「猫、好きなんですか?」
駅北口の路地で小さな三毛を見つけて撮っていると、学校帰りと思しき女子中学生が話しかけてきた。スーツを着て猫の写真を撮るような人間を見るのは初めてらしく、いい大人か悪い大人か見極めているような顔をしているので、「以前ここで子猫を見かけたので、元気にしているか様子を見に来たんだよ」と、努めて柔らかい声で答えると、安心したように明るい表情になって、この辺りの猫事情を教えてくれた。それによると、この路地には何と14匹の猫がいるのだそうだ。親子関係もほぼ把握しているらしく、ずいぶん詳しいものだなと感心したが、考えてみれば中学生なら毎日朝夕同じ道を通るのだから、興味を持って観察していればそのぐらいは分かるのだろう。
この子のほかに子猫は6匹生まれたらしい。俺もそのうち3~4匹は見かけたと思うが、何しろあっという間に逃げられるので、なかなか写真は撮れずにいる。
レンズを広角端にして60cmほどまで近寄ってみた。ここの子猫には珍しく、しばらく逃げずにいてくれたが、さらに距離を詰めたら日陰に隠れてしまった。
猫にとっても人間にとっても涼しくて爽やかで快適な日。ただし猫はお昼寝タイムなので、こういう風体なのが多い。スペインあたりなら人間もシエスタでこうなってるかも知れないけど。
気温は16℃程度で、日差しが当たると少し暑く感じるぐらい。どちらかというと、暑いからというより眩しいから日陰にいるのかも。
こいつはここらでたまに見かける子。呼んだら「にゃあ」と返事して……、
毛色は限りなくキジ渦(ブラウンクラシックタビー)に見えるが、実は二毛。お腹からわずかに出ている左後ろ足に茶色い毛が混じっている。
秋の木立に黙って佇んでいると、物思いに耽っているように見えるものだな。
ちなみにこいつは1年前の11月22日にも同じシチュエーションで会っている(こちら)。秋にしか会えないのには何か理由があるんだろうか。
最後の猫は民家の敷地からこちらを眺めていたキジ白。せっかくこんなにいい天気なんだから、外に出て遊べばいいのに。