このブログを始めてから4度目の閏日を迎えた。何か特別なことがあるわけではないが、オリンピックで数えれば今年が4回目になるわけで、ずいぶん長いこと続けているなーと改めて実感する。もともと昭島や立川といった「平らな街」を中心に歩いていたので、まさか今のような丘陵地へ通勤して、坂道ばかり散歩することになるとは思っていなかった。もし最初から多摩センター勤務だったら、仕事の合間に猫を探すという発想にはならなかったかも知れない。これは地形が険しくてかったるいという理由だけでなく、猫たちの持つ歴史的背景の違いもあって、例えば立川時代にお世話になったキジ白2号やJTKといった古馴染が住んでいたのはかつての赤線で、恐らく彼らはそこで働く娼婦に飼われていた猫たちの末裔だ。立川に限らず、歓楽街や温泉街といった流れ者の居つく場所には猫も多い傾向があり、寄る辺ない人々の心を猫たちが癒していたのだろうと想像している。一方、多摩ニュータウンで暮らす外猫の多くは捨て猫なので、人と共生してきた背景を感じにくく、哀れという以外に感想の持ちようがない。猫散歩のとっかかりに立川や福生という街に巡り会えたことは良かったと思っている。
仕事帰りの散歩は久しぶりに小田急沿線の街をいくつか寄り道してみた。はるひ野のサバトラに会えたらいいなと思っていたがそれは叶わず、坂を上ってまだらファミリーの丘に立つと、階段の広い踊り場で茶トラ白が毛繕いをしているところだった。
12月上旬以来の折れ耳君。こうして近寄ってみると、君は西立川のトラ子さんに似ているね。
指挨拶もできた! 前回はかなり手前で逃げられたので、嬉しさもひとしお。
もう1匹いるはずの茶トラ白やまだらの鉢割れは不在のようだった。梨の花が咲くころにまた来てみる。
傾斜地の住宅街をプスプス言いながら歩いていると、耳聡い黒白がカーポートの奥から出てきた。
逃げ腰の黒白を何とか宥めてもう1枚。日の丸猫亡きあと、ここらでたまに見かける子。
この子は初めて見る顔。黒白の住む家に入っていったけど、折り合いが悪いらしく、シャーという声とともに飛び出してどこかへ走っていった。
今日は向ヶ丘遊園でも降りて少しだけ新規開拓してみた。坂道がキツいけど猫はいた。
ここはとあるお寺の境内。キジ白は突然現れた不審者を訝しんでいる。
どうやら俺は猫寺に迷い込んだようだ。俺が吉岡ハルならバロンに忠告される場面だけど、もうおっさんだからこのまま自分を見失ってもいいのだ。
目にした範囲では唯一首輪をつけていた子。近所の飼い猫が遊びに来ているのかな。
挙動がボスっぽいけどこいつがいちばんフレンドリー。指で挨拶できたし撫でることもできた。
ボス的キジトラのあとをついて境内の外へ。自分の縄張りだからかリラックスし切っておるな。
そして、そんな俺たちの様子はしっかり見られていた! 久しぶりに新規開拓したけど、こんなに会えるなんて滅多にないこと。一日遅れの誕生日プレゼントのようで嬉しいな。
まだ寒くて境内が殺風景だったけど、もう少し暖かくなれば野花も咲いて華やかになるだろう。また来るから俺のこと覚えていてね。