4月から7ヶ月半かけて歩いてきた南武線猫行脚は、ついに最後の一駅となる西国立~立川に到達した。駅間距離はたった1.2kmで、電車なら1分ほどで着いてしまう距離だが、その周辺に夥しい数の猫が生息していることを俺は知っている。立川勤務時代の2011年6月に猫散歩を始めてから最も濃密に歩いた場所であり、2012年12月に転職したあとも、古い顔見知りに会いにたびたび訪れているからだ。
そんな区間なので今日は時間をかけて、なるべく多くの知り合い猫に会うつもりで歩いてみた。結果的にはとても会いたかった七三ファミリのーの母や爺さん、国立の外れに住む二等兵など不在なのもいたが、数的にはとてもたくさんの猫に会うことができた。最終回ということで、今日と明日の二回連載で紹介していく。
家を出たのは8時すぎ。昨日は麦わら1号と鉢合わせになって逃げられたので、今日は慎重に路地を覗くと、道路予定地に面した庇の上でシャム混1号が日に当たっていた。
ここにいる時に近寄ると、たいていこうなる。シャム混1号はとてもあまのじゃく。
立川から南武線の電車に乗って、やっとここまで来たなーと思いながら車窓を眺めていると、塀の向こうに生首を見つけた。西国立に着いたあと、怒りんぼさんの路地から回る予定だったのを急遽変更して、小走りで行ってみると、すでに塀の上に乗っかっていた。
初めてこいつに会ってからしばらくは、このミルクコーヒー的毛色をどう分類すればいいか分からず、シナモンとかフォーンとか色々悩んだものだった。今はクリームティックドタビーということで、一応結論づけている。
シナモン君のあと、当初の予定通り怒りんぼさんの路地に行ってみたが、細い路地に日が差すにはまだだいぶ早く、猫の気配はまったくなし。数分待ってみたものの誰も出てこないので、諦めて歩き始めると、お饅頭的に日に当たっているのを見つけた。
とある公園に佇むキジ白。今日も天気が良くて、とてもコントラストが高い。
こういう時は順光より逆光の方がきれいに撮れるし、あとの処理も楽だったりする。
白に逃げられ、手持ち無沙汰になってその辺を見回していると、遠くの庇の上に1匹発見。
これはアビシニアンのルディと呼ばれている毛色だね。ブラウンティックドタビー(キジ霜降り)と同じ遺伝子型らしいけど、ルディはそれよりだいぶ赤茶けている。ほかにも関与している遺伝子があるんだろうな。
外猫でルディを見るのは珍しいので、ちゃんと撮れたか確認しながら歩いていると、すぐに次の猫が視界に入ってきた。
相変わらず吊り目だね。2月末に会ったきりだったけど、元気そうで何より。
格子状の塀の上で眩しそうにしていたのは青い目の白。目を閉じてるから分かんないけど。
散歩開始から1時間が経過して、とある駐車場に差しかかると、日なたぼっこ中の猫の集団に遭遇した。立川勤務時代はたまに猫を見かけた場所だけど、集団で見るのは初めてだな。
「ここはとても居心地のいい場所でな。可愛い女の子もたくさん集まっておる」
泰然とするサビに対して黒はヘタレ。一歩前に出たら車の下に隠れてしまった。
駅間距離1.2kmのところ、4kmほど歩いた地点で今日はおしまい。このあと国立の二等兵の家に行ってみたので、明日はそこから載せる予定。