昨日の散歩は雨に遭遇して不完全燃焼だったが、そのお陰で気温は25℃程度までぐっと下がり、人心地ついた一日だった。今日もせめて午前中ぐらいまではそれを維持して欲しかったが、真夏の照りつける太陽は容赦なく、あっという間に元に戻って35.3℃を記録した。こうなってくるといよいよ散歩コースが枯渇して、確実性の高い限られた猫拠点に頼らざるを得なくなってくる。3連続夜勤の明けということもあって体力も残っておらず、いつもの猫峠から少しだけ歩くことにして唐木田から電車に乗った。
定番のアングルになりつつある急坂にたどり着き、車の下で伸びる猫が視界に入ってきたのは11時をだいぶ過ぎたころ。
複数の猫が見えるね。気象条件にかかわらずいてくれるのは本当にありがたい。
敷地と道路の境目に茶トラ白。昨日の涼しさは束の間の出来事だったなあ。
貴重な日陰のコンクリートは涼を求める猫たちで混み合っている。
猫というのは涼しい場所を見つけることに長けていて、我が家の2匹もこの季節はフローリングの台所や廊下で伸びていることが多い。外の猫がアスファルトよりもコンクリートを好むのは、後者の方が熱伝導性が高い(猫の体温がコンクリートに移動しやすい)性質を持っているからで、コンクリートよりも熱伝導性の高いマンホールの蓋などがあればそちらを選ぶ。もし猫が暑さにやられるのが心配なら、そういうものをそばに置いてやれば放熱の役に立つはずなので、どんな素材が効果的なのか考えてみた。ちなみに猫自体の熱伝導率はよく分からないが、猫の体の約70%は水分だそうなので、水と同じ0.6(単位:W/m·K)と見なすと、アスファルトの0.7というのはいかにも効率が悪い。熱は高い方から低い方へ移動する性質があり、両者が同じ温度になったところで移動が止まるが、熱伝導性の低い物質が相手だとそうなるまでにかなり時間がかかる。その点コンクリートは1.6なのでだいぶマシだ。
熱伝導性が際立って高い物質は金属で、中でも銅(370)やアルミニウム(210)はコンピュータのヒートシンクにも使われているほどだが、猫の体温を充分に下げられるような体積となるとかなり値が張る。室内の猫がフローリングを好むことから木材が適しているようにも思えるが、実はそうではなく0.1〜0.2程度と猫自体よりもかなり低い。なのになぜ室内の猫がフローリングの床で伸びるかというと、クッションやカーペット(0.05〜0.08)よりはいくらかマシだからだ。行ける環境なら玄関の三和土や風呂場のタイルの方がだいぶ涼しい。
外猫が涼を取れて、入手性や価格が適正で、そこにあって不自然ではないものとなると、いちばんいいのは石だと思う。中でも花崗岩は熱伝導率が2.2と高く猫も喜ぶはずだ。
子猫たちはあれきり見ないので、みんな里子に出されたのかも知れない。ひとときの喧騒が過ぎ去って縄張りが落ち着いた感じ?
君も知り合った時はだいぶ若かったけどね。ほかの2匹はどこかで元気にしているのかな。
峠を越えて下界へ向かっていると、日陰で休む2匹の猫を発見。普段は逆向きに歩くことが多く、俺の猫散歩コースでも屈指の急登だ。
黒は持ち堪えている。それなら寝ている方から先に撮っちゃおうかな。
灰白の勢いに驚いて黒も風前の灯。猫って連鎖反応を起こしやすいよな……。
灰白には見覚えがあって、帰宅してから調べたら一昨年のクリスマス・イブにも会っていた。元気そうで何より。
しかし再会の喜びも束の間、警戒心が強く、これ以上少しでも近寄るとフェンスの向こうへ隠れてしまう。何度か繰り返したがこれが限界だった。
暑い割には猫に会えたのでもう少し頑張っても良かったが、猫峠で猫を見つけてしゃがんだ時にスラックスの縫い目が裂けてしまい、内股があらわになるという事象が発生したため、諦めて帰ることにした。コンビニで買ったホッチキスで仮止めしてみたが、汗をかいているので布地が肌に張り付きやすく、少しでも屈むと簡単に開いてしまう。過去にも同じことを二度起こしていて、しゃがむ時は気をつけていたつもりだったが、猫を見つけると有頂天になって忘れてしまうんだよなあ。最後に見つけた2匹がしゃがまなくても撮れる位置にいてくれたのは助かった。