猫を訪ねて日台ハシゴ旅11(北港)


北港鎮の猫

 年齢からして普段はどうしてもサチコに目が行きがちだが、マコちゃんも来月15歳でいよいよ後期高齢者の仲間入りとなる。去年の今ごろ5.74kgあった体重が夏には5.13kgまで減少し、かかりつけを受診したところ甲状腺機能亢進症の疑いありとなって様子を見ていたが、その後徐々に持ち直したのでひとまず安心していた。しかしここのところ再び痩せてきており、しかも今回はそのペースが速く、今月初旬に5.20kgだったものが今日は5.03kgにまで減っていた。元気もなくなって一箇所でじっとしていることが多く、体重の変化以外に症状のなかった前回とは明らかに違う。早めに受診させるつもりだが、あいにく明日から夜勤なので、出勤前におしっこを採取できればそれを先に提出しておいて、次の休みに本人を連れて行くという流れにするつもりだ。猫散歩を潮時と感じるのは、今後このように家族と向き合う時間が増えてくるからでもあって、今回はマコちゃんが対象だが人間も例外ではなく、加齢とともに通院や介助の機会は増えてくるし、俺にも先送りしている症状がいくつかあったりもする。
 昨日と今日は勤務シフト上の休暇だったが、出かける気分になれず家に籠もって過ごしたので、引き続き四国・台湾猫旅4日目(3月22日)の猫を紹介していく。この日の散歩予定地は北港、台西、西螺の3箇所で、これらはいずれも雲林県中西部にあって鉄道が通っていない。便数の少ないバスのダイヤに縛られながら、初めての北港に3時間半近くも滞在できたのはラッキーで、猫を探すだけでなく台湾糖業鉄路の廃線跡や施設跡を見物することもできた。
 次々に現れる猫たちは、なかなかそこへ向かわせてくれないけれど。
北港鎮の猫

 さっき茶トラが乗っかっていたスクーター。そこの玳瑁貓さん、ちょっとだけ写真を撮らせてくださいな。
北港鎮の猫

「好啊ー(いいよー)」
北港鎮の猫

北港鎮の猫

 さっき屋根へ逃げた霜降りさん以外はおしなべて友好的。ここはいい路地だね。
北港鎮の猫

「ほう、そうかい」
北港鎮の猫

北港鎮の猫

 途中、北港朝天宮を見て回るなどして、糖鉄の廃線跡にたどり着いたのは9時少し前。北港線の線路は目の前の大同路を踏切で交差し、築堤で標高を上げながら400mほど先の北港渓を長い鉄橋を渡っていた(こちら)。宮脇俊三の「台湾鉄路千公里」によれば、現役時代の列車はここから嘉義までの18.8kmを1時間15分かけて走っていたそうで、すでにモータリゼーションの進んでいた1980年にそのスピードでは、いくら北港朝天宮の参拝熱が盛んといっても受け入れられなかっただろう。最盛期には一日6,000人もの乗客があったという同線だが、筆者が乗った時は途中の新港から7〜8人の小学生が乗ってきただけだったという。現在北港線に相当するバス路線は嘉義客運の7201路だと思うが、それでも1時間近くかかるから参拝に利用する人は皆無に近い。
 ……それはそうと、やっぱりここでも足止めを食いそうね。
北港鎮の猫

北港鎮の猫

 屋根を中心に茶系の猫が何匹か。
北港鎮の猫

北港鎮の猫

 みんな隣の小吃屋さんの子みたい。台湾に犬や猫が多いのは、屋台や亭子脚などオープン形式の店が多いことも一因なのだろうなあ。「ちょうだい」って甘えられたらお裾分けしちゃう人多いしなあ。
北港鎮の猫

 ほら、あんなところでスタンバってる。
北港鎮の猫

北港鎮の猫

 ほれほれ。
北港鎮の猫

 道理でみんな毛並みがいいわけだよ。
北港鎮の猫

 開店までまだ時間があるのに、思いがけず現れた日本の猫好きに興味津々。
北港鎮の猫

 ここの猫たちの毛色は全員茶系。O遺伝子を優性ホモで持つ茶色い母がいるのだろう。
北港鎮の猫

北港鎮の猫

 廃線跡の築堤を歩き始めて間もなく、側道の向こうに三毛発見。
北港鎮の猫

 44年前、宮脇俊三が眺めた車窓にもきっと猫はいただろう。同じ景色を見ていると思うと感慨深い。
北港鎮の猫

北港鎮の猫

 近寄ったら奥へ引っ込んじゃった。
北港鎮の猫

 猫を探しつつ廃線跡の鉄橋を見物したあとは街の南側へ進路を変えてみた。川向こうの嘉義県六腳郷を散歩してみたいと思ったからだが、予想よりも遠い道のりで最終的には時間がなくなり、かなり急ぎ足でバス乗り場へ戻ることになった。どうせ川を渡るなら北港線に沿って東側の新港郷の方が良かったが、直接渡れる橋がなく、迂回するとなると往復8kmも歩くことになるので諦めた。
北港鎮の猫

 どこを歩いても猫には会えるからいいんだけどさ。
北港鎮の猫

北港鎮の猫

 今日のところはハンサムボーイのキジ白でおしまい。次回は北港から台西へと移動する。
北港鎮の猫

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