出勤時は雨に降られると思っていたが、思ったより空が明るくて、そんな気配は感じられなかった。降るのは夜半前から未明にかけてのようで、その通りになってくれれば、明日も散歩できるので大変ありがたい。
諸般の事情により、今日はいつもより1時間早い15時からの勤務のため、家を出るのも前倒しして、正午ちょうどの出発となった。駅の北側に回り、外壁塗装工事中の猫マンションに寄ってみると、ちょうどキジトラが駆け込んできたところだった。
「ご飯をくれる人は多いんだけど、お水はなかなか飲めないんだよ」
猫マンションのあと、遊歩道を東に向けて歩き出すと、前方に黒白の物体が見えてきた。
ここは猫マンションの裏側。こいつはたまに見かけるモノクロ三兄弟の1匹で、右耳が斜めっているのが特徴。もう少し近寄りたいところだけど、とても臆病なので、少し前に出ただけでも車から飛び降りてしまう。
さらに歩いて、定点の児童公園にやって来た。公園内に猫の姿はなく、空振りかと思って周囲を見回すと、民家の敷地に2匹の猫がいることに気づいた。向こうはとっくにこちらに気づいていたようだな。
あれは人懐っこい飛び三毛。今日はあまり機嫌が良くないらしく、いくら呼んでも動かない。曇って暗いし、ごろんごろんする気分にはならないかもなー。
相方の巨大灰猫は、空っぽのお椀を前に人待ち顔。俺がご飯の人じゃないのはとっくに承知で、あと一歩でも前に出ればたぶん逃げる。
だいぶ逃げられたけど、何とか追いついた。こいつも人待ち顔なのは、そろそろご飯の時間が近いからかな。
細い路地の入り組む住宅街に差しかかると、保護色モードの茶トラを発見。まったりしているね。
散歩開始から1時間あまり経過して、そろそろ駅に向かおうと急ぎ足で歩いていると、民家の庇の上で2匹の猫が寛いでいた。
そんな様子を窺いに奥から出て来たのも黒。この家は以前も一度通りかかったことがあるけど、見かけるのはキジトラと黒ばかり。遺伝的にはとても分かりやすく、キジトラ(野生型)のA遺伝子座に劣性のaが混じっているのがいるから、交配でaaになった時に、黒いのが生まれることになる。なおAaの場合は優性の法則によりキジトラのまま。
屋根の上に見え隠れしている尻尾は、さっき逃げたキジトラかな。
ホント言うと、この家の猫はこんなものではなくて、もっともっとたくさん住みついていて、そのほぼすべてがキジトラと黒だったりする。屋根の上が遊び場になっているらしく、なかなか地面には降りて来てくれないんだけれども。