(前回の記事はこちら)。一昨年の夏から恒例化している夫婦旅だが、今年はコロナ禍のため7月中の旅行は断念し、第2波が落ち着いたころを見計らって10月下旬に行くことになった。ちょうど紅葉の終わりを迎えるころで景色は良かったが、日没後はかなり冷え込むため、猫温泉の特徴でもある33℃という泉温のお湯に浸かるのはやや辛い。ただし浸かり方のコツさえ掴めばクセになる心地よさで、2日目(先月29日)は最低気温2℃という寒い朝だったにもかかわらず、ぴーちゃんを布団に残したまま長湯してしまった。
コロナに影響を受けたのは旅行の時期だけでなく、旅客の減少に伴う鉄道会社のダイヤ改正により、帰路の出発時刻が1時間近く前倒しになり、旅程に余裕がなくなったことも大きい。黒猫ぴーちゃんとめくるめく一夜を過ごし、せっかく親睦を深められたのに、8時半には宿を出発しなければならなかった。
来年は旅程を大幅に見直して、猫温泉の滞在時間を最大限確保することを誓って山を下り、会津若松にたどり着いたのは11時すぎ。去年も訪れた猫拠点で猫たちと戯れるうち、列車の発車時刻まで40分を残すのみとなっていた。これはヤバいと焦りつつも、次々に新たな猫が現れるので、なかなかその場を離れられない。
三毛も若く見えるけど、去年7月にも会っているわけだから、2〜3歳にはなっているはず。
去年、三毛に会ったのもこの路地奥だった(こちら)。このような場所で、猫の世代は紡がれて行くのだなあ。
感慨に耽っている場合じゃなかった。時間がないからもう行かなくちゃ。
君たちは無尽蔵だね。できればもう1泊して遊んでいきたいけど、うちにも帰りを待っているのが2匹いるんだよ。
若い猫たちに別れを告げ、その場を立ち去ったのは11:28。本当にぎりぎりの時間だった。
乗車前に駅弁を買いたかったが、さすがにそこまでの時間はなく、昼食は会津田島で特急「リバティ会津132号」に乗り換える6分間で調達した。できれば名物の「松茸二段弁当」を食べてみたかったがあいにく売り切れ。こちらも来年に持ち越しとなった。
13:02発のリバティにそのまま乗っていても浅草まで行けるが、この列車は二人掛けのリクライニングシートであり、妻の切望する個室車両は連結されていない。そもそも分倍河原へ帰るのに浅草なんぞに連れて行かれても困るわけで、たとえ費用は嵩んでも、鬼怒川温泉からはJR直通・新宿行きの特急「スペーシアきぬがわ6号」に乗らなければならない。
鬼怒川温泉では1時間の乗り換え時間があったので、駅の周囲を少しだけ歩いてみた。西日の差す草むらに何か潜んでいるね。
尋常ではない寂れ方の鬼怒川温泉で、猫なんか易々と見つからないだろうと思っていたが、そうでもないみたい。仲居さんが飼っているのかしら。
……しかし人懐っこくはない。カメラを向けたら逃げてしまった。
きれいな毛並み。長毛でこれだけきれいにしているということは、きっと住む家があって、面倒を見てくれる人もいるんだろうな。
鬼怒川温泉の駅裏には、観光ホテルの社員寮と思しきアパートがいくつもあったが、その多くが空き家でひっそりとしていた。あの業界で働く人は観光地から観光地へと渡り歩くケースが多く、寂れ切った鬼怒川温泉を見限って、他所へ流れるなどしたのだろう。もしかしたらこの子たちの中にも、そうした人たちに可愛がられた過去を持つ猫がいたかも知れない。ここ何年かは空港アクセスが改善され、インバウンド需要が増えるなどして再生の兆しが見えていただけに、返す返すも今回のウイルス禍を遺恨に思う。人間が働いて稼がないことには猫もやって行かれないのである。
新宿から京王線の特急に乗り換えて、帰宅したのは18時すぎ。ほかの猫と浮気してきたニンゲン二人は、後ろめたさのあまり、過大に二匹の頭を撫で回すのだった。