職場の人手不足が解消してきて、憚りなく休暇を取れるようになりつつある。バニラエアで成田~函館便が開設されて、15,000円ぐらいで往復できるので、来月あたり猫でも探しに行こうかなと思ったりしているが、ほかに会いたい猫がたくさんいるので、どうするかは分からない。どうせ手間暇かけて成田まで行くなら台湾の方がいいとも思うが、残念ながら彼の地はすでに暑くて散歩は無理だ。
2007年に実家を引き払って以来、函館に残るものといえば墓だけで、それ以外にはまったく用のない街になった。行かなくなって10年経つから、街並みはそれなりに変わっただろうが、その程度の興味はGoogleのストリートビューで満たせてしまうから、ますます足が遠のく。猫の多いことだけは10代のころから印象に残っていて、事前調査などしなくても、今でも地図なしでそうしたルートを辿れるはずだ。俺の人生で最もたくさん歩いているのは現在だが、その次は高校生の時で、通学やデートで歩き回った元町地区には昔から猫が多かった。
まあそんなことはどうでもいいんだが、今日の夜勤前の散歩は立川駅からスタート。グランデュオを通り抜けて南口に出るという懐かしいルートで、最初に見かけたのは塀から顔だけ出した茶トラ白。ここはチョビ1号邸~七三ファミリーの縄張りへと至る道。
そっと接近を試みたが、目が合うなり見えなくなるまで逃げてしまった。猫道は険しい。
かつて七三の溜まり場になっていた民家は跡形もなく破壊され、現在は更地になって新たなマンション建設を待っている。もうここには猫はいないだろうと諦めていたが、念のため通ったら空き地の向こうに小さなお尻を発見した。
眠そうに顔をもたげたのは七三ファミリーの母。ずいぶん久しぶりだなあ。
溜まり場だった民家は意外にも重量鉄骨造で、解体にはかなり時間がかかっていた。自分の縄張りから発する騒音や振動で、相当のストレスがあったものと思われる。ようやく終わったと思ったら、今度は4階建てマンションの建築だそうだから、気の毒というほかない。そのせいかどうかは分からないが、婆さんはまったく見かけなくなった。
七三の母に会ったあとは、モノレールの柴崎体育館駅を目指す。とある路地を南下していると、高みに佇立する猫の姿が見えた。
なぜ見つかったのか解せぬというような顔つきの茶トラ白。ここはヤルキナシオ邸。
ゆっくり駐車場に到着したのは14時近く。といっても先日来この土地には杭が立てられ、駐車場としては使われなくなり、今はただの空き地になっている。最初に見かけた猫はゆっくり1号ではなく、お友達の黒だった。黒い土の上なので分かりにくいかな。
今日は雲が多くて日が差したり翳ったり。被写体が黒だと露出の調整が忙しい。
白はなかなか懐いてくれなくて、舌を鳴らしても下向いちゃってダメ。近寄りすぎたかな。
ごろーんも見せてくれた。冬の間ずっと治らなかった風邪は、だいぶ良くなったように見えた。くしゃみはしてたけど。
ここで人懐っこいのはゆっくりちゃんだけと思っていたら、こんな子もいたのね。指の匂いで挨拶しているうちに、ゆっくりちゃんはねぐらに戻ってしまった。
今日は茶トラ白で始まり、茶トラ白で終わる散歩。最後の猫は定点の猫民家で日を避けていた。