猫隧道


八王子市の猫

 雨になりそうな薄ら寒い日は雪虫がさよさよと飛んでいる。北海道で遭遇するような大群ではなく、せいぜい1匹か2匹で、人目を忍ぶかのようにひっそりと浮かんでいる。このような小さな虫に、東京の猫は関心を示さない。
 初冬の風物詩で季語になっているにもかかわらず、この虫は害虫に分類されている。白い綿毛は石油に似た成分で、衣服や体にくっつくと、べたついて白い色が取れなくなる。群飛の中を運転していると、フロントガラス一面に付着して、ワイパーでも動かそうものなら、油膜でガラスが真っ白になって前が見えなくなる。歩いているだけで口や鼻や耳の穴にまで入ってくるのだから、北国の猫はさぞかし毛繕いが大変なのではないか。
 ……というようなどうでもいいことを考えながら開始した今日の散歩は、京王線の北野からJRの八王子まで。会えた数は多くなかったが、人懐っこいのがいたので癒された。1匹目は寂れた駐車場に佇んでいた猫背のキジ白。
八王子市の猫

 止まり木に止まる鳥のように、車止めに乗っかっている。毛並みがすっかり冬の装いだな。
八王子市の猫

八王子市の猫

 逃げるべきか留まるべきか、ここが思案の思案橋。
八王子市の猫

 路地の脇から茶色いのがまろび出てきた。
八王子市の猫

八王子市の猫

 品定めをするかのように、しばらく睨み合っていたが……、
八王子市の猫

 ごろーん。人懐っこい子だー。
八王子市の猫

 おう、カワユイじゃねえか。
八王子市の猫

八王子市の猫

「あっ、見つかった!」
八王子市の猫

「ああっ、向こうからも人が!」
八王子市の猫

 三毛、進退窮まる。
八王子市の猫

「……」
八王子市の猫

 微妙に後退しているな。そんなに俺がイヤですか。
八王子市の猫

「僕はもう子供じゃないから、トンネル遊びには興味ないな」
八王子市の猫

 最後の猫は、民家の敷地でちんまりしていたキジ白。顔見知りではあるが、目つきから分かるように、まったく懐いてくれない。
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