予報によれば今夜は雪が降るそうで、道理で日中から曇って寒いと思った。仕事はお休みだったが何もする気になれず、少し体を動かすつもりで出かけたのは11時を過ぎていた。適当なコンビニでご飯を買って、その道すがら猫に会えたらいいぐらいに考えていたが、蓋を開けたら某巨大神社まで8km近くも歩いてしまい、しかもコンビニには行かなかった。俺は自分という人間がよく分からない。
まあそうは言っても、出ずっぱりになったのには一応理由があって、最初に猫を見かけた家に咲いていた梅の花がきれいだったからだ。猫にはすぐに逃げられたが、今の季節はこういうきれいなものが咲いているんだったなと思い出して、猫と一緒に撮れたら幸せになれる気がしたのだった。
梅だけ撮って満足するならすぐに終わる散歩だが、猫を絡めるとなるとそう都合良くは行かない。そもそも冴えない天気で猫自体なかなか見つからず、次のに遭遇するまで50分近くかかってしまった。
あの子は一度会ったことのある子。あれは引っ越しして住民票を移しに市役所へ行った日だった(こちら)。
「君は遊びに来たのかい? ちょうど良かった、退屈していたんだよ」
まずはキジトラからと思ってカメラを向けると、ぐりぐり割り込んでくる。今遊ぶからちょっと待ってー。
旧街道沿いの猫民家に差しかかると、壁際でキジトラが寝ていた。
家を出てから2時間かかって、ようやくキバちゃんちにたどり着いた。向かいの雑木林に2匹の猫発見。
キジトラの方は一時ずいぶんヨレていたが、持ち直して来たようだ。
歓迎されていないのは顔つきで分かるけど、ここに来ればキバちゃんにまた会えるかもって思っちゃうんだよ。きっともう無理なんだろうけどさ。
某巨大神社では1匹の猫に会うこともなく、帰りはバスで戻ってきた。スクーターの上に猫が乗っかっている。
冬毛ふっくらの灰白。人懐っこいかと思って指を差し出したら、車の下に潜ってしまった。