二連休初日の今日は朝から歯医者で抜歯。あれはなかなか身体にストレスが加わる作業なので、大事を取って散歩はお休みした。下顎の左6番という奥まった場所で、歯が真っ二つに割れていたことから、抜歯は難渋するのではないかと覚悟していたが、実際のところ、鉗子でぐりぐりしていたのは1分かそこらで、施術中も施術後もほとんど痛みを感じなかった。必要にして最浅という麻酔の極意を見せつけられたような施術だった。
こんなに楽な治療なら散歩に行っても良かったが、結果的には溜まっている猫写真を片付けるいい機会になった。今日は先月21日に訪れた奥多摩猫集落で会った猫たちの出番ということで、まずは今春生まれたと思われる子猫を紹介していく(前回の記事はこちら)。
猫集落にはもともと二つの猫集団が存在し、俺はそれらを区別して、標高の低い方を「下の縄張り」、標高の高い方を「上の縄張り」と呼んでいる。現在、下の縄張りからは猫がいなくなり、今回見かけたのはどれも上の所属だが、恐らく茶トラ白は下の血筋を引いているはずだ。というのも、俺の知る限り、もともと上の縄張りには茶系猫(優性のO遺伝子)が存在しなかったからだ。
手前の黒白はさっきまで屋根の上にいた子。奥の黒は気が弱く、宥めてもすかしても近寄ってこない。
こっちの黒は人懐っこくて凶暴な方。いつも後ろの黒白と一緒なので、きっと兄弟なんだろうな。
お母さんも若そう。初めて見る子なので、ここ1年以内に生まれたのかも知れない。
念のため下の縄張りも覗いてみると、古参の黒白が1匹でちょこなんとしていた。ここの猫たちがいなくなって、上から出張ってくるようになったのかな。
ぼろぼろになった耳朶が積年の苦労を感じさせる。俺の記憶が正しければ、こいつはまだ7歳で、この集落にそれより年上の猫は存在しない。
こいつがまだ若手だったころ、下の縄張りにはたくさんの猫が暮らしていた。今はあの時の賑わいが嘘のようにひっそりとしている。
再び上の段へ戻ると、先ほどの茶トラ白が欄干の上で周囲を見張っていた。
ここは危険な野生動物がたくさんいるから、気をつけなければいけないよ。
黒ちゃん(凶暴)と仲がいいのね。たぶんこの子の母親は、ここでいつも見かける三毛じゃないのかな。あの子多産だし、そもそも黒白の母から茶トラ白は生まれないし。
猫集落には40分ほどの滞在だった。近いうちにまた来るから、ほかの猫たちにもよろしく伝えておいてね。
氷川に戻ったのは11時。帰る前に駅の周囲をもう一回りしていると、傾斜地の小さな墓地で2匹の猫がランデヴーしていた。手前は朝も会った三日月君。
氷川をあとにしてハンドルを握り、青梅駅に到着したのは正午を少し過ぎたころ。途中、御岳の山腹トリオの許を訪ねてみたが、今回も馴染のキジ白は出てこなかった。
帰宅したのは13時半すぎ。黒煙邸の路地では柿がたわわに実っていた。
黒煙ちゃんだけと思っていたら、傍らに相方の三毛もいた。ひっそりとしているから気づかなかったよ……。
しゃんとした三毛ちゃんとは対照的に、無警戒な黒煙ちゃんは徐々に崩れていく。同じ家に住む女の子だけど性格はだいぶ違う。
三度に渡って掲載した奥多摩散歩はこれでおしまい。明日も仕掛かり写真を載せる予定。