先日の記事で少し触れた宮脇俊三の「台湾鉄路千公里」、Kindleに出ていたので読み直してみた。10代のころは旅情あふれる素朴な紀行文という印象だったが、50代にはやや平板で物足りない。商業出版における諸般の事情は理解できるが、それにしても、この本を当時の本省人が読んだら残念に思うのではないだろうか。終戦後何十年かぶりに会った日本人に北京語で挨拶された時、なぜ相手の台湾人は微妙な反応を示したのか。史学を専門にしていた宮脇さんなら気付いていないはずはないのに、謎かけのようにしたまま、その理由に触れずに終わるのは中途半端だ。
まあそれはそれとして、俺自身はいったいどれだけ台湾鉄路に乗ったのだろうと思い、調べてみたところ、未乗区間として残っているのは以下の通りであることが分かった。
環島路線は宜蘭線の一部(蘇澳~蘇澳新3.4km)、台中線の一部(竹南~新烏日75.9km)、縦貫線の一部(桃園~新竹49.0km)。支線は内灣線(新竹~内灣27.9km)、六家線(竹中~六家3.1km)、深澳線(瑞芳~八斗子4.7km)。そのほか、デルタ線の一辺であるところの成追線(成功~追分2.2km)が残っている。
とっくの昔に一周したような気になっていたが、西部地方の移動は高鉄を使うことが多く、思ったよりたくさん残っていた。これらの未乗区間を、猫を探しながらどう潰していくか、時刻表と睨めっこする日々が始まる。
今日の猫は福生の外れの猫マンションで見かけたのが1匹目。ここへ至るまで拝島の旧々居付近を30分以上歩き回ったが、1匹たりとも見かけず、仕方がないので駅の反対側へ回ってきた。
知らない仲ではないので、呼ぶと返事ぐらいはするんだが、撫でるまでには至らない子。
とある路地をふと見ると、ボンネットの上でお昼寝中の猫がいた。
あらま、クラシックタビーじゃないの。逃げないで毛並みを見せてー。
何とか踏みとどまってくれた。微妙にレッドが混じっているような気もするけど、まあキジ渦(ブラウンクラシックタビー)ということで。
猫マンションの裏手にモノクロ三兄弟のうち2匹を発見。この組み合わせは久しぶり。
でも極端に臆病なので、少しでも近寄る素振りを見せると、すぐにこうなる。昔は周囲が木立に囲まれていたのでやりやすかったが、今はおもちゃみたいな家が並び、衆人環視となってしまって深追いができない。
婆さんは正面から見るとゴージャスだな。暖かくして冬を乗り切ってくれ。