昨日は朝から熱海で猫を探し回ってきたが、想像していた以上の急傾斜地で疲労困憊となり、帰宅後は20時前に床に就いて12時間ほど気絶していた。もともと散歩地は千葉県の旭や銚子が第一候補で、雪が積もっているなら会津や水上なども視野にあったが、今回に限ってはどこも条件に合わなかった。とりわけ銚子はいつもたくさんの猫に会えるし、街の印象もいいのでできれば行きたかったが、昨日は最大瞬間風速15.6m/s(しかもほぼ北風)だったというから、やはり延期して良かった。ひたちなか散歩の二の舞になるところだった。
熱海を選んだのは在来線で日帰りが可能なぎりぎりの場所だからでもあって、特に冬場の今はスタートが9時ぐらいでも構わないので、南武線〜東海道線を経由して全区間普通列車を利用した。これが夏場となると9時スタートではすでに暑くてキツく、新横浜から新幹線に乗れば7時すぎに到着できるものの、たぶんそのような季節に熱海へは行かない。初めて歩く街だったが、すべてのエリアが急坂で構成されており、夏場はとても無理ということがよく分かった。
そうした事情からこの日は正直に熱海駅からスタートするのではなく、バスに20分ほど揺られて山腹の住宅街へ移動し、海辺の街へ向けて坂を下りるという方法を取った。体力を温存するためにこの方法は正解だったと思うが、地形というのはそんなに単純なものではないし、猫を探して路地を行ったり来たりするので、完全に上り坂から逃れることはできない。1匹目を発見したのはスタートから5分後だったが、そこへ近寄るにもいちいち急坂を下りて、写真を撮り終えたら再び上らなければならないのだった。
太平洋に突き出た銚子と違い、伊豆半島や房総半島が風を遮ってくれる熱海は予想外に穏やかで暖かい。残念だったのは雲の多さで、常に薄雲が太陽にかかっているせいで、写真がきれいに写らない。
最近あまり見なくなった木製の窓桟と手すり。猫には格好の爪研ぎだね。
引いた写真を撮ろうとして下がったらもう1匹いたでござる。あの家の飼い猫かな。
顔つきとは裏腹に人懐っこい子。差し出した指をひと嗅ぎすると、忙しそうに坂を駆け下りていった。
古くから開発されている保養地だからなのか、熱海市内の住宅の多くは旧法準拠で建てられており、建て替えることもできないまま老朽化しているものが多いようだ。他所者が立ち入るのはためらわれるような赤道的路地も多いが、えてして猫というのはそういう場所にたむろしていたりする。
突入したいのは山々だけど怒られては敵わないので、ぐるっと回って1本向こうの路地からアプローチしてみることにした。この作戦が奏功するかは次回明らかに!