台湾で撮った写真の整理がやっと終わった。猫の数は前回より多いと思っていたが、意外に伸びず、カメラに収まったのを数えたら75匹だった(前回は83匹)。用意した写真は221枚(同199枚)で今回の方が多いが、1記事あたりの掲載数を増やせば、今回も8回で全部載せられると思う。
……そういうわけで、夜勤の今日は、昨日に続いて台湾猫散歩2日目を紹介する。四脚亭から1駅だけ電車に乗って、瑞芳に着いたのは14:18だった。2日目のこの日は平溪線の十分駅近くに投宿予定で、宿には18時ぐらいに着くと伝えてあるから時間はある。前回の台湾旅行では宿泊地の九份に向かうため、偏頭痛にやられてふらふらになって辿り着いたのが、やはりこの瑞芳駅だった。
このように、瑞芳は台湾東北部における観光の要衝になっているが、街の規模はそう大きくなく、瑞芳区の人口も41,000人にすぎない。駅前の繁華街を抜けると古びた住宅がしょぼしょぼと並び、基隆河を渡ればその先には何もない。都会すぎる台北や桃園と違い、猫を探すにはちょうど良い規模の街なので、駅の回りを少し歩いてみることにした。
前回は駅を出てから10秒で猫を見つけた。今回はどうかなと思って、覚えのある屋根の上を見てみると……、
しかも増えてるし! 前回会った子もいるし!
ここの子たちはみんな揃って茶渦白(レッドクラシックタビー白)。きっと家族なんだろうなあ。
異国の地で一度だけ会った猫に再会できるとは思わなかった。嬉しさのあまり、先ほどまでとは打って変わって、飛び跳ねるように散歩開始。駅前のメインストリートから外れると、途端に猫の気配が濃くなった。
仏具屋の店先に佇んでいたサビ猫。カメラを嫌がって逃げてしまった。
フロントガラスに映る空に青い色が増えてきた。台湾に来る前は、いつも天気が心配でやきもきするが、それは気象情報機関によって予報がバラバラで、まったく見当がつかないからだ。今回行って感じたことだが、台湾の天気は不安定で、一日の間にもころころ変わるので、予報しづらいというか、予報しようがないように思う。あえてするなら「曇りか雨、ところにより晴れ」とでも出しておけば、だいたいその通りになると思う。
うーん、毛繕いの様子を見ていると、何だかそんな気がしてきたよ……。
翌日が雨なのはどこの予報も一致していて、冬の台湾だから一日ぐらいは仕方がないと覚悟している。気を取り直して猫探しを再開すると、ほどなく2匹の背中を発見した。
2匹とも向き直ってこちらを見ている。お忙しいところ大変恐縮なんだけど、ちょっとだけ遊んでくれないかな。
「來、撫摸我(ほら、触っていいよ)」
路地の猫たちに相手にされず、彷徨う姿を哀れに思ったのか、キジトラが近寄ってきてすりすりしてくれた。人情の街・瑞芳の猫との出会いはもう少し続く。