Googleストリートビューで東南アジアの国々を回っていると、家の前に置かれた椅子に家人が腰かけて何をするでもなく、通りを眺めてぼけっとしている光景をよく目にする。俺が台湾に行った時も、誰もいないと思って入った細い路地で油断していると、道端から唐突に「去哪裡?(どこ行くの?)」などと声をかけられて、のけぞる場面が何度かあった。その人たちが何の目的で道端に座っているのか、未だ分からないままだが、日中は暑くて室内にいるのが不快だから、風の通る屋外の日陰で過ごしているのではないかと想像している。そしてまた、今日見かけた猫たちも、アジアの手持ち無沙汰な人々と同じように、道端や庇に出てぼけっとしていた。彼らはきっと、その時々で最も快適に感じる場所にいるだけなのだろう。
夜勤明けの散歩コースは片倉~京王八王子。峠道で最初の猫に会ったのは正午ちょうどだった。
指の匂いは嗅いでくれたが、カメラがダメな子。レンズを向けたら逃げてしまった。
小刻みに「にゃ、にゃ」と鳴いていたので、ほかに誰かいるのかなと思って、辺りを見回すと……、
この辺は女の子が多いんだな。知り合いのオス猫に教えてやろうっと。