以前から出していた転属願いがようやく承認され、今月いっぱいで今の部署を離れることになった。うちの会社は中小のくせに体質が銀行や官公庁のノリで、直前にならないと異動の内示が出ない。以前はデスクの前後左右に猫好きの上司が並んでいたので、喫煙所の談話レベルで色んな動きを知ることができたが、離れ小島にいると、そういう情報がぜんぜん耳に入ってこない。
まあそんなことはどうでもいいんだが、そんなわけで、和光に通うのは日勤2回と夜勤1回を残すだけとなった。この街で知り合った猫も何匹かいるが、仮の名前をつけなかったのは、もともと長くいるつもりはなく、あまり入れ込むと別離が辛くなるからだ。とはいえ異動してきた当初は、散歩しにくい勤務シフトの中、何度もお世話になったのもいるから、離任の挨拶ぐらいはしておきたい。あと3回でどれだけの子に会えるだろうか。
それでは今日の本題。曇り空で寒かったせいか、夜勤明けの散歩は絶不調で、見かけた猫は2匹に留まった。
1匹目は職場の近くで見かけた大きなキジ白。呼ぶと愛くるしい声で返事するんだが、近寄ると離れてしまう。
あれはこの辺りで時々見かける長毛キジ白だな。古くからの顔馴染みなので、後ろ姿で分かる。