ここのところようやく梅雨らしいじめじめした天気に戻ってきた。日の出が早く、早朝からしっとりした情景が見られるこの季節が好きなので、今朝は頑張って早起きして、仕事前に西八王子〜京王八王子の8.9kmを猫サイクリングしてきた。最後にこのコースを訪れたのは定期更新を終える前日の去年8月9日で、要するにそれだけ大切に思っていた場所なわけだが、随時更新になってから足を向けなかったのは、その時に気持ちの踏ん切りをつけたつもりだったからだ。仮の名前をつけた子こそいないものの、かつてこの辺りは猫の巣窟で、数多の猫たちにとてもお世話になった。その一方、当時から不妊化が進められていたようなので、10年も経てば大方の猫は子供も作れないまま老いや病で死んでいき、いずれ誰もいなくなることは分かり切っていた。去年8月に踏ん切りをつけた時には初訪問から11年が経過して、予想通り大方の猫がいなくなっていたし、その後もそれは加速度的に進んでいくはずだった。要するに行ってもどうせ淋しい思いをするだけだから行かなかったということだ。
でもサチコが死んでから、馴染の猫の生き死にぐらいは知っておきたいと考えが変わった。そもそも俺だって人生で最も死にやすい50代なのだから、猫が先に死ぬとは限らない。状況の変化に応じてしなやかに行動しないと、後悔したまま終わってしまう気がしてきたのである。
まあそんなわけで今朝のコースは11ヶ月ぶりの西八王子から。定点の猫民家で2匹の常駐猫がつるんでいた。
前回と同じ組み合わせなのがとても嬉しい。黒の同定は難しいけど、この子は2017年4月が初出。
途中いくつかの猫拠点が空っぽなことを確認しつつ、次に自転車を止めたのは柳の花街。朝食の配膳と勘違いしたキジ白が隙間からまろび出てきた。
勘違いに気づいて隙間に戻ったところを覗いたら、「こっち来んな」のシャー。
植え込みの向こうには猫置屋があって、かつては三毛姐さんほか多数の猫芸者が所属していた。猫好きの旦那(俺)にシャーかますこの子はまだ修業が足りないようだねえ。
慎重に平行移動して全身を捉えた。この子は出会って7年半の顔馴染。
こちらの三毛とさっきの茶トラ白は2018年1月にセットで会った。黒は2017年4月。3匹ともずいぶんくたびれたけど、この猫歓楽街で最後まで残ったのはこの子たちだけだと思う。よく頑張ったなあ。
電チャリは身軽なので、八王子駅の栄えてない方にも足を延ばしてみた。会いたかった美人三毛に会えてラッキー。
回り込んだら屋根の上にもう1匹。さっきまで降っていた霧雨がようやく止んだので、毛皮を乾かしに出てきたのかな。
三毛ちゃんは2月にも見かけたけど、その時よりは縦格子のフェンスの分だけ距離が縮まった。ちなみに地上に降りたところは1年以上見ていない(こちら)。
おお、立った! これは大サービス! ……というように、美人さんの一挙手一投足に一喜一憂する猫好きの旦那なのである。
再びぱらぱらと降り始めた雨を避けて休んでいると、駐輪場の向こうに猫影を発見。
まさか見つかるとは思っていなかったというような顔つき。逃げるでもなく、きょとんとしたままその場で固まっていた。今日はこれでおしまい。