今日の散歩は西国立から柴崎体育館までの5.3km。久しぶりにゆっくり邸を覗いたら庭先に主人が出ていて、猫談義のついでに界隈の近況を教えてくれた。
それによると最近、立川ではタヌキやアライグマ、ハクビシンといった小型野生動物が増えていて、人目につく場所にも頻繁に出没するのだそうだ。不思議なのは、それらの動物たちがゆっくり邸から見て北側、つまり立川駅周辺の繁華街からやって来ることで、南側なら根川流域の緑地帯があるので、野生動物が暮らしていても不自然ではないが、北側にはまとまった木立や水場がないので、普段どこに潜んでいるのか見当がつかないと言っていた。
猫好きな主人が特に懸念していたのは、アライグマの凶暴性とハクビシンの運動能力で、どちらも子猫や若い猫は簡単に食い殺すし、つい最近などは、近所の床屋(かつて三毛婆さんが暮らしていた家)の2階バルコニーでハクビシンが寝ていたそうだ。床屋に出入りしている猫は幸い無事だったようだが、いったいどうやって入ったのかと、床屋の主人も首を捻っていたそうだ。彼らにしてみれば、南側の森で不確実な狩りに頼って暮らすよりも、北側の繁華街から出る生ゴミを漁った方が効率的かつ高カロリーであろうから、もしかしたら南のねぐらから北の繁華街へ毎日通勤しているのかも知れない。
そんなわけで西国立を出発したのは正午すぎ。今日も好天で日差しが良かったせいか、大方の猫はお昼寝中と見えて、最初の1匹に遭遇するまで20分ほど歩かなければならなかった。
路地の向こうで嗅ぎ回っているのは、顔見知りの黒白。このまま近寄れたりなんかしたら、嬉しいんだけれどな。
昼下がりのクーちゃんはトドの風体。投げ出した後ろ足が尻尾みたい。
一方、こちらの黒はいくら呼んでも反応なし(ご尊顔)。ここはゆっくり邸の真向かいに建つ猫民家。
正確に言えば、猫民家だった建物。今はすでに廃屋となって解体を待っている。
ゆっくり邸の主人が家の中から連れてきてくれた、もう1匹の黒。久しぶりに外の空気に触れて、感触を確かめている表情。
この子は目が見えない。2017年春に会った時は視力があったが、その後、高血圧性の網膜症により失明した。とはいえ明るさの判別はできるらしく、こうしてまっすぐ日差しの方を向いている。
こいつも古くからの常駐猫。2012年春には会っているはずだが、真っ黒なだけに断定はできない。
今日はこれから我が家の2匹のカリカリ代を稼ぎに行かなくちゃならないんだ。盲の黒さんもお元気で。指の匂いを覚えておいてね。
ゆっくり邸を辞去して、さらに歩くこと15分。民家の隙間に猫が挟まっていた。
最後の猫はなぜか日差しを避けて、奥まったところにちんまりしていた。
せっかくの小春日和なのにと思ったら、ゴージャスさんだったのね。それじゃ日なたは暑いかも。