「雪やこんこ」のイメージがあるせいか、雪の野原を駆け回るのは犬で、猫はこたつから出てこないと思っている人が多いようだが、実はそうでもなかったりする。積もった雪の上を走り回ったり、あるいはしんしんと降り続く雪を飽きもせずに眺めていたりと、猫は意外に雪が好きだ。昨日もそんな情景に巡り合えたらと思っていたが、朝のうちは雨だったし、日中降り続いていた雪はちっとも積もらないし、肩すかしを食った気分だった。
そして、今日の天気は一転して晴れ。雲は多かったが日差しが強くて暖かく、いい気分で西国立から矢川までの散歩を楽しんだ。
怒りんぼさんには相変わらず会えない路地で、イケメン黒白がお昼寝中。
……かと思ったら、耳がしっかりこちら向き。とっくにバレていた。
カメラを構えたら、微妙に車の下に隠れてしまった。毛繕い中のところ済みませんね。
この子の尻尾は先っぽだけが黒くなっている。普通の白斑は、どんなに大きくても、尻尾には及ばないはず。この子の白斑遺伝子は、一般的に知られているS遺伝子とは違うのかも知れない。
ブアイソーズ公園に寄ってみた。ここに猫が集うのは朝夕ぐらいで、日中は大方ねぐらで寝ているんだが、今日は黒白が1匹残っていた。
ブアイソーズは無愛想。いくら呼んでもベンチの下から出てこない。
近寄ったら後ずさり。俺の前に、通りがかりのお姉さんに撫でられていたはずなんだけど……。
この家は猫たちの拠点になっていて、黒白じゃないのも当然いる。
去年11月の南武線猫行脚の時にも会った子たち。みんな元気そうだね。
こちらを見つめてにゃあにゃあ鳴いている。かといって人懐っこいわけではなく、近寄ったら茂みに隠れてしまった。
確かに俺の散歩コースでいちばん見かけるのは黒白だけど、今日は特に多かった。ちなみに、野生型のキジトラに対して、黒白は二つの遺伝子が変異している。一つはアグチ遺伝子(A遺伝子)が劣性のaaになっている点。その結果、褐色を生じるフェオメラニンが作られなくなり、キジトラの毛色から褐色が抜けて黒だけ、つまり黒猫になる。もう一つは、白斑遺伝子(S遺伝子)が優性のS-になっている点。その結果、黒猫に白斑が生じて黒白となる。俺がこの毛色の猫を「白黒」ではなく「黒白」と呼ぶのも、そういう仕組みで発現しているからだ。白斑は家畜の表現型とも呼ばれていて、猫だけでなく、牛、馬、犬、鯉、金魚など、哺乳類以外の家畜にも見られる。