台湾以外の外国、それもヨーロッパ、しかもフランスなんて行きたいと思ったことは一度もないんだが、諸般の事情により少し調べてみたところ、成田〜パリの直行便だと片道20〜25万円かかることが分かった。乗り継ぎで30時間ぐらいかかる便だと5万円ぐらいからあるようだが、往復の移動だけで60時間となるとさすがに考えてしまう。実際のところ、それだけの時間を旅行に割けるなら最初に行くべきは小笠原だし、キーウエストのヘミングウェイ博物館で多趾症の猫を観察したい気持ちもまだある。なのになぜ突然フランスが浮上したのかというと、パリ郊外のParc des Félinsという動物園施設の存在を知ったからだ。
直訳すると「ネコ科の公園」という名のこの動物園では30種類以上140頭に及ぶネコ科動物が飼育展示されていて、その中にはイエネコのルーツでもあるリビアヤマネコも含まれている。リビアヤマネコというのは猫好きにはよく知られている小型ネコ科動物だが、飼育している動物園は世界的にも珍しく、日本から最も近いのは4,700kmも離れたロシアのノヴォシビルスク動物園という有様だ。人類との関わりを考えたらこれほど重要で興味深い存在はないはずなのに、見た目はイエネコのキジトラと同じだから、導入したところで集客には繋がらないのだろう。要するにリビアヤマネコを飼育している動物園自体が貴重であり、実物を見るにはアジアの外へ出なければならないわけである。
一方、Parc des Félinsの魅力は動物たちが屋外の自然に近い環境で暮らしていて、しかもそれを至近距離で観察したり撮影できるらしいということだ。アフリカや中東の草原地帯で偶然に任せてリビアヤマネコを探すのも面白いとは思うが、見つけられなかった時の精神的・経済的ダメージは御蔵島の比ではない。リビアヤマネコの存在が約束されているParc des Félinsであっても、少なくとも数日は滞在しないと不安だし、それだけ日本から離れるならついでにキーウエストにも行きたいので、定年になったら2週間ぐらいかけて掛け持ち旅行することも考えている。
ちなみにリビアヤマネコ自体は今までに2回会って写真も撮っている。かつて横浜市内の民間の動物園で1頭が飼育されており、事前に予約して2013年6月と12月に面会が叶ったが、そのころから病気がちで、2018年1月に死亡してしまった。現時点ではそれが国内最後の飼育例だと思う。
前置きが長くなってしまったが、肝腎の猫サイクリングレポートはここから。走行区間と距離は中野島〜登戸の7.8kmだったが、無尽蔵に生息する猫寺に立ち寄ったこともあり、会った猫の数は判然としない。最初に見かけた茶トラは偶然にも去年7月10日以来ちょうど1年ぶり。いつもは蔓棚に引っかかっているところ、今朝は珍しく塀の上に座っていた。
お年を召しているように見えるので、しばらく会えないと諦めちゃうんだよなあ。もう少し出現頻度を上げてくださいな。
この家の猫ボックスで猫が暮らしていることは知っていたけど、見かけるのは2022年7月以来の3年ぶり。加齢のせいかだいぶ痩せたなあ。
「見覚えがあるような、ないような」といった微妙な表情。こっちはよく覚えているんだけどね。
一歩前進するとシャーと言って車の下に潜り、一歩後退するとこうして出てくる。何度か繰り返しているうちに暑くて汗が出てきたので諦めた。
3月以来の猫寺はすでにアブラゼミの社交場と化していた。盛大なセミ・シャワーを浴びる黒1匹。
ほかにも何匹かいたけど、撮った写真は全部ブレた。境内は鬱蒼としていて暗いんだよねー。
お母さんもしっかり張り付いている。怪しい者ではござらんのだよ。
騒ぎを聞きつけて顔見知りのキジ白が現れた。この子はカメラが苦手だったはずだけど、今朝はなぜか積極的。
細身のキジトラはたぶんおめでた。というか子猫は見えただけでも5匹ぐらいいたし、母親と思しきのも3匹ぐらいはいたし、今シーズンは大所帯になりそうだな。サチコ用に買っておいた食べ物がたくさん余っているから、今度持ってきてあげようかな。
猫は入れ替わり立ち替わり出てくるのできりがない。そろそろ帰らないと仕事前に朝ご飯を食べる時間がなくなっちゃう。
黒系とキジ系で構成された猫寺の猫たち(ほんの一部)。人懐っこいのはほとんどいないけど、ほどよい距離感でなかなか居心地がいいのである。