10年に一度の寒気が来るといっても2018年1月にはそれに匹敵する日があって、八王子アメダスでは氷点下8.7℃まで下がって観測史上最低の氷点下8.8℃に迫った。25~26日に予想されている氷点下6℃というのも俺にとっては(というか多摩住民にとっては)やや冷え込みが強い程度に過ぎず、曇っていたり風があるなら無理かも知れないが、快晴で放射冷却が進んだ結果の冷え込みなら散歩に支障はない。ただ長時間に渡る散歩が体を蝕むことは確かで、気をつけないと著しく寿命を縮めることになる。もともと砂漠出身の猫たちも昼は酷暑、夜は氷点下の寒さの中で暮らしていたはずで、幼年や高齢の猫は耐え切れずに命を落とす個体が多かっただろう。猫が多産なのはそうした過酷な環境で進化してきたからなのかも知れない。
今朝は散歩をお休みしたので、一昨日の熱海散歩の続きを紹介していく。バスで登った山の中腹から散歩をスタートし、民家の隙間で幼い猫グループを発見したところまでが前回の記事。立ち入っていいのか悪いのか判断がつかず、やむなく隣の路地へ回り込んでみると案の定、若いキジ白がアパートの敷地で寛いでいた。
しかし、近寄る素振りを見せたらこの反応。若いだけに身軽だな。
フェンスの向こうが安全だと分かっている顔つき。頭もいいんだな。
可愛らしく小首をかしげるキジ白。さっき隣の路地で見た子たちといい、ここはずいぶんキジ白が多いんだな。
民家の隙間を反対側から覗いた図。ここはキジ白の巣窟だったのか!
「君にとっていちばん馴染深い毛色でしょ? 堪能していってね」
臆病なキジ白たちの大半は奥に留まるか逃げるかのどちらかで、長毛のように近寄ってくるのは少数派。親睦を深めるまでには至らず、15分ほど滞在したあと再び海辺の街へ向けて下り坂を歩き始めた。
この日俺が歩いた範囲で言うと、熱海の街は全体的に猫の気配が濃厚だったが、週末だったこともあって市街地や海辺の繁華街は人や車の往来が多く、猫たちは見えないところに隠れているようだった。もっと日の出の早い時期に来れば、これらのエリアの猫にも会えると思うが、始発のスジで新幹線に乗っても到着は7時すぎであり、それより早く散歩したければ前泊するほかない。となるとほかにもたくさんの候補地が控えているわけで、畢竟、熱海の優先順位はそれより低いものになってしまう。
……そういうわけでキジ白の巣窟のあとは中弛みとなり、次の猫に遭遇したのは1時間後の10:45。煙突から湯煙の立つ路地に小柄な猫が現れた。
今度のキジ白は細身で大きな耳が特徴。南方の血が流れているのかしら。
通過する前にアップを1枚。首の下にの札には「ちゃみ」という名前が書かれていた。ちゃみちゃんありがとねー。
この日の散歩は2回に分けて行うことにしていて、前半の1回目は6.1km歩いて11時すぎに熱海駅へ到着。ここでご飯を食べておくべきか否かなどと考えながら飲食店を物色していると、擁壁の高みからこちらを見つめる視線に気づいた。こんなところにも猫がいるんだねえ。
これは立派なキジ白。うちのサチコやマコちゃんよりも大きいね。
次の目的地へ向かうバスは30~60分毎の運転で、次の発車は5分後。ご飯は先になってしまうが、熱海へ来たからには猫に会うことはもちろん、一昨年7月の災害現場も見ておきたいのでもう少し頑張ることにした。熱海猫散歩の最終回は伊豆山地区から。