今日は最高気温22.2℃と暖かい一日で、我が家の2匹もほとんど丸くなって過ごしていた。老齢のサチコが寝てばかりいるのは珍しくないが、マコちゃんまでがそうしていたので、猫にとって心地よい温度だったのだろう。俺も夕方から歯医者に行った以外はどこへも出かけず、家のことを片付けながらゆっくり過ごした。
サチコはここのところ体重が減る一方で、9月2日に今年最高の3.82kgを記録したあとは、徐々に減らして、今朝量ったところでは3.54kgになっていた。尿比重値も下がり続けており、病院で指摘を受けた3月末に1.0280だった値が、今月1日には1.0128になっていた。そもそもサチコは人間換算で86歳という後期高齢者であり、今さら数字だけ見て一喜一憂するつもりはないが、家族が衰えていく姿を漫然と眺めているのはやはり辛い。俺の腎臓が使えるなら1個あげるのに、異種動物ではそれもできない。老齢の猫があまり動かなくなるのは、周囲の出来ごとに無関心になるからだけではなく、体のどこかが常にだるかったり痛かったりしているからではないかと思う。俺や妻と同じように、年とともに、そんな日が少しずつ少しずつ増えていくのである。
……まあそんなわけで、今日も散歩には行かなかったので、昨日に引き続き仕掛かりの写真を載せていくことにする。3回連載の奥多摩が終わったので、今日紹介するのは先月28日から1泊で出かけた福島県の猫温泉旅行。初回の記事では温泉へ向かう道すがら、白河市内で出会った猫たちと、宿に着いてから部屋に遊びに来た黒猫「ぴーちゃん」を紹介した。
湯治場でもあるこの温泉宿には部屋に鍵がなく、湯に浸かったり食事をしに外へ出る時は、猫が出入りできるよう引き戸を少しだけ開けておくのが常だ。夕食前に遊びに来たぴーちゃんは、部屋を留守にしているうちにどこかへ行ってしまい、この日はそれきり現れなかった。標高900mに位置する一軒宿の周囲は、その夜2℃近くまで気温が下がったようだ。引き戸の隙間から入る冷気で目が覚め、時計を見ると深夜2時。トイレに立って小窓から外を見ると雨が降っていた。道理で寒いわけだと思いながら布団に潜り込んで、再びまどろんでいると、どこからか猫の鳴き声が聞こえたような気がした。お腹の上に重い物体が乗っかっていることに気づき、次に目が覚めたのはまだ真っ暗な5時だった。
布団から手を出して身体を撫でると濡れていた。森の中をほっつき歩いてきたらしい。
めくるめく一夜が明けて、宿をあとにしたのは8時半すぎ。できればもう少し長居したかったが、帰路の会津若松から乗る列車に間に合うには、これでもぎりぎりだ。お代を払って若女将に挨拶していると、寝起き顔のごま作が現れた。去年はこいつが部屋に入り浸っていた。
遠くからそんな様子を眺めているのはトラまゆ。土壇場で残り2匹に会えたのは運が良かった。
高速に乗れ乗れとうるさいカーナビを無視して、安達太良越えの下道をのんびり走ること2時間。去年も訪れた会津若松の猫拠点にたどり着いたのは11時だった。12:00発の会津田島行きが出るまでの1時間で猫に会い、ガソリンを給油し、レンタカーを返却して、最後は駅で乗車券を買わなければならない。
もしもし、私は旅の者ですが、ちょっとだけ写真を撮らせてくださいな。
去年7月ぶりの三毛は冬毛でふっくらしている。会津は朝晩冷えるだろうからなあ。
対峙していたのは茶トラ白。知らない顔が割り込んできたので、きょとんとしている。
キジ白はとっとと逃走し、取り残された茶トラ白はやっぱりきょとんとしている。
去年会った子でいちばん印象に残っているのは、青い目のポイント三毛だが、運転中の車からちらっと見えたものの、車を止めて歩いて来てみると見当たらない。ポイントさんやーいと言いながらその辺を探し回っていると、広い駐車場の向こうで日なたぼっこしている猫を見つけた。
恐らくポイントさんの知り合いだろうが、これ以上近寄ったら逃げてしまいそう。一旦引いて、先ほどの場所で出てくるのを待ってみることにした。続きは後日。