台風12号の接近に伴い、JRは昨日のうちから計画運休を発表していたようだ。最近は「災害の恐れあり」のレベルで事前に運休を決めることが当たり前になってきて、利用者もそれを受け入れているように見えるが、俺はこの風潮には疑問を持っている。鉄道というのは国家の根幹をなす重要な交通インフラであり、可能な限り運転し続けるのが使命だと思うからだ。もちろん現実にはそうは行かず、国鉄は分割民営化され、営業成績の悪い列車や路線は次々に廃止されている。一家に一台以上の車があり、国土の隅々にまで立派な道路が通る時代にあって、鉄道は本来の使命を終えたようにも見える。しかしここに来て世界情勢は大きく変わろうとしており、我が国もそれと無縁ではいられない。少子高齢化が加速し、人口減が確定している今、すでに多くの地方自治体からは、毛細血管のような道路網を維持する力は失われつつある。大量輸送に耐える補給ルートをみすみす失うようなことを続けて、国土を維持して行けるのだろうか。鉄道ならたった一人の運転士で650tもの貨物を運べるのに。
それはそうと、雨の方は事前に脅かされていたようなレベルではなく、霧のような雨粒が強い風に舞っているのみ。写真撮影にはまったく向かない朝だったが、悪天候でも頼りになる日野~甲州街道を散歩することにして家を出た。
築堤下の猫民家に黒がいた。
カメラが怖いのか、それとも強くなった雨が鬱陶しいのか、すぐにねぐらへ引っ込んでしまった。
少し離れたら黒いのも出てきた。こんな朝でもみんな隠れて待っているんだねえ。
「体温を保持するためにご飯を食べているのに、体を濡らしたら何にもならないでしょうが」
サビは濡れるに任せている。人間と同様、女の子の方が皮下脂肪が厚くて寒さに強いのかな。