職場から数百mほど離れた団地の一角に猫がいる。天気の良い夕方など、西日に当たって寛いでいる姿をバスの車窓から眺めているが、写真を撮るとなると一つ手前のバス停で降りることになり、あとが慌ただしくなってしまうので、途中下車したことは一度しかない(こちら)。
夜勤が明けて、明日が休みということもあって、今朝は職場からこの団地まで歩いてみた。猫は所定の場所にいたが、ファインダーを覗いて構図を考えているうちに茂みに隠れてしまい、しかもその傍らを20分に1本しかないバスが通り過ぎて行った。平日ダイヤと勘違いしていたのだった。
夜勤明けの猫関係業務は、か細い緊張の糸で成り立っているため、これでモチベーションの9割を喪失。そのまま南大沢まで歩いて電車に乗った。道中、若干の猫の気配を感じたが、改めて散歩するにしても、この辺りは起伏の多い地形で急坂だらけ。出退勤のついでに歩く気にはなかなかなれない。
気を取り直して、もう少しだけ散歩することにして、片倉で電車を降りた時には、退勤してから1時間半経っていた。はじめに駅近くの猫拠点に寄ってみると、いつもの場所で茶トラが寛いでいた。
川沿いの細い遊歩道からのアプローチとなり、建造物や樹木もあるので、この子の写真はいつも同じアングルになってしまうなあ。
乗っかっているのはギターケースらしい。なぜこのような場所にこのようなものがあるのかは不明。
そこへお店の親父さんが現れた。挨拶して、少しだけ話したところによると、家でも猫を10匹ほど飼っているのだそうだ。わざわざ自室から写真を持ってきて見せてくれた。
バスの件で打ちひしがれていたため、今日の散歩は八王子に向かって一直線。こちらも猫拠点となっている路地に来ると、巡回帰りと思しき黒白が現れた。
黒白が民家の敷地に消えて行ったのと入れ替わりに、茶色いのが顔を出した。こういう角度なのは、しゃがんでいるのではなく、傾斜地の山側に建つ住宅だから。
この子は隣の駐車場で何度か見かけた子。俺、いま打ちひしがれているので、慰めておくれよ。
「おもちゃ持ってないの? この子は手ぶらじゃ反応しないわよ」
少し成長した茶渦君。前回は爪を立てられても平気だったけど、だいぶ力が強くなっていて、今日は盛大に出血してしまった。
その後、峠を越えて駅に着くまで、見かけた猫は1匹のみ。屋根の上のキジ白が湿っぽい視線を向けていた。