YouTubeか何かでミモザの花が咲き乱れている映像を見て、そういえばもうそんな時期なのかと去年の台湾猫旅を思い出した。あの時は3月19日〜24日という旅行期間がちょうど花の盛りに被ってしまい、帰国したころには大方散っていてがっかりした思い出がある。この時期になると決まって訪ねる中野島のミモザ邸、きっと今ごろ庭先が真っ黄色になっているに違いないと思い、今日の猫探しはシェアサイクルで登戸〜京王稲田堤の8.2kmを走った。
しかし今日は昨日にも増して北風が強く、最大瞬間風速14.4m/sと容赦なかった。電動アシストなので漕ぐこと自体は苦ではないが、風に逆らって走るとあっという間に体温が奪われる。猫も昨日のようには見つけられず、ミモザ邸へ至る前にヘタレて帰宅しようとしたものの、返却できるステーションが近くになかったため、結局予定通り京王稲田堤まで走ることになってしまった。寒くて死ぬかと思った。
1匹目はお昼寝中。あの屋根で猫を見るのは久しぶり。
先に同じ路地に住む美人三毛を探してみたものの見当たらず、諦めて元の場所へ戻ると屋根の縁に座っていた。
しばらくあの子に会えていないから、君からよろしく伝えておいて。
にゃーんと呼ぶ声が聞こえて足元を見ると、馴染の茶トラ白がちょこなんと座っていた。
呼ぶとついてくる。この辺りでは「ふてにゃん」と呼ばれている子。
西の祠に差しかかったところで地面を嗅ぎ回る黒に遭遇。
人懐っこそうな素振りは見せるけど、突風が吹くたびに驚いて隠れてしまう。今日は日が悪かった……。
肝腎のミモザ邸では猫に会えなかったどころではなく、楽しみにしていたミモザの木が立ち枯れていて葉っぱ一つ残っていなかった。あれほど大きな樹木を数ヶ月で完全に枯らすとなると、意図的にそうした可能性が高いと思うが、なぜそんなことになったのかが想像できない。邪魔になったという理由なら切り倒す選択肢があるわけで、大きくなりすぎたことで近隣トラブルに発展したのかも知れない。植物が死んだことでこれほどがっかりするのは初めての経験だった。