台湾猫散歩3日目の1月11日、帰国日の朝は枋寮で迎えた。
前日は台東からの普快車で18:20に到着し、駅前の食堂で豬肉泡菜炒飯をかっ込んで腹ごしらえ。読めないメニューを適当に指差して注文し、わくわくして待っていたら、出てきたのは豚キムチ炒飯で、少しがっかりしたが味は良かった。寝る前に甘いものが欲しくて、セブンイレブンで木瓜牛乳と明治のミルクチョコレートを買い、宿に着いたのは19時ちょうど。俺はチョコレートが好きで、主食と言っても過言ではない。
この日泊まったのは、枋寮鐵馬客棧という名の小さな宿。鐵馬というのはロードバイクのことらしく、この宿を営んでいるのが駅前の自転車屋なので、チャリダーの集まる宿すなわち鐵馬客棧なのだろう(たぶん)。宿の前に着いて電話したら、自転車屋の奥さんと思しき若い女性が鍵を開けに現れて、部屋の説明や近所の観光案内をしてくれた。日本語はまったく喋れず、俺も事前に中国語は分からないと伝えてあったので、お互い不自由な英語で汗をかきながらの会話だった。宿泊料金は500元(約1,800円)で、トイレとシャワーは共同だが、客は俺だけだし、自転車屋の奥さんは店に戻ってしまって誰もいない。全館貸切で心底リラックスできた。
帰国日の11日は朝のうち雲が多かったが、予報は晴れ。枋寮郷は台湾の南端に近く、気候区分は熱帯に属するので、日中は余裕で25℃を超えると思われた。夜が明けて明るくなるのも花蓮の時より早く、写真撮影に支障ないと判断して出発したのは7時ちょうど。だだっ広い道路脇で最初の猫に遭遇したのは5分後のことだった。
通りから少し引っ込んだ場所にもいた。汚れたコンクリートが保護色になって、よく見えないかな。
台湾名物(?)の赤茶けたキジトラ。二毛かも知れないが自信ない。
7時に散歩を開始して15分ほど経つと、メインストリートに沿う小学校には続々と児童が登校してきて、交差点や横断歩道には保護者が立って見守っている。日本でも見慣れた光景だが、時間がだいぶ早いと思って調べたら、台湾の小学生は7時半ごろ登校して、清掃と自習を行い、最大7時限の授業を受け、16時近くに下校するんだそうだ。小学校6年間で習う漢字は3,000字だそうで、日本の小学校で習う1,006字はもちろん、常用漢字2,136字、漢字検定準1級の2,994字さえ上回る。ただし読むことに関しては、日本語の方がはるかに難しいと思うので、単純には比較できない。例えば「猫」は中国語で「マオ」だが、日本語では「ねこ、びょう、みょう、ぼう」だし、それらをどう読み分けるのか、論理的に説明するのは難しい。
まあそんなことはどうでもいいんだが、眠そうな子供たちで賑わうメインストリートを避けて一本隣の路地に入ると、やはりここにも猫がいた。
街なかを抜けて海岸通りに出た。赤い朝日に当たって毛繕い中のキジトラ。この街はキジ系が多い。
海沿いはあと回しにして、人通りの少ないうちに街なかを片付けることにした。まあどこへ行っても猫たくさんいるわー。
「デートしてんだよ。空気読めよ。あと次回へ続くからな」