高齢や抗癌剤治療などで体重のコントロールが難しくなっていた我が家の2匹だが、何年にも渡る長い試行錯誤を経て、ここのところようやく安定的に食べてくれるようになった。今朝5日ぶりに測ってみたところ、サチコは3.02kgで3ヶ月半ぶりに3kgの大台に乗せ、マコちゃんも3.53kgとなって去年12月初旬のレベルまで戻した。サチコの目標はこのまま3kg台を維持することだが、こちらは食欲増進剤(ミルタザピン錠)に反応しやすい体質なので、減ってきた時にブースター的に投与すれば回復は割とたやすい。一方のマコちゃんは体調の波がある上に偏食がちで、そのたびにフードをあれこれ変えて試すことになるので時間もお金もかかるし、そうこうしているうちにせっかく増えた体重まで減ってしまって難しい。生肉や焼き魚など不変の大好物もいくつかあるので、いざという時はそちらに頼ることもできるが、そうするとキャットフードに対する偏食をこじらせたりもするので悩ましい。ちなみに最終的にたどり着いた食餌内容はシーバデュオを小型のミキサーで砕いて与えるというもの。もともと2匹とも好んでいたフードだが、粒が大きいため食べにくそうにしており、ミキサーで砕くと香りも立つのでさらに食欲が増したようだ。サチコについては朝のみウェットフードも与えているが、マコちゃんは好みの製品が見つからないので、猫用牛乳(時に人用牛乳)で水分やカロリーを補うようにしている。
記事の方は一昨日の会津猫旅・後半編を。冬場はあまり早くから歩いても日の出が遅くて暗いし、会津地方ともなると気温も下がって俺が辛いので、この日は会津若松駅前の宿を8時ちょうどに出発した。去年までは欲張って立ち寄っていたいくつかの猫拠点を端折り、歓楽街には9時すぎに到達。蕎麦屋の茶トラと別れて間もなく、今度は塀の上でちょこなんとするキジ白に遭遇した。
そしてそのころついに雪も降り出した。山の方に雪雲が見えていたので、時間の問題とは思っていたけどね。
たくさんの猫が暮らす定点の駐車場に近づくと、待っていたかのように3匹の猫がこちらを見つめていた。
去年を最後にするつもりだったのに、雪が恋しくてつい来ちゃったよ……。
いつの間にか出てきたのは茶渦白。うちのマコちゃんと同じred classic tabby and whiteという毛色。
一昨年2月12日以来の2年ぶり。前回はまだ子猫の面影があったけど、すっかり大人になったねえ。
フレンドリーな顔つきなキジ白は2023年2月以降毎回見かけてこれが三度目。顔つきとは裏腹に近寄ることも触ることもできない。
駐車場に回ってみると、7日に降ったと思しき雪が積もったままになっていて、猫の遊び場として機能するにはまだまだ時間がかかりそうだった(去年との比較はこちら)。駐車場の奥に建つ一軒家に出入りする数匹の猫に会えたのが不幸中の幸い。
君たちの仲間に会いたかったけど、雪が多すぎて無理みたいね。人懐っこい2匹の三毛ちゃん(こちらとこちら)や、ボス的風格の茶トラ白、もしみんな元気にしているなら、春か秋にまた来るからって伝えておいて。
今回の会津猫旅では若松市内の猫拠点をいくつか端折り、その代わりに郊外の高田か坂下、あるいは市内でも山沿いの武家屋敷方面を歩きたいと思っていた。しかし武家屋敷から駅に戻る「ハイカラさん」や「あかべぇ」といった周遊バスは7日の豪雪の影響で全便が運休しており、坂下まで行くとなるとJR只見線は運転本数が少なすぎて使いものにならないし、バスだと1時間近くかかって時間のロスが大きすぎる。なので次の散歩コースは消去法的に会津高田駅付近に決まり、これは2022年1月からの3回目、IWGさんの猫番組にも登場した某有名神社までの道のりを行って戻る単純なルートとなる。空模様は悪化の一途を辿り、時には横殴りの吹雪に晒されながら見覚えのある路地を南へ向けて歩いていると、他所者を訝しむ猫が道端に座ってこちらを眺めていた。
さくさくと雪を踏む音を警戒して、近寄れば近寄るほど態度を硬化させるキジトラ。最後は塀を乗り越えて視界から消えてしまった。
その場では一昨昨年も一昨年も見かけたキジ三毛だと思い込んでいたが、帰宅してから念のため確認したらよく似た別人だった。ここには少なくとも4〜5匹の猫が暮らしているらしいので、3回目にしてめでたく2匹目に会えたというわけだね。
今回の猫旅は以前のようにぱつぱつに予定を入れず、限られた訪問地をゆっくり巡ることにしていたので、高田で2時間あまり過ごしたあとは、16:00発の高速バスに乗って東京へ戻るつもりだった。ところが高田に着いたころから天気が不安定になり、急に風が強くなって吹雪になったと思ったら、ふと思い出したように晴れ間が見えたりもして落ち着かない。いくら防寒をしっかりしていても強風が吹いたらイチコロであり、運転本数の少ないバスや列車を見逃しでもしたら、とても辛いことになることは過去の経験で分かっている。
それに若松市内には心残りもあった。駅から徒歩10分ほどのところに老夫婦の営むラーメン屋があって、会津に来た時は必ず食べていくことにしていたが、今回は滞在時間が限られており、店の営業時間も10:00〜15:00と短いので端から諦めていた。しかし吹雪の高田を彷徨うよりも、早めのバスで若松に戻って、余った時間で温かいラーメンを食った方が良いのではないか。そう思い立った時には次のバスまで残り9分で逡巡の余地はない。図らずもわずか1時間で若松へ舞い戻ることになったが、猫には2匹会えたし悔いはなかった。
歓楽街にほど近い神明通りと称するバス停で途中下車し、念のため猫駐車場を覗いてみたものの大方の猫は引っ込んでおり、目的のラーメン屋にたどり着いたのは14時半近く。1年ぶりの味噌チャーシュー麺を啜ると冷えた体が蕩けていくようで、「旨かったよ」の言葉にはにかむ爺さんや、いつも会津弁の弾丸トークを聞かせてくれる婆さんの元気な姿を見られたことがとても嬉しかった。昭和10年と12年生まれの夫婦にまた会えることを願い、店を出たのはちょうど閉店時刻の15時だった。
最後に見かけたのは人懐っこい鉢割れキジ白。
君たちもこの街も魅力的だから、もう来ないとか言うのやめたよ。
きれいな毛並みのキジ白は、立ち去る俺をいつまでも眺めていた。