以前はYouTubeで猫動画を見ることはほとんどなかったが、最近は高齢猫との接し方を知りたくてたまに見る。YouTubeというのは特定のジャンルの動画を続けて見ていると、ホーム画面がその分野で埋め尽くされる傾向があり、今や猫のプレビュー画面がかなりの割合を占めるようになった。
猫動画の中でよく見るのは動物病院の診察の様子を収めた映像で、様々な動物に手厚く接していることに感心する一方、猫という動物の強力さを改めて思い知らされている。本気で嫌がる猫を診察するのは並大抵のことではなく、多くの場合、肘までカバーする専用の革手袋や毛布で武装した大人が2〜3人がかりで対応している。引っかかれて出血する程度のことは日常茶飯事で、時には噛みつかれたり、診察台から取り逃がして診察室を目茶苦茶にされたりもする。猫と同等の体長でこれほど強力な動物がほかにいるだろうか。人間が猫をペットとして扱えるのは体が小さいからにほかならず、でかいことで知られるノルウェージャンフォレストキャットなど、機嫌の悪い時は命がけで接することになるのではないだろうか。
ここのところの寒暖差で体調が良くなく、今日の夜勤明けの散歩はお休みするつもりだったが、どうせ近くを通るならと少しだけのつもりで猫ヶ丘に寄り道した。久しぶりにウーちゃんに会えることを期待していたが、舌がつるほど鳴らしても出てくる気配はなく、諦めて先へ進むと民家の敷地に別の三毛がいた。
警戒心が強く、一度は庭の奥へ逃げられたが、数分後に戻ったら塀の上に乗っていた。
猫ヶ丘にはキジ系の猫が少ない。これだけ頻繁に訪れているにもかかわらず、野生型のキジトラを見るのは去年の12月以来だし、その前となると2020年1月に遡る。猫ヶ丘に限らず、閉ざされたエリアで自然繁殖を繰り返すと茶系が優勢になっていくように思う。
……ということで、次の猫は見返りのクリーム。茶色の希釈色だね。
以前も書いたことだが、耳の切り欠きを信じるなら猫ヶ丘の猫は茶系のメス率が著しく高い。この場合、交配相手がどんな毛色(白を除く)であっても、生まれてくる子がオスならすべて茶系、メスなら茶系か二毛・三毛なので、茶色という毛色が生存に不利でない限り増えていくことになる。
このご時世、フィールドで自然交配を観察するのは難しいだろうけど、コンピュータシミュレーションで計算することはできそう。鍵になるのは季節ごとの色彩と毛色の関係や、優性O遺伝子がもたらす毛色以外の形質だろうか(ただしO遺伝子はまだ同定されていないはず)。
マコちゃんは三毛の母親から生まれた(こちら)。4匹いた子供のうち3匹がマコちゃんと同じ茶渦白。
サチコは日差しで体を暖めている。寒暖差で体調を崩しがちな時は猫の挙動を参考にするといいかも知れない。