26日から昨日まで台湾に行ってきた。
猫を探すためだけに海外にまで行くという、酔狂の極みとも言えるような行為は、前回の一回限りと思っていたが、記憶に残る彼の地の魅力には抗えなかった。心配していた天気はほぼ予報通りで、初日と2日目がおおむね晴れて、特に2日目はたくさんの猫が出ていた。3日目はあいにくの雨だったが、こちらに濡れる覚悟さえあれば、猫探しに不利ということはなく、この日も歩いた分だけ会うことができた。
留守中の記事に書いた通り、今回はLCCのバニラエアを利用したので、まずは成田空港に向かうわけだが、飛行機の出発が7:15と早いため、その日の朝に出たのでは間に合わない。そのため、25日の23時すぎに家を出て、横浜線の橋本駅から深夜バスに乗り、成田には日付の変わった午前3時半ごろ着いた。フライトは4時間ほどで、桃園国際空港に降り立ったのは現地時間の10時半だった。
台湾に着いてまずやらなければならないのは、第一に両替。空港内の銀行で20,000円を両替して、手にした通貨は5,492元(手数料20元)だった。その次に向かったのは通信会社の集まるブースで、ここでは中華電信のSIMカードを契約した。4Gのデータ通信が3日間使い放題+100元分の音声通話がついて300元(約1,080円)。台湾華語が話せないのに、音声通話がついても仕方がないとその場では思っていたが、のちにこれが役立つことになった。ちなみに、前回はdocomoのiPhoneを使っていたので、モバイルルータしか選択肢がなかったが、去年10月にSIMフリー版のiPhoneに買い換えてあり、台湾のSIMを挿して使えるようになった。通信環境が整ったあとは、悠遊カード(台湾版Suica)をチャージして準備完了。桃園市内に向かう路線バスに乗って、台湾猫散歩の始まりと相成った。
桃園客運5059系統のバスに乗り、桃園市内の敏盛医院というバス停に着いたのは12:20。下町的な場所を選んだつもりだったが、桃園は予想以上に都会だった。冬の台湾には珍しく、歩き始めの天気は快晴で雲一つなく、気温は20℃ほど。東京を出た時と同じ服装では当然暑いし、猫が日なたに出るにもやや暑い。散歩開始から3分ほどで2匹の猫を見かけたものの、カメラを構える間もなく逃げられて、次の猫を見つけるには、さらに1時間半歩かなければならなかった。
瓦屋根の上で2匹の猫がまったり中。まずはカメラに収めてほっと一息。
「你當然會從日本帶來紀念品、不是嗎?(まさか手ぶらで来たわけじゃないだろうな?)」
もう1匹はオッドアイ。白かと思ってよく見たら、右耳の下に小さな色斑があった。これだけでは判定できないが、見た目でキジ白にしとく。
桃園国際空港というのは、地理的にも役割的にも、日本で例えれば成田のようなもので、台北市内からはだいぶ離れた場所にある。桃園市も成田市のような鄙びたところだろうと勝手に想像していたが、それを遥かに超える都会ぶりで、街なかには夥しい数のスクーターが蟻のように走り回っていた。東京のような排ガス規制もないらしく、バスやトラックが盛大に黒い気体を撒き散らしていく。あまりの空気の悪さに辟易して街外れに逃れると、畑の隅で日に当たる茶色い猫を発見した。ややきれいになった空気にほっと一息。
台湾の野良猫はスリムなのが多いが、こいつは割と丸っこい。近所の飼い猫かな。
さりげなく俺をブロックしている。さては審査結果が良くなかったか。
この日歩いたのは、バス停から台鉄桃園駅までの約12km。選んだ場所が都会過ぎたか、その後はあまり芳しくなかった。猫農家の次はとある寺院で発見。分かるかな。
ぼけっと眺めているうちに、地面に下りてきた。もちろんすでにバレている。
つまらなそうな顔でこちらを眺めていた。
初日の猫は以上でおしまい。この日はこのあと桃園から電車に乗って台北に行き、捷運(地下鉄)に乗り換えて淡水に投宿した。次回は翌27日朝の淡水猫散歩から紹介する予定。